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Culture & Art Report from INDONESIA


by midoriart

7月19日◆チーズと黒ビールと寺院祭


7月19日◆チーズと黒ビールと寺院祭_b0090333_261247.jpg 今回の帰国で、ヨーヨーの師匠TAKAさんから新たなトリックを伝授された私は、バリで一番のヨーヨー仲間、マデ兄貴の息子のフォギーに朝っぱらから早速で技を披露。私が要した時間の半分くらいでそれを把握するフォギー。う~、年齢の差か・・・。


7月19日◆チーズと黒ビールと寺院祭_b0090333_263758.jpg いつもバリに戻ると、会う人は大体決まっている。昔お隣さんだったN翁、そして私がバリで暮らすと決めたときにバリ太鼓を習得するために留学中だったTさん。彼女はその後、太鼓の師匠と結婚し、今では娘さんも大きくなった。今となってはツーリストのようにバリを眺めることのできる私は、毎回彼女に新しくできたレストランに連れてってもらうことにしている。

7月19日◆チーズと黒ビールと寺院祭_b0090333_265333.jpg 今回は、大好物のインディアンを食べよう!ってことで店に行ったのだけれど、なんと今年2月から閉店。仕方ないので以前も試して美味しかったチーズとソーセージのレストランへ。整備されたサッカー場で戯れる若者を見ながら、ビールとチーズでクィッといく。


ここ数回、無意識で決めたバリでの日程がなんらかの宗教行事と重なってることがある。この前、日本に帰る前に寄ったときには、バリ暦で1年に1度の祝日ガルンガンにぴったりあたってたし、今回は我がバリ人家族の暮らしている村の寺院祭に重なっていた。こうなると兄貴と兄貴の嫁は当然のことのように私を連れて行こうとする。


 しばらく寺院祭に出かけたこともないし、嫁に行った娘エリパニが実家に残しているクバヤ(女性の礼装)も借りることができる。さらに、今回の祭は大きなもので、この村の神さま(バロンやランダという聖獣の形態をとった面とその身体からなる)が、縁ある北の村の寺院へ出かけている。

 普段は町内の祠で大事に奉られているこのご神体が、寺院祭にあわせてちょっくら向こうの村まで出かけているということで、私も久しぶりにこのご神体を拝ませてもらうことになる。
 

7月19日◆チーズと黒ビールと寺院祭_b0090333_275348.jpg 私のバリ人家族が暮らしているプリアタン村とかかわりの深いトゥガララン村へ向かったのは夜11時。ご神体が我々の前に現れてくださるのはこうした時間から。チャロナランという災い祓いの意味をもつストーリーに合わせて、経験豊富な踊り手と、ご神体が舞台に登場する。

 マデ兄貴のおかげで、かなり遅くから会場に来たにもかかわらず、聖職者が座る一等席をGET。兄貴は背が高いから、こうした人ごみの中でもどこが空いてるか、一目でチェックしてくれるから助かる。


7月19日◆チーズと黒ビールと寺院祭_b0090333_281296.jpg ストーリー後半で登場する悪霊の手下の一人が、昔お世話になった宿屋の娘だったので驚いた。まだ小学生くらいで華奢な身体をしていた少女が、今ではこんなセクシーな悪霊を演じられるとは時の流れを感じる。

7月19日◆チーズと黒ビールと寺院祭_b0090333_28282.jpg さらに、その悪霊のボスを演じたのは、私のバリ舞踊の師匠スクロ先生だった。私がバリ男性の演目であるバリスを習っていたのはもう10年近く前のことなので、先生を見るのも10年ぶりくらい。バリの細密画描きでもあり、素晴らしい踊り手でもある師匠の迫力ある演技と踊りを久しぶりに見て感動・・・。


7月19日◆チーズと黒ビールと寺院祭_b0090333_284798.jpg そして最後には、プリアタン村のご神体、ラトゥ・マスのご登場。こうしたご神体を身につけ、躍らせることができるのはごく限られた人だけ。私の師匠スクロ先生のお父さんは昔からこの役をよく引き受けていたので、今回もそうだったのかもしれない。

 ご神体の登場で、災い祓いのチャロナラン劇が幕を閉じたのはもう朝の3時半。途中むっちゃ眠いながらもなんとか頑張れた。ぞろぞろと寺院を出る人の波に混じり、寺院から随分遠くに停めた車に乗り込み、家に戻ったのはもう空がしらじらと明けかける時間だった。
by midoriart | 2007-07-19 23:04 | Bali