Culture & Art Report from INDONESIA


by midoriart

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b0090333_12115880.jpg 1月中旬にジョグジャに戻ってから、実は突然の大掃除が始まっている。
 今暮らしているのはジョグジャ王宮の近く、本来外国人が住めないエリアなのだけれど、大家さんが私をたいそう気に入ってくれたことと、私のジョグジャでのIDが(単にビザ取得のためだけだが)、ジョグジャの王様を頭としたジョグジャカルタ市観光局のアドバイザーなので、なんとなくOKになっている。
(山のように出たゴミ)


 本当は2年以上前から、ジョグジャ撤退を思っていた。いざ帰ろうと思うとジャワ地震が起こって救援活動で忙しくなったり、ようやくそれが終わって帰ろうと思ったら、日本から大型美術展が来るからと、むちゃくちゃやりがいのある現地コーディネーターの仕事が入ったりと、なんだかジョグジャに足を引っ張られてる感じの数年だった。
 

b0090333_12143064.jpg ジョグジャ撤退といっても、インドネシアからまるまる縁を切るのではない。私にはバリに心許せる家族がいる。ジョグジャの家は単なる借家だから、私が留守のときには人を頼んで家の面倒を見てもらわなくちゃいけないけれど、バリの家族の敷地内に作った部屋だったら、常に人が見ていてくれる。
 ジョグジャ撤退を念頭に入れ、インドネシアの新たな拠点としてこの部屋を完成させたのが昨年6月。


b0090333_12164610.jpg ジョグジャを撤退しても、最小限の荷物はバリへ移す。日本での時間が多くなるにしろ、20年近く暮らしたインドネシアとの関わりがプッツリ切れることはない。今後の住所は実家のある名古屋とバリになる。
 こうしてようやく足かせのなくなった今年、1月後半の2週間でまずスタジオを整理した。何かに使える・・・と思ってとってあった竹、木、金属、ガラスにアクリル、すべてを処分。一つずつ見て思い出に浸っていたら時間がなくなるから、とにかく捨てた。


b0090333_12182292.jpg バリ時代から数えて通算18年、その間にためた荷物だから相当な量がある。家具、家電、工具に素材、家が広いから余計になんでもためこめちゃうのがいけない。
 過去にちょっとお金が入ると記念に買ったアンティーク家具も、日本へもってったって置く場所がない。気に入ってくれる日本人の友達に買ってもらうことにした。こうして少しずつ大物が出ていくと、本当にこの家は広かったんだなーーーと実感。


b0090333_1220355.jpg スタジオの隣りにあるデスクワーク部屋。ここには画集、カタログなどの書籍が山ほどあった。これも処分。でも本ってなんかバチ当たりそうで捨てられないんだな・・・。運良くジョグジャには日本人の知人が経営する宿がある。ここに寄贈。美術書はバンドン工科大学美術学部で教鞭をとっている古い友ササンへ寄贈。

 こうしてようやく落ち着いた。来週にはバリの兄貴がでっかい車をレンタルしてジョグジャに来てくれる。バリへ持ち帰るものは兄貴にもってってもらうのが楽だし。ついでに別の荷造りも手伝わせようという魂胆。さらに、ここで暮らした9年に、バリ時代からかわいがってた犬ティルムが逝った。彼は裏庭に今も眠っている。ジョグジャ撤退にあたり、一番の気がかりだったのがティルム。せめて魂はバリへ一緒に連れて帰ってやりたい。兄貴が来たら、小さな儀礼をして彼の魂をバリへ帰してもやれる。そこまでが終われば、引っ越しの作業も、残りわずかになるだろう。
by midoriart | 2010-01-25 12:08 | Yogyakarta
b0090333_20551297.jpg 1月22日、ジョグジャカルタ・ナショナル・ミュージアムで、インドネシアの彫刻家、故G・シダルタ氏の回顧展が始まった。


b0090333_205628100.jpg 1932年生まれのシダルタ氏は、50年代のインドネシア近代美術を引っ張ってきた重鎮。その作品は福岡のアジア美術館にもコレクションされている。彼は私も通ったインドネシア国立芸術院(ISI)ジョグジャカルタ校の第一期生でもある。インドネシア美術を語るにはかかせないアーティストの一人だ。
 そんな彼が亡くなってちょうど1000日目にあたる今日、彼の解雇展がジョグジャカルタ市長によって幕を開けた。


b0090333_20565390.jpg 2年前にはこのJNM(ジョグジャカルタ・ナショナル・ミュージアム)へ日本から50組近いアーティストが集まり、日本インドネシアの国交樹立50周年を祝う美術展もあった。そんな懐かしい会場が、今日は故シダルタ氏の作品で埋まっていた。


b0090333_20571848.jpg 日本では、九州大学教授の後小路雅弘氏(元福岡アジア美術館学芸課長)が彼と旧知で、私はその調査の同行通訳をさせてもらったことから、シダルタさんとも面識があった(参考記事「彫刻家弔問とオバケ屋敷スタジオ」)。
 今日の開会式には奥様も息子さんも出席していた。シダルタ氏の死を知った後小路氏が、お悔やみに訪ねたとき、後小路氏の顔を見るなり泣き崩れた奥様のことを想い出して、また目が潤む。
 会場には故シダルタ氏のスタジオの様子を復元したような空間もあった。


b0090333_2057466.jpg 最近は中国のアートバブルがここにも飛び火して、なんでもかんでも買いあさる成り金系コレクターがたくさんやってくる展覧会オープニングが多い中、今日はなんともご年配の多い、それもいかにも関係者が多い厳かな開会式だった。シダルタ氏のお人柄なのだろう。偉大なるインドネシアの彫刻家に、もう一度合掌・・・


