Culture & Art Report from INDONESIA


by midoriart

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◇30年ぶりの母校

 今回の一時帰国のタイミングで、なぜかわが母校(中学校)からお呼びがかかった。なんでも今日びの中学校では総合教育なる時間があり、それぞれの学校でユニークな授業を行っているそうだが、わが母校(キリスト教の女子校)では夢多き中学3年生のために、いろんな世界で生きている人を講師として呼び、話を聞かせているらしい。
 正直言って、私はかなりヤンチャだった。校庭で立たされたことも、先生に呼び出されて長いスカート(当時の流行は今とは正反対で超長いスカートだった)を切らされたこともあった。なのになんで私が講師になるのか、まったくわからない。変な卒業生というのは、生徒にとってはそれなりに刺激になるんだろうか。


b0090333_1141576.jpg 打ち合わせのためというか、本当は半分お断りのために、30年ぶりの母校へ行った。いきなり職員室で、今回依頼くださった見ず知らずの先生に会うのが怖くて(ヤンチャなくせに臆病)、昔の担任だったS先生と下駄箱で待ち合わせした。S先生とは今でも一緒に呑む仲なので何も怖くない。

駐車場で車を降り、下駄箱を見たら泣けてきた。
 このとき私は気づいた。学校の思い出というのは、下駄箱に凝縮されているのだ。学校生活で一番短い時間しか関わらない場所だけど、朝ここで靴を換え、授業を終え、下校でまた履き替える。子供の頃、1日の始まりと終わりは、このいくつも並んだ箱から始まったのだ。


b0090333_11412074.jpg 母校は中学からそのまま高校もあり、道路を越えたら向こうが高校。結局12月の講演を引き受けることにし、午前中の授業を終えたS先生を誘って高校へも寄った。懐かしの学食、25年前は4限終了の鐘が鳴るか鳴らないかで、教室からここへダッシュしたもんだ。狙いは中華飯。


b0090333_11412946.jpg 食後、S先生が講演の会場へ案内してくれた。私がいた頃にはなかった新しい建物の中に、会議室なる部屋があり、今度は60人くらいの生徒相手にこの部屋でお話ししなくてはいけない。周囲に子供のいない環境なので、中学3年生の女の子たちってのは、私にとってかなり無縁な人々。いったいどんな話を45分したらいいのか、しばらく考えねば・・・


◇神戸からのお客様

 愛知県美術館での個展も順調に始まり、週末にはたくさんの人が見に来てくれる。
私のを一番に見に来るんじゃなくて、現在やってる『ロートレック展』(大阪と東京のサントリー美術館へも巡回)を見に来る人がたくさんいるのだ。私の個展会場は、この『ロートレック展』後半の、美術館所蔵展展示室の一つで開かれているので、ロートレックを鑑賞した人はそのままこの部屋まで誘導されるしくみになっている。
 25日、3連休最終日の朝、私に電話が入った。
「もしもし~神戸のエノキですけど、今日個展見に行こうかと思って・・・」
なんと!あの榎忠さんからの電話だったのだ。


b0090333_11414830.jpg 美術関係の方々なら知らない人はいない、アノ榎忠さん。そうか、彼は今は豊田市美術館で大きな展覧会『ギュウとチュウ(篠原有司男と榎忠)』を開催中だった(2007.10.2-12.24)。

さらに名古屋市美術館で個展開催中の河口龍夫も関西のアーティストで、忠さんとは親しい。ラッキーな時期に私の個展があったので、忠さんも名古屋まで足を運んだついでに、見に来てくださったのだろう。
 にしても、あの超ハードスケジュールな忠さんが、忘れずに私の個展に来てくださったとは大感動。電話をもらってすぐに美術館へ向かって彼をお出迎えした。

◇4年ぶりの友
 久しぶりに個展をしたおかげで、懐かしい人にも会える。
 私がインドネシア国費留学生としてジョグジャカルタの芸術院に1年通ったその次の年の留学生だったのが奈良出身のカナエさん。淡いパステル調のドローイングが魅力的な作品をつくる。彼女とはジョグジャで2年ほど一緒だった。

b0090333_1142014.jpg その後奈良で高校の先生になり、4年前にジョグジャで別れて以来、メールでのやりとりやこのブログ内でのコメントでコミュニケーションはあったものの、会ったことはなかった。わざわざ彼女は学校の休みを使い、奈良からバスで来てくれたのだった。
だからお互いに冬服着てるのを見るのは初めて。着込んだ彼女を見るのがとっても奇妙なように、彼女もきっと、私のモコモコ姿が可笑しく写ったんじゃなかろうか。


