Culture & Art Report from INDONESIA


by midoriart

ふたたび被災地モード

 昨日バリからジョグジャへ発つ前に、兄貴の家から近い市場にある私の大好きな屋台でおかずを買った。この10月嫁いだばかりのエリパニも、私がいるからと実家に帰ってきてたので、彼女を誘って市場へ。
 彼女の結婚式の報告で、彼女がバリで今も残る階級制の高い位へ嫁いだことは書いたけれど、市場へ行くとおもしろい。結婚前は母親の手伝いで、彼女は毎朝この市場で買い物をしていた。「ワヤン!(バリの平民はすべて、一番最初の子の名をワヤンと呼ぶ)」
と呼ばれてたのに、今では
「お~、ジェロ~、里帰りですか~?」
といきなり敬語。年上であろうと、彼女には敬語を使う。傍で聞いててもおかしい。本人はこれが逆に恥ずかしいらしく、おかずを買ったらとっとと家に戻された。最後にもう一度兄貴の家族全員で食事をして、兄貴に送ってもらって空港へ。
 
 私はいつも窓側の席をとる。海岸ギリギリにあるバリのングラ・ライ空港を飛び立つと、バリの海岸線がキレイに見えた。昔はこの景色を見ると、まさに「最後の楽園」を見るような気持ちだったなぁ~。今ではそれとは別に、自分の里を見るようないとおしさがある。
 約1時間で飛行機はジョグジャカルタへ。バリ-ジョグジャ間は時差1時間なので、午後1時にバリを発った飛行機は、午後1時にジョグジャに着く。得したような気分。
ジョグジャはレンガ色のイメージがある。飛行機から見るとこんな色。また戻ってきた・・・、けしてワクワクの感情ではないのだけれど、タクシーに乗って、もうすぐ2匹の犬に会えると思うと、やっぱりそれなりに安堵感もあったりするから不思議だ。

 待ってた犬たちをしばらく甘えさせ、ボーボーに伸びた庭の草刈をし、出発前に修理したらすぐ翌日に問題が起きたっきり動かなくなってた井戸を自力で直した。ここまでに大粒の汗。なんたって冬の近づいた日本から、いきなり湿気だらけ29度のジョグジャに来たら、いくら寒がりの私でも暑いわ・・・。結局自分の場所に戻ったという安心感と、今までのぜ~んぶの疲れが出て、夜は動けず。

 そして今日14日、ようやく朝から始動、東と第3幼稚園へ。
すでにお馴染みのベースカラーが塗られ、後は私が壁画を入れるだけ。まだトイレの水道回り、幼稚園前の広場の地ならし、バンブーで作る塀など、少しずつ作業は残っているのだけれど、私は明日から制作に入れる。今回は今までの中でも壁面が高く、トイレを併設したので壁面積でいくと、でっかい猿たちを描きこんだ第2幼稚園よりも広いかもしれない。思い切り気合入れて4日ってとこか・・・。

 運良く雨季は始まっていないので、今しばらく園児たちには、ボロいテント幼稚園で我慢してもらい、その間にガンバッて開園準備をする。東いわく、第3幼稚園の環境は今までで一番いいらしい。確かに、今まではこうやって建設していると、先生や村人が「あれも欲しい」「これも欲しい」とおねだり上手になっちゃってたけれど、ここでは
「ここに屋根を足したいと思っていますが、よろしいでしょうか」
と聞いてくることこそあれ、それは自分たちで足すって意味で甘えがない。素晴らしい。こういう人たちだと、サポートしてる我々としても気持ちがイイ。

 そこから第1幼稚園のあるタンキル村の村長さんちへ。ここは前から何度も報告しているように、奥さんの手料理がむちゃくちゃ美味しい。「こどもプロジェクト」の栄養補助パックもまだここの70人の子供たち(0~5歳児)に配給されている(過去に私は何を間違えたか35人の子供と話していたことがあるので今ここで訂正!その倍の70人の子供たちが栄養補助パックを受けている)。私が帰国する前に会計をチェックし、そろそろ義援金がつきるため、現在は食事サポートを打ち切り、週に1度の栄養補助パック配給のみ。これも11月いっぱいで打ち切りになる予定。
 今日は私が戻ってきたという挨拶っていう言い訳で、奥さんの料理を狙いに行った。ちょっと朝早めだったので、昼ごはんまでには時間があるけれど、村長さんはうずら卵剥きを手伝い、奥さんともう一人の働き者母ちゃんが台所で忙しくしていた。
 我々プロジェクトの食事サポートはもう終わっているのに、何を作ってるのかと思ったら、インドネシア保健所からの1ヶ月に1度のサポートで、子供たちのお粥を作っているのだった。帰国して突然お邪魔して、月に1度の炊き出しに当るとはラッキー。普通のお粥だったら、正直そんなにソソられないのだけれど、なんと私の大好物ココナツミルクで煮込んだお粥、これは試さねば。
 これが今日のメニュー(って、子供のためのものなんですが。。。)。
 さっき村長さんが剥いてたウズラ卵も入っている。あとは豆腐にホウレン草、味つけはココナツミルクのコクに、塩味をほんのりきかせただけでとってもヘルシー。美味い~・・・。
 ここの村長さんは化け物話が大好き。私が好きなことも知ってるので、今日もさっそく、昨晩奥さんが見た化け物の話になった。「トゥユル」はインドネシアでは有名なお化け。幽霊、妖怪、霊などの微妙な分類は詳しくないが、トゥユルは水木しげる的に言えば妖怪だろう。人間がうまくこれを手なづけて飼いならすこともできる。インドネシアのテレビ番組でもトゥユルが主役になってるのがあるので私もなんとなくは知ってるけど、本物を見たって人の話は初めて聞いた。
「娘の足に乗って遊んでるからビックリしたよ。夜中の1時半だったわ。『やめて!』って言いたいのに、声が出なくってねぇ・・・」
と奥さん。身長は30センチくらい。座敷わらしの仲間か。口が横についてるんじゃなくて、タテについてるらしくって、天然パーマのクリクリヘアーは真っ赤らしい。いくらちっちゃくても、この形相で夜中出てこられたら確かに怖いかも。
 こんな話を聞いたり、煙い道路を走ったりして、ジョグジャカルタに戻ってきたな~と実感。またしばらく被災地モードの暮らしになりそうだ。

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by midoriart | 2006-11-14 21:32 | Jawa Earthquake