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Culture & Art Report from INDONESIA


by midoriart

4月6日◇福岡いそぎ足の旅

 福岡にはインドネシアのアーティストならたいていは知ってる「福岡あじあ美術館」がある。去年はたしか10周年だったと思うが、その前進となった福岡市美術館の時代からアジア美術について研究をされていたのが後小路雅弘氏。現在はアジア美術館学芸課長の座を退かれ、九州大学文学部人文学科で教鞭をとっていらっしゃる。

 私は後小路さんがアジア美術館にいらした時からお世話になっている。インドネシアの調査にも二度同行させていただき、インドネシアの重鎮アーティストと直接話すという貴重な経験をすることもできた。最後にインドネシアでジョグジャカルタ、バンドン、ジャカルタの調査でご一緒したのはジャワ地震の少し前だったから4年ほど前か。今後日本でどういう形でインドネシア美術と関わっていくことができるのかなど相談したいことがたくさんあったので、春の到来を待って博多へ出かける事にした。


4月6日◇福岡いそぎ足の旅_b0090333_1095278.jpg 九大の研究室に入ってからは、すっかり写真を撮るなんてことを忘れていたので画像はない。日本ではジョグジャの常のように、どこにいても勝手にパチパチ写真が撮れないから残念だ。なんとなく誰かに怒られそうな気がしてなかなかカメラを出せない。
 これは今回泊まった中州川端のホテル。しかしビジネスホテルってすごいなー。ぎりぎりのスペースに必要最小限のものをちゃんと揃えている。見てよこのスリムな家具。この狭い廊下的フロアーにシングルベッド。ユニットバスもきも~ちミニサイズ。でも新しいから気持ちよく使うことができた。


4月6日◇福岡いそぎ足の旅_b0090333_10125454.jpg 久しぶりに会った後小路さんと、最近のインドネシア美術事情について語りあい、研究室の様子や学生さんを紹介していただき、オマケにお昼ご飯まで誘っていただいた。もともと愛知県の小さな芸術大学しか知らない私にとって、九州大学のように広い大学のキャンバスってのは馴染みがないからおのぼりさん気分。
 そうそう、今回思い切って博多まで出たのは、後小路さんにあいたかったのはもちろんのこと、もう一つの後押しがあった。写真は九大農学部博士課程の学生さんF君。彼とはジョグジャで知り合った。森林政策の学会などにインドネシア語で出席もできちゃうエリート。彼がちょうどタイミングよく一時帰国していて、夜は美味い博多飯に連れてってくれるというから勢いがついた。
 天神のかなり美味いモツ鍋屋で満喫後、川沿いの屋台で明太子つまみに焼酎。福岡サイコ~。明太子てんぷら、いわし明太、そしてF君オススメの「きびなごの天ぷら」、ジョグジャの友達とこうして野外で呑んでると、なんだかジョグジャとダブってくる。


4月6日◇福岡いそぎ足の旅_b0090333_10205273.jpg 翌日は久留米の石橋美術館を目指した。後小路さんのインドネシア調査に同行した、当時大学院生だった女性が、今はここの学芸員さんになってるというので早速訪ねてみたのた。地図を見れば久留米の手前、少し寄り道すれば太宰府天満宮!いまさら遅いかもしれないけれど、少しは老化してる脳みそにもご利益があるかもと、早起きして寄ってみた。
 思えばさだまさしの歌にもあったなー「しんじ池にかかる3つの赤い橋は ひとつめが過去で ふたつめが今・・」と。歌詞を思い出しながら、過去、今・・・と太鼓橋を歩いてみた。


4月6日◇福岡いそぎ足の旅_b0090333_10254026.jpg 桜門を抜けて本殿へ。ちょうどご祈祷中だった。この本殿右には飛梅があり、桃山時代の華麗な装飾にも圧倒される。寒い中、頑張って来たかいもあり、引いたおみくじは「吉」。


4月6日◇福岡いそぎ足の旅_b0090333_1028533.jpg 太宰府を後にして久留米へ。しかしブリジストンの石橋さんはすごい。このエリアは一大文化エリアになってるじゃないの。美術館以外にも文化センターや日本庭園もあるし、美術館の日本近代洋画のコレクションもかなりの質と量。学芸員になったIさんにも案内していただいてかなり満喫。


4月6日◇福岡いそぎ足の旅_b0090333_10305994.jpg 石橋さんがこうやって自分の利益を一般ピープルに還元してるってすごいことだなーと思った。とにかく、美術は高貴なもの・・・みたいにおかたくとまるんじゃなくて、一般人が本当に気持ちよくいられるような空間になっていて、好感がもてる。福岡の中心から特急で30分の場所ではあるけど、一度足を伸ばしたらいろいろ見るものもあるからこれはオススメ。


 久留米を出た後、今後は福岡アジア美術館を訪問。勉強不足で、ここは月休みじゃなくて水休みだった。けれど学芸課長の黒田さんのご厚意で、学芸室で久しぶりに近況報告やらをして、OPEN前の展覧会の準備を見せていただいた。アジア美術という測りにくい分野で、ここまでのコレクション、企画をずっと続けてきた福岡アジア美術館もすごいなー。
 そしてそこに関わってこられた今は九大教授の後小路さん、そして現学芸課長の黒田さん、このお二人に会ってお話しできただけでも、今回の福岡ツアーは大収穫だった。母と姉から頼まれていたふくやの明太子を買って、名古屋への岐路についた。
by midoriart | 2010-04-06 10:02 | Japan