にしても、こういうのもたまに個展する醍醐味かも。
普段はなかなか会えない人とも、これをきっかけに再会できる。ましてや同じ世界の人だと、作品についてのコメントももらえるから勉強になる。忠さんやカナエさん以外にもたくさんの懐かしい人が観に来てくれた。皆さん、どうもありがとうございました!
個展はまだまだ来年1月14日まで続くので、興味のある方には是非観ていただきたいと思う。
by midoriart | 2007-11-29 23:36 | Art
 11月12日、『ロートレック展』の開会式にあわせ、私の個展も始まった。13日からが一般公開。
 ようやくホッとして周辺を見渡す余裕の出た私は、久しぶりの故郷名古屋の中心地、栄をちょっとずつ歩くことにした。

b0090333_225836.jpg 栄といったらテレビ塔。これが栄のまん中、セントラルパークの中心にあるテレビ塔。小さな頃は上ったことがあるけど、今はどんなになっているんだろう。これはちょうど愛知県美術館の出口から見たところ。


b0090333_2254841.jpg そして地元の私もまだあまり馴染みのないオアシス21から見た美術館。
 愛知県美術館はコンサート大ホール、小ホールからミュージアムショップ、図書館、市民のためのギャラリー、そして美術館と、いろんなものが入った建物で、総称は愛知芸術文化センター。県立美術館はここの10階に入っている。


b0090333_2263138.jpg 名古屋市内でもかなり交通量が多いのがこの栄。名古屋駅からは地下鉄で2区。これは車で移動中に栄の交差点から撮った愛知芸術文化センターの外観。


b0090333_22115114.jpg そして10階に上がると、ここにあらためて愛知県美術館のエントランスがある。


b0090333_22123650.jpg 展示室への通路はこんな感じ。ちなみに私の展示は所蔵作品展示室の6。

 一般公開の初日、中学3年生の時の担任、S先生が見に来てくれた。女子校で少々ヤンチャだった私は初任で入ってきたS先生が初めて担任をうけもったクラスにいた。好き勝手やってる私とその仲間には、当時25歳だった先生も振り回されぱなっしだったと思う。

 でも大人になってしまって気づけば、たかが10歳違い、結婚相手とかになってたって(S先生は既婚で大きな子供2人いるからまったく対象外ではあるけど、例え、例え)おかしくない。もちろん今となっては酒だって一緒に呑めるわけで、私がたま~に帰国すると、当時のヤンチャ仲間で集まり、S先生を誘うことがある。

b0090333_22134015.jpg 今回もいつもの「元ヤンチャ仲間」と先生が私の個展会場で合流した。考えてみたら今回10月28日に帰国して以来、初めて呑んだアルコールだった。無事に展覧会も始まり、ホッと安心して、懐かしい仲間と会って呑んだビールはとっても気持ちよく喉を通っていった。
by midoriart | 2007-11-15 22:03 | Art
 個展の作品セッティングには今回3日もらった。2日あれば充分と思っていたのだけれど、まだ時間があるとわかると、ここをもう少し、あそこももう少し・・・と気になるところを触ってしまうから、結局この3日間朝から晩まで会場につめることになった。
 部屋の中だから寒くはないだろうと高をくくっていたのが大間違い。美術館では美術品のコンディションを守るために空調があるわけで、その最適温度は人間のそれとは違う。ましてや私のように極度の寒がりにとって、22℃設定は寒すぎ。背中と腰にはホッカイロを入れ、首のかくれるタートルネックのセーターで臨んだ。

 今日は担当学芸員も入館しないということで、私も1日休んだ。10月28日に帰国して以来、初めて丸1日身体を動かさなかった。老体にとって、身体のメンテナンスは大事な仕事。とにかく休めて回復させることにした。

