人気ブログランキング | 話題のタグを見る

Culture & Art Report from INDONESIA


by midoriart

被災地のクリスマス・イブ

 最近は午後になるかならないかくらいでザーッと雨が降り出すので、その前に急いでトゥンビへ出かけた。トゥンビ村は5月27日のジャワ島中部沖地震で多くの被害を出したバントゥル県にある村だ。

 この村にセカンドハウスを持つ日本人女性Hさんは、家のメンテや掃除を向かいのレンペン夫妻にお願いしている。犬を嫌うイスラム教徒が多いジョグジャにあって、この夫妻は大の犬好き。村人の話では、このレンペン父ちゃん、自分の飼ってる犬が死んだときに、恥ずかし気もなく泣いてたらしい。
 そんな動物愛のある人なので、10月末に帰国したときには、うちの2匹の犬の世話をお願いした。夫婦そろって犬好きな彼らは、それでも私が留守になる前に、「一度ちゃんと飼い主から紹介してもらいたい(犬にだよ)」というので、私がうちの犬と彼らをちゃんと引き合わせたことがある。さらに、母ちゃんは「自分の作った飯がうちの犬たちの口にあうか一度試したい」といって、私が発つ前にわざわざ試しに飯を作って持ってきてくれたりもした。

 そこまでしてくれるだけあって、先回3週間留守にした間も、我が家の犬たちは何事もなく、ちゃんとご飯も食べさせてもらえていた(もちろん、毎日のことはチェックできないけれど、彼らをたまにチェックしてくれる日本人の友人もいるからかなり安心)。


被災地のクリスマス・イブ_b0090333_18575876.jpg 年末年始にまた私が帰国するため、レンペン夫妻にまたお世話になろうと、彼らの住む村へ出かけたというわけだ。彼らの地域には電話線もないし、携帯電話も持っていないから、行くしかない。
 クリスマス・イブだからといっても、ジョグジャではクリスマス気分を味わえるような場はほとんどない。ましてやこんな村の奥に入ってきた日にゃー、ただの日曜日があるだけ。レンペン父ちゃんの地域では、政府からの再建補助金が第Ⅰ期に910万ルピア(トータルで1500万ルピア/1世帯の予定)がまとめて出たそうで、さらに父ちゃんは自分がレンガ職人。この周辺の人たちはみなここの土でレンガを焼いて生計を立てているので、レンガなら任しとけってくらい持っている。今日は父ちゃん張り切って若者に指示出しながら自分ちの再建に勤しんでいた。
【写真手前の青いTシャツがレンペン父ちゃん】

被災地のクリスマス・イブ_b0090333_1859229.jpg  レンペン夫妻には3人の子供。高校3年生の長男、中学の次男、そして小学校5年の長女。父ちゃんはレンガ職人で収入は悪いがジョグジャ・レベルの下の上くらいか。だから私がうちの犬の世話役でわずかでもお礼をすると、彼らもこれが家計の足しになっているのは確かだ。
【家の再建のため、支柱の鉄筋作りを手伝うレンペン父ちゃんの次男】


被災地のクリスマス・イブ_b0090333_18593592.jpg 父ちゃんが張り切ってる家の奥のテントに母ちゃんがいた。まだこんなテントとアウトドアのキッチンで毎日暮らしている。お茶つくったりも外、外。しかし、もう雨季に入ってきてるし、だんだんこの「一見のどかに見える」スタイルも改善していく必要に迫られるのだろう。

被災地のクリスマス・イブ_b0090333_190852.jpg 母ちゃんに私が29日にジョグジャを発つこと、1月中旬まで戻らないので、その間の犬の世話をお願いしたいことなどを説明した。私が今日行く前に、すでにHさんの知人がざっとの用件は話していてくれたので、母ちゃんは笑って
「わかったよ。OK。朝はよーに行って、あの子らに飯やるから」
と了解してくれた。彼らのこの村から私の家までの距離(おそらく10キロほど、いやもっとか?)を彼女はチャリでやってくる。私には到底できない体力だ。
【写真手前の小柄な人が母ちゃん】


 いつも長期で留守にするときは、犬問題が一番の問題になる。けれどレンペン夫妻を知ってから、安心して任せられるようになったので、本当に助かる。これで帰国前の大事な問題が一つ解決した。

 クリスマス・イブの今夜、日本ではきっと町中がキラめき、カップルが繰り出し、エライことになってるんだろうけれど、ジョグジャの夜はいたってフツー。街に一つある大きな教会まで行けば、ミサに来た車で大渋滞してるだろうけれど、そこへ行かない限りはまったくクリスマス感はない。

被災地のクリスマス・イブ_b0090333_1911488.jpg 私は自分のクリスマス・プレゼントに夕方からフッと・マッサージをしに行き、トロトロに溶けて帰宅、そして数日前から居間に準備しておいたランプを付けた。そして犬2匹を呼んでここで映画タイム。犬たちはパカパカ点滅するクリスマス・ライトに一瞬たじろいだものの、その後はいつもどおり好きな位置に丸くなっていた。
by midoriart | 2006-12-24 18:56 | Jawa Earthquake