Culture & Art Report from INDONESIA


by midoriart

2月26日◇最後の犠牲祭Grebug

b0090333_1234575.jpg ジョグジャ撤退を前に、我が家周辺は1年に一度の騒々しいシーズンに入っている。このエリアはジョグジャ王宮の城壁内で、本来は外国人が住めないエリア。なのになぜか大家さんからOKをもらい、ここに約9年暮らした。
 毎年1度、ジョグジャ王宮北の広場(アルンアルン)で行われる、イドゥル・アドハ(犠牲祭)を祝う伝統行事「グルブッグ・ブサール」。ジョグジャ観光局の仕事をしてたので、こういうものがあることは知ってたけれど、一度も行ったことがなかった。完全撤退を前に、今このタイミングであるってことは、最後くらいは見ておけということか。
 さらに友達が招待状をもらったからと誘ってくれた。おまけに今年は8年に一度のでかいものだという。


b0090333_12393771.jpg 今までなぜ私がこれにそんなに興味がなかったかというと、写真と話で知っていて、あんな人ごみの中に入り込むのがどうもためらわれたからだ。でも今回は招待状があって、王宮の中で行事を見ることができる。外野の恐ろしい人だかりとは別のエリアで。


b0090333_1241967.jpg だからこんなふうに、撮影もそれなりにきれいにできたわけで。これがもし、王宮の外の広場だったら、とてもとてもまともに見てることなんでできなかっただろう。
 後で聞いたところ、広場の方では失神して倒れてた人もいたらしい。感動からか、混雑でか、または日射病か知らないが、本当にこの犠牲祭はかなり気合入れて見ないといけないものなのだ。


b0090333_12433120.jpg この米や野菜で積み上げたグヌンガン(山状の供え物)がジョグジャ市民のお目当てなのだ。王宮から出発してこのグヌンガンを広場西にあるイスラム寺院「グデ・カウマン・モスク」まで運ぶ。そしてモスク前で祈りを捧げた後、グヌンガンの供え物を市民に振るまうのだ。
 スルタンの加護と一年間の幸運を呼ぶと信じられているグヌンガンだから、みんなが少しでもその御下がりをもらおうと、砂糖の山に群れるアリ状態になるのだ。日本でも威勢のいい祭があるけど、そんな感じ。とにかく老若男女がグヌンガンにたかり、その飾り物を奪い合うのだ。皆さんご苦労様です。


b0090333_12454719.jpgb0090333_1246688.jpgb0090333_12462386.jpgb0090333_12463912.jpg

 このグヌンガンの行列を護るのが王宮衛兵。彼らへの報酬はすずめの涙ほどなのに、いまでもみな、王様の護衛というこの任務に誇りをもっているらしい。このくそ暑い中、この形相で炎天下にずっといられるというのは、相当な精神力。それともジョグジャ王スルタンの神通力でも備わっているのか。

 とまれ、正直あまりジョグジャの伝統文化に興味のなかった私が、今日の儀礼には感動した。オランダ植民地350年の歴史と影響が垣間見える近衛兵の制服、鼓笛隊の奏でるメロディ、なんともジョグジャらしい。生きてる王様、そのご加護を信じる市民。ジョグジャのいいところってのは、まさにここなのかもしれない。
 去る寸前に、住んでいた土地のいい面を見ることができて、満足な1日になった。
by midoriart | 2010-02-26 17:33 | Yogyakarta