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Culture & Art Report from INDONESIA


by midoriart

3月26日◇KITA!!展現地報告1:豊嶋さんがやってきた

 前からこのブログで話が出ている国際交流基金主催『KITA!!:Japanese Artists Meet Indonesia』がもうすぐ始まる。3月26日にはこの展覧会のキュレーターの一人、grafの豊嶋秀樹さんがジョグジャ入りした。今までは一人でそれぞれの参加作家のリクエストを聞いて、材料のリサーチやロケーション探しなどをしていたのだけれど、これからは強い味方がいる。

3月26日◇KITA!!展現地報告1:豊嶋さんがやってきた_b0090333_4124126.jpg 「現場でこそ自分の力が発揮できる」という豊嶋さんは、ものすごい速さでジョグジャの5会場の現状況を把握して、これからの作家の受け入れ態勢を作っていく。その段取りのよさ、機転の速さといったら忍者並み。さすが、いろんな国で制作してきた人だけある。ついて回るだけで楽しい。
 

3月28日◇淀テクがやってきた
 あっという間の受け入れ準備2日間が終わり、参加作家の第一便がジョグジャ入りした。着いたのは生意気の二人、淺井祐介くん淀川テクニック(こちらも男性二人組)とSONTON(男女のユニット)。宿で明日からの打ち合わせをして、だんだん展覧会準備が始まってきた気配。

3月26日◇KITA!!展現地報告1:豊嶋さんがやってきた_b0090333_4134118.jpg 翌29日には、まず川のゴミを使って制作する淀川テクニックを、私が見つけておいたウィノンゴ川に案内し、町内会長さんに紹介した。この町内では町民あげて淀テク歓迎態勢で、彼らが仕事しやすいようにと、川のほとりに竹製のスタジオまで作って用意してくれた。挨拶の時には子供たちがはしゃいで川に入って振りチンで歓迎してくれた。
 普段は大阪の淀川で、細々と制作している彼らにとっては、歓迎されての制作イン川のほとりってのは初めてらしく、少々照れながらの制作スタートとなった。


3月26日◇KITA!!展現地報告1:豊嶋さんがやってきた_b0090333_414046.jpg 第一便の中で唯一ユニットではなく個人で参加の淺井君。長身細身無口な彼は黙々と自分に与えられた展示会場で制作を始めた。これは壁にいきなり描くのではなく、マスキングテープを貼った上からマジックで描いている。なるほどグッドアイデア。これなら展示が終わっても壁を汚すことなく、マスキングテープを剥がしていけばいいのだから作品撤収も簡単だ。

 彼の黙々感と、力強い植物のような形態が伸びていく様が、この生命感あふれたインドネシアの土地柄にとってもマッチしていて見てて楽しい。なんせ楽しそうにいつまでも壁に向かってる彼の姿を見てるのがまず楽しい。嬉しいのがこっちに伝わってくる。いい場所をもらってよかったね~、淺井君。


3月26日◇KITA!!展現地報告1:豊嶋さんがやってきた_b0090333_4142056.jpg そして翌30日、淀テクの川仕事の様子をチェックしに行くと、彼らはすでに朝5時から活動開始、ゴミ拾いを始めていた。その姿は、どう見てもこっちのゴミ収集人。昨日の町内会長さんへの挨拶で、過去の作品を見せ、ゴミを使って作品を使っている説明をしたからか、彼らが歩いているとオバちゃんが呼びとめ、ゴミを分けてくれた。
「あのっ・・・ゴミならなんでもいいわけじゃないんですが・・・」
と柴田君とマッチャンも困り顔。でもジョグジャの人情に触れ、楽しんでもいるようだ。ほとんど『うるるん』状態。


 まずはいい出だしで作家たちが制作を始めたので一安心・・・
 してる暇もなく、私は豊嶋さん付き秘書(って言ったらかっこいいけど単なるお手伝い)となり、今後の準備に忙しい。
 今回メイン会場となったジョグジャ・ナショナル・ミュージアムはその昔ジョグジャの国立芸大旧校舎をリノベーションしたもの。ここの食堂はホットスポットになってるので、豊嶋さんがジョグジャ入りして以来、食堂がKITA展の運営事務局となっている。私と豊嶋さんはここで東京本部とジャカルタ事務所に連絡を取りつつ準備を進めている。いや~、これでネット環境が悪かった日には、今回の大型展覧会なんてできなかったかもしれない。でも、豊嶋さんが入ってきてからの仕事の進み方や勢いを見てると、この展覧会、かなりおもしろくなる気配がしてわくわくしてくる。


3月26日◇KITA!!展現地報告1:豊嶋さんがやってきた_b0090333_4143712.jpg 夜は別会場、キノキへ行ってここで上映するビデオ作品がちゃんと投影できるかのチェック。全部OKで仕事も終わり~~。考えてみたら、豊嶋さんがジョグジャ入りした3月26日以来、私の帰宅は午後10時前だったことがない。それでも楽しく毎日仕事ができるのは、イイ仲間ばかりだからなんだろうな・・・。豊嶋さん、淀テクが関西人だから、すでにそれだけでおもしろいってのもあるけど。
 正直、毎日があまりにあっという間に終わって、それでもやることが山積みになってる状態で、この毎日毎日進んでいく彼らの制作を逐一記せないのが残念。それでも隙を見つけては、4月18日の開会式までの彼らの様子をここで伝えられたらと思う。
by midoriart | 2008-03-26 04:16 | Yogyakarta