 12日には『ロートレック展』と共に開会式があり、13日から一般公開が始まる。今日はそのお知らせ。

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愛知県美術館テーマ展 「ロートレック展」同時開催

廣田 緑:交換プロジェクト’07 ~アジアの記憶~


愛知県美術館所蔵作品展内 展示室6
2007年11月13日(火)~2008年1月14日(月・祝)
開館時間 10:00~18:00
※金曜日は20:00まで(入館は閉館30分前まで)




《作家レクチャー&ギャラリートーク》
2007年11月23日(金・祝)
16:00~17:00 愛知芸術文化センター アートスペースE・F
17:00~18:00 愛知芸術文化センター 美術館所蔵作品展 展示室6
※聴講無料、申込不要。直接会場へおこしください。ただし、展示室内へは観覧券が必要です。



休館日 毎週月曜日 年末年始(12月28日~1月3日)
[ただし12/24(月・振)と1/14(月・祝)は開館、12/25(火)は休館]

観覧料 一般500円 高校大学生 300円 小中学生無料

愛知県美術館[愛知芸術文化センター 10階]
地下鉄 東山線・名城線 栄/名鉄瀬戸線栄町下車
オアシス21連絡通路利用徒歩3分
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by midoriart | 2007-11-10 20:09 | Japan
10月28日、無事に日本到着。思ったほど寒くないな・・・と侮ったら、夕方日が暮れてからシンシンと冷えてきた。やっぱり寒い。10度以上の温度差に慣れるのに、いつも私は時間がかかる。その間に歯を食いしばってしまうので、それで全身が凝ってしまう。オマケに今回は個展の準備もあるから、大工仕事も手伝って肩と首が鉄板入れたみたいに固まっている。でもそれもあと少しの辛抱。


b0090333_1743387.jpg 今度の帰国から私の仕事場もキレイになった。小さいながらも自分の城があるのは嬉しい。インドネシアで暮らし始めてからはどんどん作品や材料をため込んでしまって、倉庫と化してしまっていた仕事場を今年思い切って改装、設計は芸大時代の同級生I君がやってくれた。

 狭いけれど天井だけは高くしたい、壁とライトはできるだけ画廊空間に近いもの、この2点だけ譲らず、後はできるだけ安く作ってほしいと、I君を最後まで悩ませた。


b0090333_17431968.jpg 私の留守中は母が毎日大工さんとのやり取りをし、毎日のように写メールで経過を知らせてくれた。そんな遠隔操作で、今回の帰国すこし前に完成した我が城。10年ぶりの日本での個展の準備をこんな気持ちのいい空間でできたことはとにもかくにも両親のおかげ。加えてI君のコンパクトかつ合理的な設計、これにも感謝。

20年前に突然逝った父が私に残してくれたものが、母の数ヶ月の大工さんコントロールのおかげもあって、こんないい形になったことは心から感謝。あっちの世から父も喜んで見ていてくれるだろうか。

 今度の個展ではフィリピンとインドネシアで行った作品の交換プロジェクトを発表する。私の作った小さな「ヒト」のオブジェを千人のフィリピン人と交換したものは《フィリピン編》として、そしてこの9月に東ジャワのブリタルへ行き、日本軍占領時代に日本軍によって指導を受けた経験をもつお爺ちゃん30人を探して交換をお願いしたものは《インドネシア編》として発表する。

b0090333_17434890.jpg これはブリタルで交換してもらった「モノ」の一つ。


b0090333_1744241.jpg こちらはフィリピンのキブガン村で交換してもらった「モノ」の一つ。


 個展は13日から愛知県美術館にて始まる。12日の開会式までにはすべてのセッティングを終えなければならない。さらに当日から希望者に無料で配布するカタログには、会場風景写真も掲載するため、展覧会開催より先にセッティングを終えて撮影する必要がある。

b0090333_1745396.jpg そこで搬入には明日7日から3日間もらった。明日の午後に作品を運び入れてセッティングを始める。今日は早々にすべての作品パーツを梱包して、母の車マーチに積み込んだ。私はいつも会場の空気をまず自分で感じて、そこからすべての作品を置く位置を決定していくので、会場に入ってからが長い。今日は早めに寝て、明日からの肉体労働に備えるとする。
by midoriart | 2007-11-06 17:41 | Japan