人気ブログランキング | 話題のタグを見る

Culture & Art Report from INDONESIA


by midoriart

救援パック:中間会計報告

今日は曇り空だったので、テント暮らしの被災地の人々のことがちょっと気になりつつも、午前中は自衛隊補給グループのアシスト。って言ってたら結構いろんな用事が増え、結局午後4時までおつとめ。本当にマジメな通訳さんたちは、ちゃんと朝から夕方まできっちり時間決めて医療活動場所に行って仕事してるみたいだけど、私はかなりテキトーにしか手伝っていない。それでもなぜかブレインの方々に指名していただけてるから嬉しい。もともと自衛隊ってものが自分とはまったく接点をもたない団体だったのに、こんな縁でお近づきになれるってのも不思議。さらにこの地震で、本来「ボランティア」とか「人のために」ってことと無縁だった私が、救援デリバリーするはめになって、タイムリーに人助けのプロと出会ってるってことは、う~ん、すべてがまるでシナリオあってのことみたいで気味悪い。
あ、それから昨日私が文句いってた戦闘糧食のポテサラ、理由あってしょっぱいんだって。救援活動などで塩分が不足している隊員のために、わざとしょっぱいらしい。なるほど。じゃー、怠惰な人間が糧食ばっか食べてると高血圧になっちゃうってことだな。

救援パック:中間会計報告_b0090333_10155054.jpgさて、今日の補給では薬、巡回医療エアーテント内で使う扇風機などを購入。薬調達担当のNさん、薬局のオバチャンに気に入られまくり。他の隊員が支払いしようとしたら、オバチャンあからさまにムッとしてたぞ。洗濯桶を買いに行った先では、若手の会計担当が支払ってる姿に一目惚れしたっぽい男性(もちろん隊員さんも男性)が
「アイ・ラブ・ユー」
って微笑んだり、皆さん大モテ。店員に握手求められたりしてスターじゃん。でもいいことだよな、フレンドリーな日本自衛隊。どこ行ってもかなり好印象。
救援パック:中間会計報告_b0090333_10161950.jpg

 そうそう、偶然にも今日7日、インドネシアの日本語新聞『じゃかるた新聞』と、朝日新聞愛知版に我々のデリバリーの紹介記事が載った。そんなこんなで昔懐かしい友達とか、学校の後輩とか同級生とか、私を覚えててくれた人がたくさん連絡くれたり。その中の一人が、「あんたがボランティアする人だとは思わなかった」と言ってきた。そうなのよ、本当に「いい人」からは相当はずれたところにいる私が一体何してるんだろうね。「いい人」でもない人間がこうなってしまうスゴさが、今のネット社会にあるってことは私自身も今回すごく感じた。救援パックのメンバーが増すにつれて参加者の名前がカタカナ表記になっているのは、それだけの人が私と直接の知り合いではなかった人ってことなのだ。私のブログを見た人がそれを自分のブログで紹介し、その人がまた友達に紹介し…とつながっていくから、すごい速さ、すごい広さ。これには私も本当に驚いた。
 
 一時は自分ひとりで背負いきれない大きな任務に、どうしたらいいんだーーーと正直負担だったけど、今では結構楽しくなってきた。どういう方が何を思って義援金を送ってくださったのか、メールで読んでるときが楽しい。今は一人一人に返事してる時間がないけれど、このブログは今まで救援パック・プロジェクトに参加してくださった皆さんに宛てたメールだと思ってほしい。
 で、今日ちょっと気になってるのは、新聞で活字になったりして、これから新しくこのブログを見にくる方がいないかってことで、今までのメンバーの皆さんへの報告も兼ねてこれまでの会計報告をしておく。まずは恒例、今日の新メンバー発表。

 田口則夫さん(先日4日、ガルーダ名古屋の土師千広さんが日帰りでジョグジャに大量な救援物資を運んで来てくださった。そのときにこの義援金を預かってきてくれた)、高橋秀治さん(愛知県美術館)、ミナガワ ケイコさん、コメタニ ヒロカズさん、オオイワ ナオコさん、宮本亜門さん(東京・沖縄)、松戸今日太さん(東京・沖縄)、ハタ ノリカさん、ヒウラ アキヒトさん、クワノ タカコさん、ヤナギダ ショウセン、サトウ レイコさん、米山和子さん(名古屋)、イシガキ ケイコさん、ナカムラ エミさん、ナカヤマ テツオさん、クマキリ ハルエさん、コイズミ アケミさん、アサヒナ アケミさん、ノダ スガコさん、イケダ ミチコさん、{宮里さん、展仁さん、野口智徳君と桂子さん、大城清太さん、根間幸子さん、溝辺逸子さん、金城ゆみこさん、前田ひろやさん(沖縄現代美術館準備委員会)、内田牧子さん、小川京子さん}(沖縄)、ヒサダユミさん、川口満さん(名古屋)、ヒラツカリョウイチさん、オダカアキコさん、タカトリ シゲルさん。
以上の25名、計287,580円。どうもありがとうございます!

