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Culture & Art Report from INDONESIA


by midoriart

ジャワ中部沖地震ボランティア慰労会 by ジョグジャカルタ政府

 ジャカルタからジョグジャカルタに、どうしても15日までに帰らなければならない理由があった。5月27日の地震で被災した地域に対して救援活動をした団体を対象に、これを労う会がジョグジャカルタ州政府主催で開催されることになり、わが「こどもプロジェクト」メンバーも招待を受けたのだった。

ジャワ中部沖地震ボランティア慰労会 by ジョグジャカルタ政府_b0090333_23351584.jpg とはいっても、天皇の園遊会みたいに正式なものではなく、場所も私の母校ISI(インドネシア国立芸術大学ジョグジャカルタ校)の旧校舎。インドネシアの式典っていうと、関係者の挨拶ばっかりで眠くなるので、本当はあまり興味がなかったのだけれど、よく聞いてみると、ボランティア慰労のためにジャカルタのトップスター達がノーギャラでやってくるという。だったら何とかして見に行こうと、ジャカルタから戻って家に戻って一寝入りし、ガンピンガンにあるISI旧校舎へ出かけた。
【旧ISIの中庭にある集会所】

 11月19日のサンデー・オムニバスにある『政府のお仕置きでできるミュージアム』、こちらのミュージアム準備委員会が主催した展覧会のオープニングと、救援ボランティア慰労のコンサート、今晩はこの旧校舎で2つのイベントが開かれていて、私は両方から招待を受けていた。招待状には午後3時~午前0時とある。
 といっても、私がジョグジャに戻った午後3時は豪雨以上の豪雨でとても外に出られた状態ではなく、旅の荷物を降ろして風呂に入り、飛行機遅延の疲れからうたた寝なんかしちゃってたもんだから、気づいたらもう午後7時だった。そこから慌てて着替え、会場へ向かったというわけ。
 

ジャワ中部沖地震ボランティア慰労会 by ジョグジャカルタ政府_b0090333_23325511.jpg 私が行ってみると、コンサートもやってない、展覧会もまだ開場してないという有様、まぁインドネシアではこんなくらいは全然フツーだから問題なし。きっと豪雨のせいですべてが狂っちゃったんでしょう。東は2日前から撮影の仕事が入り、彼なりの「フツーの暮らし」に戻っているので、来る努力はすると言ってたけど、姿は見えない。招待を受けたらしいボランティアっぽい人(私の勝手なイメージで、ボランティアは真面目な格好をした人たちと思っている)はあまりいなくて、展覧会見に来た芸大生のほうが目につく。
 知ってる仲間と立ち話してるとようやく展覧会場が開いた。これはミュージアムではなくて、旧校舎を使っての展覧会。ここに並べた200点の作品をコレクターに買ってもらい、40%をミュージアム建設の費用に当てようという展覧会なのだ。


ジャワ中部沖地震ボランティア慰労会 by ジョグジャカルタ政府_b0090333_23334635.jpg 溢れんばかりの作品の量で、疲れたところに、子供たちの絵ばかりを集めた一室があった。私には彼らの絵の方がよく見えてしまった。


ジャワ中部沖地震ボランティア慰労会 by ジョグジャカルタ政府_b0090333_23341841.jpg 全体を見渡せば、「校舎を利用した展示」というおもしろみはあったけれど、全体を見終えると食傷気味で、さらにドエライ人(名古屋弁だけど、この人の多さと暑苦しさは「どえらい」をおいて表現できん)で、目も身体も疲れた。


ジャワ中部沖地震ボランティア慰労会 by ジョグジャカルタ政府_b0090333_23364660.jpg その後ようやく始まったコンサートでは、ボランティアよりもISIの学生達の方が盛り上がっていた。女性ボーカルでは大御所のRika Roslan、レゲエとジャズをミックスさせたハイセンスな音作りで一斉風靡したEki Humania、最近人気の出てきたデュオのManik d’escensialの他、奥さんが歌手という男優のBucek Deepなどもやってきたので、会場は盛り上がりまくり。

ジャワ中部沖地震ボランティア慰労会 by ジョグジャカルタ政府_b0090333_23375749.jpg 本来なら野外にでっかいステージも準備していたのだけれど、なにせ雨季ですから、今。ここまで毎日降ってるっちゅーに、雨天の可能性を考えんかったんだろうか?キャンパス真ん中にある集会所のようなところでステージなしで観衆にもまれるようにして歌ってる方もけっこう大変だったろう。


 ところで、一体どこが政府の慰労会なの?って思うかもしれない。
 私はボランティアとして慰労会に、アーティストとして展覧会に招待を受けていたために、展覧会場に入ってる間に、ボランティアへの慰労の言葉とかはやっちゃってたのだ。だから見ることができなかった。なんでも、集会所にボランティアを集め、ジョグジャカルタ特別州の知事(=王様)の代理が、労いの言葉と礼を述べたらしい。


ジャワ中部沖地震ボランティア慰労会 by ジョグジャカルタ政府_b0090333_23384165.jpg そしてボランティアのためなんだからとギャラなしでジョグジャまで来てくれたバンドの兄ちゃん姉ちゃんたちは、救援活動とは無縁のISIの学生と卒業生がほとんどの会場で、
「救援活動、お疲れ~~~ッ!ジョグジャ!元気出せ!」
と盛り上げていたので、タダ働きでちょっとかわいそうな気もした。
 今売れてるデュオの最新曲で会場は大いに盛り上がり、コンサートが終わったのは午前1時を回っていた。老体には飛行機の機内での蒸し風呂地獄についで、2時間以上の立ち見&ちょいと踊りでかなり疲労の1日となった。
by midoriart | 2006-12-15 23:31 | Jawa Earthquake