Culture & Art Report from INDONESIA


by midoriart

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★ジョグジャカルタで進行中の「KODOMOバンブー幼稚園」に、7月19日スガノキヨミさまからまたまた義援金をお預かりいたしました。いつもありがとうございます!⇒KODOMO幼稚園

 今日はちょっと特殊な文具のチェックに、名古屋大学の生協へおつかいに行く事になっていた。まさに「初めてのおつかい」。国立のだだっぴろい大学のキャンパスというものは、大通りから眺めたことはあっても、中に入ることなんてめったにない。そういえばずーーーっと昔、インドネシアの布や木彫りを名大フリーマーケットに出店して売ったことはあったけれど、それ以来キャンパス内に入ったことはなかった。
 今になって大学の中でうろうろして、「生協はどこですか?」なんて学生に聞こうものなら、「なんだこの母ちゃん、子供が心配で大学まできたんかい?」と思われそうで勝手にビビる。困っていたらいいことを思い出した。


b0090333_2304184.jpg 中学高校の同級生が、職員として名大に勤めているんだった!彼女に生協までの案内を頼み、少し前から気になっていた構内のカフェでランチを共にする約束をした。
 気になってた店はこちら、Phonon Cafe Room。大学内なのにビールとかあって、夜まで営業してるという記事を見たことがあって、一度試してみたいと思っていた。

b0090333_2322094.jpg ビールの興味の他に、内装が私の友人もいる大阪のデザイン集団grafだと聞いていたことも、この店が気になった理由だ。情報文化の建物2階に入ってるカフェは、確かにちょっと大学にいるのを忘れる空間。客も学生よりは職員(あるいは私のような外部者?)が多いように見える。


b0090333_23255849.jpg 昼はランチボックス(400円)のみ。ドリンクが付かないので、ドリンクを追加すると結局は700円を超すくらい。だから学生は少ないのかも。見た目は若干少なめ?と思うが、それを豆乳スープの量でバランスとってる感はあり。パンがなかなか美味。


b0090333_236292.jpg 半年ぶりくらいに会ったので、積もる四方山話をしてたらあっという間に彼女の昼休みが終わってしまった。広いキャンパスのどこをどう進んだら北の生協があるかを聞いて、私は一人で名大探索を始めた。ちゃんと目指す生協を見つけ、用事を済ませた後、たらたら歩いていたらこんなおかしな空間が出てきた。なんか芸大の中にある建物みたい・・・


b0090333_2310187.jpg なんでもその名は「中庭とアート」という学生の福利厚生の充実を目的にした庭らしい(意味がよくわからんが)。ベンチのスケールや床のパターンはル・コルビジェの寸法単位モデュロールを使い、フェリーチェ・バニーニというアーティストの《20の点と10の直線》を起用して作ったと書かれていた。


b0090333_2321817.jpg 断片的に見える赤い線が、中庭に入るパサージュからはキレイにつながって見えるというもので、中庭を動き回ると線がいろいろに動いておもしろいといえばおもしろい。ただ、福利厚生のわりに、誰一人この空間を利用していないのは、この暑さのせいだけなんだろうか・・・。

 国立大学といったらインドネシアのUGM(ガジャマダ大学)とITB(バンドン工科大学)、それと日本では九大しか入ったことがないので、どのくらいの広さをもってスタンダードなのかよくわからないが、名大はまだまだ探索の余地ありと見た。中で勤めている同級生の情報では、今日行ったPhonon Cafe Room以外にも、フレンチが入ってたりするらしい。生協の品揃えもおもしろいことがわかったし、これからは大学探索も休日の趣味に入れようかなーと思ったりした。

★Phonon Cafe RoomはちゃんとHPももってた。⇒PHONON
by midoriart | 2011-07-28 23:24 | Culture
 最近私の中で「民藝ブーム」がきている。というのも、この春にアノ民藝運動の立役者の一人、濱田庄司のお孫さんであり地理学者の濱田琢司氏とお近づきになったからなのだ。益子の人間国宝の孫が、まさか名古屋にいらっしゃるなんて思ってもいなかったので驚いた。京都へ寺巡りに行って河井寛次郎んちでのんびりしたことは数回あるが、益子参考館まではまだ行ったことがなかった。でもこうやって関わりのある方とお話しする機会が多くなると、ちょっと気になってたことが、どんどんブームになって興味が大きくなってくる。