 5月31日から6月7日(今日)現在で、義援金は2,384,070円、さらにバリの知人がルピアで支援くださってるのでそれを合わせたルピアの総額は181,605,250ルピア。メンバーはここまでで211名。最初にこのブログで呼びかけてた救援パックは、その後実際に被災地に足を運んで見てきた状況や被災者からの生の声を聞き、必要に応じて形を変えてきた。今後も政府の援助や他のボランティア団体、NPOなどの活動を見ながら、「迅速に、本当に必要としている人へ」というコンセプトを守っていきたいと思う。
 あ、そうそう今までにすでに使った義援金は52,201,735ルピア、ざっと計算して救援パックで66パックをすでに届けたことになるんだけど、実際には1パックを少額にして「オンリー乳」にしてるので、我々の愛を受け取った人の数でいったらもっともっと多い。現段階でまだ残り129,313,515ルピアある。ってことは救援パックでまだ160パックのデリバリーが可能。私の活動のもう一つのコンセプトは「明朗会計」なので、以上ここで中間報告。

救援パック:中間会計報告_b0090333_10173123.jpg
 ところで東(ヒガシじゃなくてアズマ。幹久君そっくり。今日は彼の写真はなし)グループ、動きイイわ、ホントに(これは彼らのグループのロゴ)。夕方のミーティングに報告書もってきてくれたけど、昨日ブラムんちに着いたN翁のバリ便と、新たに足した物資で「ファミリー・パック」作ってくれて、60世帯にすでにデリバリー済。さらに私からの強いリクエストで「オンリー乳パック」も追加、今日は25人の赤ちゃんに乳が届いた。彼らは毎日3台のワゴン車で動き、さらに奥の奥にある被災地にまで届けられるよう、常にバイクもスタンバってる。私がやりたかった痒いとこまで手が届くデリバリーを実現させられるだけの手段と人手が完璧に揃っている。
 今日のデリバリー報告から、まだしばらく「ファミリー・パック」と「オンリー乳パック」は必要だってことがわかった。今週はこの2種類のパック配達に絞ってできるだけ多くをデリバリーしようと思う。東ヤル気満々なので、今日もミーティングの後すぐに明日の調達に出てってくれた。若者が動いてくれるからオバチャン楽になったわ~。
 あ、でも東、今日ひとつだけヌケとったなー。朝の荷詰めから乳配達に至るまで、すべてデジカメに収めてたのに、メモリーカードをカメラから抜くときにどう間違ったかわからないけど、私のPCに移したときには全データ消えていた。唖然とする東。ま、でも許す。彼らの動きはホントに信用できるし、明日も同じ作戦で行くんだから、また写真撮ればいいんだし。彼らはかなりプロっぽく活動してるから、デリバリーしたところすべてで受け取りサインまでもらってきてるし、私は信用してるから大丈夫だって。ま、でも彼らの活躍はメンバーの皆さんにも見せたいし、明日はちゃんと写ってるといいんだが…。
救援パック:中間会計報告_b0090333_10183858.jpg

 父ちゃんたちにヤル気を起こさせる「ヤル気出そうよパック」は、緊急に必要なファミリー・パックのデリバリーが行き渡ってからにする。「ヤル気出そうよパック」には瓦礫の山を片付けて次の段階へ進むための大工道具を入れる。軍手、バケツ、のこぎり、釘などなど。結局崩壊した家を片付けようとか、使える建材を振り分けようって時に、道具がないから父ちゃんたちも何していいかわからないんだよね。こっちは来週辺りからパックを作ろうと思う。ガンバル父ちゃんのためにリポビタンDも付けてあげるかな。とにかく、自殺に向かっちゃいかんよ、父ちゃん。一番働ける年齢の男性がすでに4名自殺してる。これ以上増えないようにするために我々には何ができるだろう。
 明日は東がまだまだファミリー・パック用物資を調達してくれるので、オバチャンはちょっとお休みさせてもらいまーす。午前中はフィリピンでの個展の準備させて。こういうことは別の用事からバツっと切り離して頭の中いちどrestartして始めないといかんからね。明日起きたら半日は作品のこと考えさせてもらいますわ。しかし、今回のこの貴重な経験を多くのメンバーと共有できたことは、どんな形であれ絶対に私の今後のモノ作りに影響してくると思う。ま、そんなわけで、ジャワ地震がきっかけで知り合った皆様もおられますが、こんな経験の後に廣田がどんな作品つくるのかってことも、興味ある人は是非末永くこのブログでお付き合いくださいませ。
by midoriart | 2006-06-07 23:59 | Jawa Earthquake