G・シダルタ回顧展『Homage to G. Sidharta Soegijo』
1月22日~2月5日 OPEN 09:00~21:00
ジョグジャカルタ・ナショナル・ギャラリー(JNM)
Jl. Amri Yahya No. 1, Gampingan, Yogyakarta
by midoriart | 2010-01-22 20:54 | Art
b0090333_21283029.jpg 話はちょっと前後するけど、日本で向かえた正月のこと。
 2010年の元日、名古屋は雪景色だった。スタジオの2階から、我が家の母屋を眺める。


b0090333_21292696.jpg 今年は姉のリクエストで、家族3人温泉で一泊して正月を楽しむことになっていた。宿探し担当の私が選んだのは、名古屋からそんなに遠くなくて、でも旅行気分が味わえる場所。そこで犬山の温泉に決めた。木曾川の向こうに見えるは犬山城。

 しっかり温泉につかり、正月の料理三昧して部屋で3人マッサージして、元日の1日身体を休めた翌日、目指したのはモンキーパーク、通称モンパ。私が大好きなスポット、なんたって猿だらけの場所なんだから。


b0090333_21295570.jpg オススメは南米館。タマリンやマーモセットなどムチャ小さな猿たちがたっくさんいる。ちょっと落ち武者系。ネズミくらい小さくて、キッキッと鳴く。かなり可愛い(臭いけど)。


b0090333_21301982.jpg モンパといえば人気はワオキツネザル。寒さの中、数箇所に設けられた暖房器具の前に座り込んで、思い切り両手を広げて暖をとっていた。今回わかったことに、猿はさすがに「毛」好き。私が防寒にかぶっていた帽子は、意図せずして大成功だった。ワオキツネザルたちは私の「毛」がいたく気になるらしく、ピョンピョンと勢いよく跳ねてみんなが集まってきた。


 こんな近くまでやってくるから大感動。見てた係員さんが「触らないでくださいね!」っつーから、手は出せない。でもかなりの接近で嬉しい。


b0090333_21305961.jpg さらにモンパで見るべきはヤクニホンザル。屋久島のニホンザルが屋久島以外の場所でいるのはこのモンパだけ。寒い時期は、みんなが「猿団子」になってて、とんでもなくほのぼのとする。オマケに焚き火で暖をとった後、ここのヤクニホンザルたちは午後2時に焚き火で焼いた焼き芋を食べるのだけど、なんと見てる我々にも芋がもらえるのだ。
 これがたまらなくて今年も来た~。ここの焼き芋がなんでこんなに美味いのかと思っていたら、その謎が今回解けた。なんでも京都の和菓子屋で使う上等のサツマイモの型崩れしたものをモンパが安く買ってるらしい。猿たちと一緒に食べられるから美味しいのではなくて、本当に芋そのものが美味かったんだな~~~。ホントに、ここの焼き芋は食べる価値アリ。もひとつ素晴らしきは、エサが欲しくて手を叩いて私ら人間を呼ぶ猿の姿。泣けるほど愛らしい。


b0090333_21311738.jpg さらにさらに、正月二日間だけのスペシャルは「奇跡のミカン」。
 たまたま年末にニュースで見た。モンパにいるゴリラのエサになるミカン。これを食べたゴリラが排泄した中に、噛まれずに出てきたミカンの種があり、さらにそれを清掃員が集めずにいて、それが発芽して木になって、実を実らせるまでになったというもの。ちょっと縁起物かも・・・と、家族全員が抽選券をもらってこれをGET。モンパ三昧の1日だった。
by midoriart | 2010-01-16 21:31 | Japan
 1月11日、名古屋からバリへ。毎回使ってるインドネシアの国営エアーGARUDAでは、ちゃんとマイルをためているのだけれど、なっかなかタダでインドネシアの往復券GETまで届かない。今回はGARUDA名古屋スタッフのHさんから、ビジネスクラスへのアップグレードを奨められたので、レージを使ってビジネスを試すことにした。


b0090333_21313420.jpg ムチャ広い~~!! こんなのを知ってしまうと、今まで乗ってた空間はなんだったんだ。老体にはこのファシリティ、たまらんなぁ。


b0090333_21323163.jpg シートだけのために、こんなにもコントロールボタンがある。まるでマッサージ機。足は座面と同じまで高くなるし、寝るMODEにしたらほぼ完璧なベッド状態。さらに本気で背中をグルグルやってくれるマッサージ機能がついていた!インドネシアを舐めちゃいけなかった。こいつは凄い(しかし・・・今気づいたけれど、私が単にまったくビジネスクラスを知らないから、これに感動してるだけなのか???)。


