Culture & Art Report from INDONESIA


by midoriart

まずは日本からバリまで

 午前11時成田を発ったガルーダ881便は予定通り午後5時(中部インドネシア時間)にバリ島のデンパサールに到着。昨日までウールのセーター着てたのに、空港は29度で湿気も多いから、寒がりの私でもいきなり汗がにじんでくる。日本を去っちゃったんだなぁ~という淋しさと、またここから救援活動が始まるぞ~という気合が混じる。空港にはバリの兄貴マデ・サナが迎えに来てくれていた。10年近く暮らしたUBUDの家に戻れば、これはこれでホッともする。道路に出てゴロゴロ寝ている犬たちを見ると
「バリに着いた~~~」
と実感も沸く。

 私が「バリの家族」と言っているのは、昔ずっと木彫りを学んだ師匠の家(10月3日付『なぜ私にはバリに娘がいるのか』参照)のことだ。私がジョグジャに移ってから、「帰る場所」と言ったら日本の実家と、このバリの家族の家だ。ジョグジャの家は一人暮らしで身寄りもないって気分なので、バリに戻ったときの気持ちとは随分違うのだ。

b0090333_030741.jpg まずは荷物を部屋におろす。私が使う部屋というのは、私の娘エリパニの部屋。彼女が結婚してしまい、今では私専用の部屋みたいになっている。もともと私はここに戻ってくるときのために自分専用のシーツもベッドカバーも枕もあって、娘のエリパニがホテル並みにベッドメイキング゙してくれてたもんだ。今はここから車で20分ほどの村へ嫁いでしまったので、自分で自分のベッドを作らなくちゃいかないと思ってたら、なんと部屋はいつもどおり、キレイに掃除され、私使用になっている。
【私のバリの家。寝転がって私のPC作業につきあってくれてるのは兄貴の嫁。後ろの開いてるドアの部屋が私の(ってかエリパニの)部屋】

「エリパニがいなくなっちゃって、今は誰がこの部屋をこうして準備してると思う?」
と兄貴(エリパニの父)の妻が笑う。
 なんと、今でエリパニの弟のフォギーがこの役を引きついたらしい。エライっ!ここの子たちはみんなホントにいい子たちだ。

 いつも、ここに帰ってくると恒例なのが、この妻(兄貴の嫁)の近況を聞くこと。今までは家族の問題だったり、エリパニの進学問題だったり、兄貴の浮気相談(実際してるってわけじゃないけど、帰りが遅くて疑われることが時々ある)だったりしてたんだけど、今日のお題は嫁いたエリパニの話がメインだった。

b0090333_0315459.jpg 私も彼女の結婚式に参加してから、むこうでちゃんとやってるかどうか、腹の具合はどうか(彼女は妊娠3ヶ月)、私が受講料を支払った学校にはちゃんと行ってるかどうかなどなど、心配なことがたくさんあったので、一つ一つ話を聞いた。
【木彫りの仕事をしながら娘の話をするムプ(兄貴の嫁)と私。私の後ろにいるのはここの家の三男の息子と、四男の娘。ちなみに私が兄貴と呼んでいるのはここんちの次男】


 エリパニは嫁ぎ先でもとてもかわいがられているらしい。コンピューターの専門学校へも順調に通っているというし、体調もボチボチだし、とりあえずホッとした。ダンナもおとなしいイイ青年で、よく実家へ送ってきてくれるそうだ。
 そうそう、バリ島はインドネシアの中でも希少なヒンドゥー教を信仰していて、ここにはインドのように4つの階級制度が残っている。ほとんどが平民で、わがバリの家族もご多分に漏れず平民なんだけれど、今度エリパニが嫁いだ先は平民より上の階級。女が下層階級の男と結婚した場合には自分も下層へ落ちるけれど、下層階級の女がそれより上の男に嫁ぐと、自分も階級がUPする。だからエリパニは平民ではなく、その上の階級に上がったのだ。
【下写真:兄貴の嫁が仕事しているのはこの寄生木。キレイに削ると1個につき700ルピア(約10円)がもらえる】

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 これだと面倒なのは、うちの家族が彼女に対して敬語を使わなければならないこと。今までは平民として、「お~い、ワヤン!」とか「エリパニ!」と呼べたのに、今では「ジェロ・プトゥ・ティルタさん(ティルタとは聖水のこと。祭司の家に嫁いだからキレイな名をいただいたもんだ)」なんて呼ばなくちゃならない。
 もちろん、向こうの関係者がいないところであれば、遠慮なく今までどおりの口調で話せるんだけれど、むこうのダンナと一緒に遊びにきた時などは、ちゃんと敬語を使わなければならない。これってなんか気恥ずかしいし、難しそうだ。
 それでも、娘の嫁ぎ先のことを話す母親はとっても嬉しそうだし、きっとかわいがられているんだろう。話を聞いて私も安心した。エリパニは私が今日バリへ戻ってくることを知っているので、明日はこの実家に戻ってくるそうだ。結婚式以来会っていないので、どんな様子なのか、会って話せるのが楽しみだ。


b0090333_0324249.jpg 早速ジョグジャの東にも電話。タイミングよく今日の現場写真もメールで送られてきた。私の日程に合わせて大工を急がせたようで、第3幼稚園もしっかり完成に近づいている。いつものカラー、ビビッド・イエローが塗られて、あとは私の壁画を描くだけになっている。戻るなり仕事だよ、仕事。明日は1日バリの知人と会ったり、エリパニと会ったりして、13日の午後便でジョグジャに戻る。仕事始めは14日になる予定だ。

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by midoriart | 2006-11-11 23:35 | Bali