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Culture & Art Report from INDONESIA


by midoriart

1月17日◆縄文時代の巨木林と境港のねずみ男

 正月母孝行旅行の最終日は、私が心待ちにしていた三瓶小豆原(さんべあずきはら)埋没林公園から始まった。ここは以前、バリのN翁から話を聞き、いつかは訪れたいと思っていた場所。約3500年前の縄文時代後期、三瓶火山が噴火したときに埋もれたスギの原生林が、今になって見つかり、地面に根を生やして立った状態で見つかったもの。
 今の地表から13メートル下へ掘っていって、縄文時代の地層まで達し、それを保存展示棟にしてるから、外から見たら高い建物は何もない。我々が3500年前の地層まで下っていくという感じ。

1月17日◆縄文時代の巨木林と境港のねずみ男_b0090333_15105097.jpg この、外のシンプルさと、その中にある、とんでもなく時空を感じさせる空間との対比がまたスゴイ。売り文句の「縄文時代のタイムカプセル」はけして大袈裟じゃない。


1月17日◆縄文時代の巨木林と境港のねずみ男_b0090333_1511785.jpg 照明をおとした静かでひんやりした空間に私と母だけでいると、本当に縄文までタイムスリップしたよう。636本もの年輪をもったスギの断面からは、今もスギの香りがしているからまた感動。樹皮に触れているうちに、不思議と涙がこぼれて止まらなかった。

1月17日◆縄文時代の巨木林と境港のねずみ男_b0090333_15113196.jpg 展示棟の隣りには、もう一つ合体木根株展示棟がある。この螺旋階段を下りていくという建物の構造も、必然からなんだろうけど、内容と合っててかっこいい。昨日の美術館もカッコよかったしなぁ。。。あなどれんなぁ、島根県。


 感動しまくった後、母を乗せ、レンタカーで一気に松江まで戻る。本来なら今頃雪だという話だけれど、暖冬の今年はみぞれのような冷たい雨が降るに留まっていた。曇った日本海の波を左手に見ながら松江まで戻るのに2時間。一気にもう一つの目的地、境港へ。
 ここでの目的ったら、なんたって「水木しげるロード」。これがどこかに出来たって話は昔から聞いたことがあったけれど、縁のない場所だったので今回の出雲大社参りを決めるまで忘れていた。島根・鳥取地方の地図を見ていて「妖怪」の文字を見つけて再び思い出した。ここまで近づいたなら行くしかない。

1月17日◆縄文時代の巨木林と境港のねずみ男_b0090333_15121528.jpg 境港までは松江から車で40分ほど。港の駐車場に車を停め、まずは妖怪ポストを目指す。ここから手紙を出すと、鬼太郎の消印がつくとガイドブックにあったので、妖怪友達(妖怪好きな友達って意味。本当の妖怪じゃない)への土産はこれと決めていた。これが妖怪ポスト。せっかくなら本当に鬼太郎の住んでる家とか作って、そこにリアルに妖怪ポストを設置してほしかったなぁ。

1月17日◆縄文時代の巨木林と境港のねずみ男_b0090333_15123399.jpg そうそう、境港のまん前にある交番は、その名も「鬼太郎交番」で、中にはちゃんと鬼太郎が「飲むな!」のたすきをかけて立っていた。


1月17日◆縄文時代の巨木林と境港のねずみ男_b0090333_15124683.jpg この境港から商店街に作られた水木しげる記念館までの通りには、120体ちかい妖怪が点在している。駅にはさっそく私が一番好きな妖怪の総ボス、「ぬらりひょん」がいた!感動して頭なでなで。実はここにいる妖怪、みんな小柄。
1月17日◆縄文時代の巨木林と境港のねずみ男_b0090333_1513449.jpg  ぬらりひょん様はこんなサイズ。



1月17日◆縄文時代の巨木林と境港のねずみ男_b0090333_1513205.jpg 後は有名どころで「こなき爺」も。商店街では「ふりかけ爺」「ふりかけ婆ぁ」なんて商品もあった。

1月17日◆縄文時代の巨木林と境港のねずみ男_b0090333_1513536.jpg  私がつい手を出してしまったのはドリンク系。「妖怪珈琲」とか「目玉の親父汁」など、ネーミングでまずそそられるし、絵もいい。5種類全部GET。


1月17日◆縄文時代の巨木林と境港のねずみ男_b0090333_1514742.jpg 途中の公園のライトは目玉の親父。
 でも・・・
 やっぱり目玉の親父ってのは、一人いるから存在価値があるのであって、こんなにいっぱい目玉つけられちゃっても、ありがたみがないというか・・・。

 そうそう、境港の妖怪ポストから友人に手紙を送るため、切手貼ったりしていたとき、港インフォメーションのカウンター奥から人が出てきて、働いている人が
「あ、どうも~、いってらっしゃ~い」
って言ってるのが聞えたので、手紙書く手を休めて頭を上げると、なんとそれは「ネズミ男」!!! いゃ、、、そりゃそれがカブリモノだってことはわかってる。でも、それでも「ネズミ男」!横にいた母が
「ミド、あの妖怪(彼女は名を知らない)と写真撮らなくていいの?」
って言うんだけど、さすがにこの歳して、カブリモノと写真はナシでしょう。撮りたくてたまらんところを我慢した。
 でも、その後で妖怪ロードを歩いて水木しげる記念館まで来たとき、ネズミ男もここまで来ていたのだ。もうこうなったら撮るしかない。なんて呼んだらいいか悩んだ末
「ネズミ男ぉ~、写真とろ!」
と誘ってパチ。
1月17日◆縄文時代の巨木林と境港のねずみ男_b0090333_15143430.jpg


 
 後日談ではあるけれど、期待しまくった妖怪ポストからの葉書には、「境港」のカニの絵入り消印はついていたけれど、鬼太郎も別の妖怪もいなかったので、ちょっとガッカリ。せっかくここまで鬼太郎に徹して町おこしするんだったら、徹底的にやって欲しかった。切手だって、妖怪にすべきだと思う。

 縄文時代のスギ原生林へタイムトリップした後には、境港で妖怪たちの世界へ入り込めた。名古屋からはまだまだ遠方感のある島根・鳥取には次いつ来るかもわからないので、この後飛ばして松江に戻り、しんじ湖の夕日を(といってももうほぼ沈んでたけど)見てから夕方の便で名古屋に戻った。
 二泊三日はあっという間だったけれど、まだまだいっぱい残っている日本の良さを発見できる旅になった。今回の旅で、自分のもっている目が、なんだか「日本のことをとってもよく知ってる外国人」的な視点で日本を見ているようにも思った。きっと外に出たからこそ、感じられる日本の良さってものがあるんだろうなぁ。
 これからは帰国のたびに、日本の美しさを発見できる旅に行きたいなぁ~。
by midoriart | 2007-01-17 23:09 | Japan