b0090333_21343843.jpg 自分専用の液晶タッチパネルがあって、映画も選べるしゲームもできる。
 今回、ビジネスにアップグレードするにあたり、GARUDA名古屋のHさんに、
「たまのことなので、ワインでも飲みながら、映画楽しんでいきます!」
なんて言ったからか、ちゃんと乗務員さんが
「ミス・ミドリ、ワインいかがですか?それともビール?」
と聞いてくれるのだけれど、実は出発前の晩、家で呑み過ぎたために今日はまったく酒を受け付けず。無念・・・。


b0090333_21371258.jpg こんな快適なシートなら、10時間以上のフライトでも全然気にならないだろうなー。7時間のフライトで2本の映画も見て、満足満足。
 今回はバリで3泊。いつもどおりUBUDの家族のもとへ。嬉しいことに、私のバリの娘(木彫りの師匠の娘)がUBUDのホテルに勤め始めていて、そこのSPAを安く予約してくれた。なんだか子供の初任給でプレゼントもらった母の気分。日本での疲れをとるため、2時間コースのマッサージ&垢すり&薬草バスを試す。この写真は娘の勤務先、HOTEL SAHADEWAのプールサイド。


b0090333_214081.jpg 気温差26度のバリから、ジョグジャへ。昨年10月から留守にしていた我が家は、絶対に「どえらい」ことになっている。覚悟して家に戻ったら、思ったとおり、まず自分の部屋の電球が切れてて真っ暗だった。着いたのが夜だったので、何も状況わからないまま寝て、翌朝(今朝)見た庭は予想通りのジャングル。


b0090333_21415370.jpg さらに、バッテリーをはずして3ヶ月ガレージに放置しておいたスターレットは、自分でバッテリーをつなぎなおしてもウンともスンともいわず。結局いつもの修理屋さんに来てもらった。
 いつも1週間くらいの旅だったら、バッテリーさえはずしておけば問題ないのに、やはりインドネシアでの3ヶ月ってのは長いんだなーといまさら痛感。4時間もかかってようやく直った~。けど恐ろしい汚れ。中は恐ろしいカビ。ホラーな1日となった。
 まーしばらく空けてて始まるジョグジャの暮らしってのはいつもこう。今回水が止まったり、電気系統が故障してなかっただけましなくらいだ。

 まー年末いなくて年越しの大掃除してなかったわけだし、今日から2~3日は住み慣れたこの家の掃除に時間かけてもいっか・・・。こうしてまたジョグジャの暮らしが始まる。
by midoriart | 2010-01-15 21:47 | Yogyakarta
 寒さのせいか、日記の更新が遅れ気味の昨今。昨年11月末に東京での個展を終え、日本で過ごせる年末年始もあまりのんびりできなかったのは、2010年早々1月5日から始まった展覧会「あいちアートの森」があったから。
 愛知県内6エリアを使って昨年12月から今年春まで、各エリアで開催される「アートの森」の堀川エリアにはもっとも多くのアーティストが作品を発表している。


b0090333_20471093.jpg たまたま日本に戻っている時期だったこともあり、私もこの展覧会に招待を受けた。場所は堀川プロジェクトの水谷邸。この家がかっこいい。昭和5年築のお医者様宅なのだ。


b0090333_20472635.jpg 東京では「交換プロジェクト」のフィリピン編、東ジャワ編、バリ編を展示し、滞在制作として2年前から始めた日本編を続行した。そして今回の水谷邸での展示のため、太平洋戦争体験者100人と出会うべく、名古屋に戻っても対象者を探しては名古屋周辺を歩き回った。
 そして最終的には94人の体験者と出会い、当時の想い出を聞くことができた。


b0090333_20475444.jpg 「交換プロジェクト」を始めてから、出会った人とのやりとりはすべてビデオにおさめるようにしてきたけれど、今回は一般家屋それも和室でお隣には別の参加作家の作品があるという状態だったので、ドキュメントビデオを使用するのはやめにした。
 その代わりに使ったのは、出会った人々から聞いた話の中から抜き出した「記憶の言葉」。これを文字として切り取り、34の言葉としてビデオを作った。


b0090333_20481646.jpg とにもかくにも寒くてたまらない家ではあるけれど、最近ちょっと流行の古い町並みがあるエリアで、円頓寺商店街には50年くらい変わってないんじゃないかって思うような喫茶店(昔は純喫茶って言ったなぁ)があったり、かと思えば蔵を利用した洒落たカフェがあったり、結構おもしろいエリア。昨年暮れの個展をした東京の下町、やねせん(谷中・根津・千駄木)といい、今回の堀川といい、レトロな町とご縁続き。


 展覧会は月曜休みで毎日午前11時~午後4時まで。3月7日まで開催される。興味のある方はぜひ足をお運びください。昭和5年築の珍しい家屋を見るだけでもかなり価値アリな2ヶ月と思われ。
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by midoriart | 2010-01-09 20:48 | Art