Culture & Art Report from INDONESIA


by midoriart

11月7日◇交換プロジェクト・日本編の途中経過報告

 現在、日暮里のHIGURE 17-15 casで開催中の個展『Memory of ASIA ~お爺ちゃんの時代~』展では、3フロアを使って各国で行った交換プロジェクトを展示している。中でも1階で展示中の「日本編」は、会期中に私が戦争体験のある世代の方々を訪ねて、自分の作品と何かと交換してもらうという「交換プロジェクト」を実施中。


b0090333_23595626.jpg インドネシア、ジョグジャカルタで制作した素焼きの「ヒト」70体をHIGURE1階会場に展示し、その壁にはこの「ヒト」との交換に協力してくれた戦争体験者のポートレイトを展示している。


b0090333_013810.jpg 初日に花を贈ってくださった演出家、宮本亜門さんのお父さんも早速協力してくださった。
 この写真の方は、1942年に航空部隊の訓練のため、インドネシアのソロへ赴いた塚越さん、大正5(1916)年生まれ。この方については、むちゃくちゃ感動する65年ごしのインドネシア人アーティストと塚越さんの友情ストーリーがあるので、いずれ文章にまとめたいと思っている。


b0090333_075266.jpg こちらは昔根津に住んでいた友達の協力で探すことができた、根津のお肉屋さんのお爺ちゃん。ご夫婦で快くこの交換プロジェクトに応じてくださった。協力者が一番困るのが、私の作品を何と交換するかということ。日本の皆さんはフィリピンやインドネシアの人たちとは全然違うから、私に対して「ヘンなものを渡しては失礼」という気持ちが先にたつようだ。
 でもここではあまりに達筆なお爺ちゃんの価格札に私が恋してしまったので、それをリクエスト。お父さんの人生はこの価格札に集約されてるような気がして・・・


b0090333_011014.jpg 日本編を始めた最初は、インドネシアやフィリピンとの違いに驚いた。とにかく皆さんの協力を得るのが難しい。飛び込みで話をしても、まず断られる。まー、仕方ないかもしれないけど。これだけオレオレ詐欺が流行り、見ず知らずの人には気をつけなくちゃ生きていけない世の中なんだから。「怪しい女」がヒト型の彫刻もって突然やってきて、何かと交換して欲しいなんて言えば、できれば関わりたくないのはわからなくもない。
 それでもショゲてばかりもいられない。友人、知人に協力を求め、飛び込みじゃなくて、人を介してお年寄りを探す作戦をメインにした。そうして出会えたのは、元気に敬老会で活躍しているお婆ちゃんたち。時同じくして人形町の日本橋社会教育会館で展覧会があったので、こちらを訪ねたら、会場にいらっしゃる80%は戦前生まれの方だった。


 重鎮らしきお婆ちゃんがみんなに一言、
「この人ね、今展覧会してらっしゃるのよ。皆さん、私たちだって協力してあげなくちゃね」
これ一発で皆さん協力してくださった。お婆ちゃんたち、本当にアリガトウございます!ここの皆さん12人から交換物GETです。
 終戦を12~15歳で迎えたという世代のお婆ちゃんの話に一番たくさん出てきたのは空襲、そして飢えだった。
「今ね、日本が不況んなって、美味しいものが食べられなくたってね、私らは生きてられるのよ。貧しい生活もやってきたんだからね。今の若いものは贅沢しか知らないからね、すぐダメよ。生き残れるのはね、私たちの世代よ」
と元気に笑うお婆ちゃんを見ていると、本当にそんな気がした。皆さんのお元気、いつまでも・・・


b0090333_0214161.jpg そして、皆さんからいただいた交換物は今、HIGURE1階の会場で、こんなふうに展示されている。毎日、交換達成したものから展示がライブで増えているので、会場の様子は日々変化している。
 目標交換数を決めたりはしないで、一人一人のお爺ちゃん・お婆ちゃんとの出会い、思い出の共有を大切に、東京滞在中まだまだお爺ちゃん・お婆ちゃん探しを続けていこうと思っている。

※皆様の中に東京在住で戦争体験のある(当時子供であっても構いません)方をご存知で、この交換プロジェクトに協力くださる方:
1)私の作品(素焼きオブジェ)をお手持ちの何かと交換くださり、
2)ポートレイト撮影をさせてくださる方
をご存知の方は、ぜひぜひ、ご紹介ください。
ご連絡は
HIGURE 17-15 cas(担当・高橋さん) 03-3823-6216
までお願いいたします。
by midoriart | 2009-11-08 00:27 | Japan