b0090333_0375664.jpg そんな折、私同様に民藝ブームのきてる芸大の先輩が、こんないいモノを見つけてきてくれた。「日本民藝夏期学校」。日本民藝協会が毎年国内の民藝館で開いているものらしい。今年は豊田会場、倉敷会場でそれぞれ開かれる。
 この夏期学校は高額な参加費からしても、「相当な大人」が参加するものと思われる。私にはちょっと無理。しかし豊田会場での夏期学校には濱田琢司氏を交えた公開パネルディスカッションもある。せめてこれだけは聞きたい・・・


b0090333_038757.jpg そしたらあったあった。この講演だけに外部から参加することができたのだ。こうしてプチ遠足日和の日曜、私は「民藝ブーム仲間」の先輩と一緒に豊田市民藝館を訪ねた。
(写真は民藝館第一展示館。豊田市民藝館のHPより)

b0090333_039088.jpg 5年も通った長久手の芸大から30分ほどの場所にある豊田市民藝館。むちゃ気持ちのいいロケーションに3つの展示館があり、さらにこんな洒落た洋館もある。
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よく見ると窓のフレームがカブになっててカワイイ。残念ながら展示館内は撮影禁止なので、様子はお見せできない。詳しくはこちら⇒豊田市民藝館



b0090333_22504040.jpg 『「民藝」の現代的流用~定義の読み直しとともに~』という濱田琢司氏の基調講演、そして有松絞り作家、瀬戸の陶芸作家を加えたディスカッションを夏期学校参加のおじ様おば様50人と、外部からの聴講者50人で聞く。想像はしていたが、この私が最年少くらいという、”かなりの大人”な学校。
 濱田氏の「民藝」に対する疑問提起には興味深いものがあった。安価なイメージである民藝がなぜ高いのか、美的価値と機能美は一致するのかなどなど、ディスカッションの内容が深すぎて、わずかな時間では答の出ないものだけれど、ここんところを研究しておられる濱田氏のコメント、作る側からの意見など、全体のまとまりはおいといて示唆深い2時間だった。(写真:今回のではなく「濱田庄司とバーナード・リーチ」第4回企画展記念講演でお話し中の濱田氏)

b0090333_0395256.jpg そんなこと考えさせられた後の茶室「勘桜亭」での一服も美味しかった~~~。周辺の山に咲く花が小気味よく活けられてて菓子もおいしゅうございましたー。「大人」だねぇ~~~。。。


b0090333_040656.jpg 豊田市民藝館には陶芸や絞り染めの体験できる教室もある。窯に惹かれて見に行ってきた。こういう場を見ると、いつもワクワクしてくる。仕事場の空気はイイもんだ。


b0090333_0401833.jpg 私はちょっと遠出すると、その地の名産が食べたくなる。民藝館を後にして、「豊田って何があるんだろう?」と思って走ってたら「やな」の字を見つけて川沿いに車を止めた。でも見えるのは川遊びしてる子供たちだけ・・・
 その向こうに「駅前広場」とでかい看板があったので行ってみたら、こんな田舎情緒120%の駅が・・・。そしてレールはここで止っている。ってことは、これが名鉄三河線の終点「猿投」?結局鮎料理にはありつけず、空腹に負けてフツーの鰻屋で丼をいただいてプチ遠足は終わった。にしても今日の大人な夏期学校、楽しかった~。これからは時間見つけて今まで行かなかった民藝館や博物館巡りもしたいなー・・・って思うことが、「大人」になった証拠なんだろな・・・
by midoriart | 2011-07-24 23:16 | Art
 私の自宅は名古屋城から少し西に降りたところ。愛知県体育館は名古屋城のすぐ隣にある。小さな頃から、夏の大相撲名古屋場所になると、家の近くにもお相撲さん部屋が泊まったりしてて、結構力士を見ることがある。それを見て、
「あ~、もう夏場所の季節なんだねー」
と思ったものだ。

