Culture & Art Report from INDONESIA


by midoriart

<   2009年 07月 ( 1 )   > この月の画像一覧

 今日のバンドンツアーはバンドンから北へ向かったスバン。
 1942年に日本軍がインドネシアに入って350年に及ぶオランダ植民地時代に終止符を打った事は知られていても、当時日本軍がどこからインドネシアに侵入し、どうやってオランダ植民地政府からインドネシアをとりあげたか、そこを知ってる人は意外と少ない。
 かくいう私もその一人。占領下のインドネシアについての本は結構あるけれど、日本軍がどうやって、どんな経緯で、どこの海からインドネシアに入ってきたかはあまり知らなかった。


b0090333_21375527.jpg そんな私にスバン行きをすすめてくれたのは、バンドンで私が個展を開催したときに身に来てくれたマムールさん。彼は歴史大好き、日本の占領肯定派で、私が戦争をテーマにした作品を作っているのを見て、
「あなたは日本人として、当時日本がしたことを恥じることはない。そして正当化する必要もない」
とコメントしてくれた。そして当時の日本軍の足取りについて書かれた文献を山ほど見せてくれたのだった。


b0090333_21402342.jpg そしてわかったのがカリジャティ。ここには今、インドネシア空軍の基地がある。オランダ植民地時代にもここはオランダ空軍基地として機能しており、日本軍はここを攻めて7日間でオランダ植民地政府を落としたといわれている。そのとき、今村均中将がオランダ側と話し合いをした建物がそのまま残され、今では「RUMAH SEJARAH(歴史の家)」として守られている。


b0090333_21431244.jpg 今日はマムールさんがついてってくれて本当によかった。なんたってインドネシア軍の基地だから、中に入るにも目的を伝えて身分証明書を預ける必要がある。私が一人で訪ねた日にゃーかなり怪しまれただろうけど、マムールさんはバンドンの有名大学パジャジャランの講師。私が見ても「カッコいい~~~」と思うしゃきっとしたお爺ちゃんで、昔からここを訪れる元日本兵(カリジャティの会)とも親交がある。
 基地内にある一人の日本兵の墓にも案内された。
「ここに元日本兵眠る」と書かれた記念碑に、当時ここで命を落とした日本兵が眠っているという。当時ここに攻め入った元日本兵は戦後「カリジャティの会」というものを作り、毎年「歴史の家」を訪ねてきていたのだけれど、関係者によればここ2年は日本から来る人がいないという。それだけ第二次世界大戦はずっとずっとむこうへいってしまったのか。ここに眠る一人の日本兵の戦友たちも、一人また一人と、無事戻った日本で生き証人の役目を終えていくのだろう。一人インドネシアに残されたこの兵の魂よ、安らかに。合掌・・・


b0090333_21485970.jpg
b0090333_2211445.jpg
 ジャワ作戦を指揮した第16軍司令官の今村均中将の写真もあった。1942年3月9日、このカリジャティでオランダ植民地政府は正式に降伏、オランダの総局長との最後の話し合いを持ったのだった。

b0090333_21513745.jpg
 そのときの絵と、部屋がそのままこの「歴史の家」に残っていた。ここには当時今村中将とオランダの総局長が語り合った内容も、インドネシア語と日本語で文献が残っていた。もっと感動したのは、この歴史の家の本棚の中にあった本、『史戦亞東大 戦作ワヤジ』最初はなにかと思ったけど、そう、大東亜戦争、ジャワ作戦!
陸軍省企画とある!担当者にお願いして、コピーをとる許可を得た。読んでみるとどうやらこのジャワ上陸作戦に同行した従軍記者が書いたものらしい。日本語で残る貴重な文献であることには間違いない。


 
b0090333_21561178.jpg
 今回の「歴史の家」訪問は本当にいい体験だった。ここを教えてくれて、2時間のドライブにつきあってくれたッマムールさんには大感謝。彼は過去をちゃんと伝えたいといって、中学2年生になる孫の男の子も連れてきた。この子がいい子で、お爺ちゃんの話を真剣に聞いていたのが印象的だった。
 こういうところに行っても、私がちゃんとチェックするのはご当地飯。今回は飯じゃなくてパイナップル。カリジャティからバンドンへ戻る途中にあるレンバンはパイナップルで有名なのだ。とにかく甘い。「甘さ蜂蜜の如し」というのがパイナップルの名になってるくらい甘い。
 マムールさんの奥さんはパイナップル剥くのが面倒だから好きじゃないらしい。私はこれを斜めに切り込んでぎざぎざにしてカットするのが大好きなので、今泊めてもらってるササンへの土産に2個購入してバンドンへと帰った。
 マムールさん、今回のガイド、本当にありがとうございました!
by midoriart | 2009-07-01 21:34 | Bandung