 けれど、自分が見るとなったら話は別。料金が高いこともあるけど、自分でチケット買って見ようと思ったことは一度もなかった(小さい頃に輪島が優勝して、近所をパレードしたときには興奮するお爺ちゃんに連れられて国道の人だかりに混じったことはあったが)。

b0090333_21393952.jpg ところがこのたび、某美術館副館長Tさんからお誘いを受け、人生初の生相撲を見ることができた。それもマス席で!もしかしたら人生最初で最後かもしれないと思い、前日はWEBサイトで大相撲について、会場について予習までした。
 午後から用事が入っていたので、私が愛知県体育館に到着できたのは午後4時。おー、これがTVでよく見る幟だな~・・・特に名古屋はお隣が名古屋城だし、なんかこのエリアだけ時代が変わっちゃってるような不思議な感じ。

b0090333_21423184.jpg Tさんと合流して、まず私が見たかったのは売店。素人なんだから仕方がない、どうしてもこういう力士グッズが気になるのだ。WEBでの予習ではちゃんこ屋台ってのもあって、気になっていたのだけれど、午後4時ではもうとっくに売り切れていた。無念・・・

b0090333_21442011.jpg 母の土産に買った「力士もち」、直径12センチもある蓬餅が2つ入っていた。ムチャ美味い!

b0090333_21452787.jpg 会場に入ってビックリ。今日のマス席はマスの中でも一番前、もうこの前は砂被りという場所だった!名古屋でいうところの、「どえらい」近い場所!臨場感がスゴイ!
 妙なヘアスタイルの兄ちゃんがいるなーと思ってたら、この人(黄色の矢印)は名古屋おもてなし武将隊の織田信長じゃん!そうか、職場の名古屋城は隣だもんな、近いよな。鎧を脱いで、現代の青年になって、相撲観戦してるんだなー。

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 こうやって懸賞がつく取り組みってのは、やっぱり華やかなもんだなー。撒いた塩を毎度毎度掃いてる西と東のおじさんの箒とか、数回の取り組みごとに交代する行司さんの衣装とか、お弁当を升席に持ってくる仕出屋さんが使ってる竹篭とか、道具のひとつひとつが日本の手仕事~って風情で良い。
 きっとこの土俵上の屋根の四隅からさがってる縄の色にも、意味があるんだろうなーー・・・、で、マス席が思ったより全然狭いので驚いたりもした・・・

b0090333_21511385.jpg すっかり相撲オンチな私にもわかるバルトが出てきたり、

b0090333_21514482.jpg 弓取り式があったり、これぞ相撲!やっぱり見てよかった。見せてもらえてラッキーだった~~~

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 余韻覚めぬまま、周囲の座布団はどんどん回収されていく。そしてるうちに、強面な、どう見ても昔しこ踏んでたっぽいおじちゃまがぞろぞろと登場して土俵を囲んだ。Tさんの解説によれば神聖な場所を素人たちが触れないように守ってるらしい。

 いやぁ~、人生半世紀近く生きてきて、国技相撲を初めて生で見た。外国人力士が多くなったからか、昔お爺ちゃんがTVで見てた頃の力士とは身体のバランスがなんか違ってて不思議ではあったけど、見てよかった。こういうものの良さがちょっとわかってきたってことは、そういう年齢になってきたってことでもあるのかな・・・
 良い体験させていただきました。Tさん、ありがとうございました!!!
by midoriart | 2011-07-11 21:35 | Culture
 愛知県美術館で7月9日から始まった「棟方志功展」。朝もはよから開会式に出席した。
 なんといっても今回の展示で感動したのは全長26mもある〈〈世界の柵〉〉。著作権の問題とかあるだろうからここでは写真は出さないが、見てすぐにピカソの〈〈ゲルニカ〉〉を思い出した。しばらくこの作品の前から動けなかった。

 b0090333_1161093.jpg 志功といえば、こんな感じの宗教的な版画をイメージする人も多いだろうが、今回はアメリカへ渡って影響を受けた英語の詩を使った作品や、青森の田舎から出てきたおじさんが作ったとは思えない洗練された構図のミニマルな作品があったりして、志功の才能の幅と深さがよくわかる。
 ちなみに、この作品〈〈弁財天妃の柵〉〉の絵葉書は、購入するとそれが東北への義援金になる(1枚100円)。

 展覧会の内容についてはあまり書かない。版画、倭絵、書から陶芸にいたる志功の画業(画だけはないのがスゴイ)をたどる今回の展覧会では70件300点の作品を一気に見ることができるから相当に濃い展覧会だと思う。志功が大きな影響を受け、親交の深かった濱田庄司、河井寛次郎の作品も見られる。

 今日は開会式だったから、すごい人の中でゆっくりは見られなかったので、後日もう一度ゆるりと見に行くとして、お気に入りのミュージアムショップへ寄って被災地支援グッズからお買い物をした。
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 これは宮城県美術館のミュージアムグッズ。長谷川潾二郎〈〈猫〉〉を使った一筆箋(450円)。

b0090333_1116683.jpg 仙台のポストカード。エンボスでSENDAIの文字と伊達政宗(だと思う)が浮かぶ(154円だったと思う)。

b0090333_11171184.jpg 今回の買い物で一番気に入った一品。青森は弘前のさしこ。農村の人たちが藍染した布に一刺し一刺しして作ったという伝統的なものらしい。いろんなデザインがあって手仕事の味があってとてもイイ(315円)。

b0090333_1118495.jpg 愛知芸術文化センターの地下にあるブックショップでは今回の展覧会に合わせて「民藝」関係の書物が集められていた。雑誌『民藝』のバックナンバーも豊富。


棟方志功展の情報はこちら⇒「棟方志功~祈りと旅~」

 7月16日(土)には関連企画として津軽三味線チャリティーライブもある!
11:45-12:15 / 14:30-15:00 
会場:愛知芸術文化センター2階フォーラムⅠ
料金:無料 ※義援金の協力をお願いします ※椅子は100席用意
by midoriart | 2011-07-09 11:02 | Art
 私の母校は愛知県立芸術大学。名古屋市内ではなく、ちょっと市をはずれた長久手という田舎にある。私の行ってた頃は本当にまだまだ田舎も田舎で、イタチがさっと走りぬけたり、長久手の合戦の落ち武者の幽霊が出まくっていた。みんなの下宿に夜行こうものなら、真っ暗な畦道を歩く覚悟がなきゃ出歩けなかったもんだ。大学にいたって、ほぼ町の娯楽や明かりからは隔離されていた。
 がしかし、私がインドネシアで20年も暮らしている間に、この場所では愛知万博があったりして、「大田舎」長久手はいまや若いファミリーの住宅街もある新しい町になった。多分愛知芸大にいま通ってる学生たちも、昔の汚い貧しい美大生のイメージからはずいぶんとかけ離れているんだろう。

 とまれ、そんな愛知芸大が、名古屋の町中である栄にサテライトギャラリーをつくったのは2010年5月。今日は愛知芸大の油科の先輩、今村哲さん、染谷亜里可さんの展覧会を見に、このギャラリーを初めて訪ねた。
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 芸大に関わりのない人がこの写真を見てもなんとも思わないだろうが、あの「大田舎」にある愛知芸大のロゴが、栄の町に煌々と輝いている(白く光ってるビルの看板)のを見て、まず驚いた。ちなみに、この場所についての情報はこちら→愛知芸大サテライトギャラリー

 今回の展覧会「二重に出歩くもの」は今村哲+染谷亜里可+山元ゆり子の3人展(先輩すみません、呼び捨てで・・・)。山元さんは愛知芸大出身ではなく、舞台美術などのお仕事をされている方だ。
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 ビルの3階がギャラリー。どうも「田舎臭い」というイメージがいまだに抜けない母校、愛知芸大がこんな小洒落たものをもっていると思うと、不思議でならない・・・
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 久しぶりに大好きな先輩、今村さんと亜里可さんに会い、四方山話の前にまず作品を見せていただく。1フロアーに1室のギャラリースペースが区切られ、平面作品を見る空間と、その奥には不思議なラビリンスが広がる。かなり狭い路地のような空間もあるが、ダイエットが必要な私でもなんとか入っていくことができた。
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 ドアを開けると怖懐かしいような、なんとも心地よい奇妙な空間が現れる。意味深なメッセージが空間のあちこちに散りばめられている。ゲームの中に入ったような錯覚にも陥ったり・・・。
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 都会のギャラリーの一室にいたんだっけか?と思うような場所に出あったり。舞台、音響、映像のサポートがあるだけあって、かなりリアルに「体感」できる作品。ネタばれになるので全部は言えないけれど、かなりおもしろい展覧会だ。後半の感動部分についてはここでは語らないことにする。

「二重に出歩くもの」は愛知芸大サテライトギャラリーにて
期日: 平成23年6月29日(水)~7月23日(土)
開館時間: 火曜~木曜 13:00~19:00
        金曜~日曜 12:00~18:00
休館日: 月曜日

※7月15日 19:00から作家による体験シンポジウムあり!
by midoriart | 2011-07-03 22:10 | Art