Culture & Art Report from INDONESIA


by midoriart

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 この前はじめてキブガンに来たときもそうだった。それまでバギオで風邪引いて「えらい」大変なことになってたのに、緑いっぱいの澄んだ空気を吸ったら、こっちの方がずっとずっと標高高くて寒いはずなのに、やたら元気になるんだよなぁ。。。猿の村(という意味の)キブガンだから、猿好きの私には似合っているんだろうか・・・
「体調のいい悪いってのは、結局自分を取り巻く空気だと思うよ・・・」
と22日以来キブガンに山篭りしていたササンが言う。確かにそうかもしれない。

 バギオの後発隊は今日の午後にキブガンに向かうと言ってるので、半日は交換プロジェクトに時間を使える。野焼きの準備も最初はまずレイ君の工房から乾いたお面を野焼きの舞台となるキブガン・シティホール前の広場に移すなど、こんな老婆には手伝うことのできない準備がいるからだ。今日はまだ今回の個展のパートナー、フィリピンが生んだ世界の映画作家キドラ・タヒミックがキブガン入りしていないので、ドキュメントはマリコさんにお願いして、まずは近場の村の衆狙いで交換プロジェクトを始めた。
 

b0090333_1228526.jpg ちょっと道くだった先にあった牧師夫人とは、彼女の従兄弟の結婚式でもらった引き出物のキーホルダーを交換してくれた。


b0090333_1229546.jpg 昨日の晩飯の材料を買った屋台のオバチャンは木製のシャモジを


b0090333_12291987.jpg マリコさん代表のコーディレラ・グリーンネットワーク(CGN)はコーディレラ地方の山林を守るための植林活動の他にも、田舎の若者に奨学金を出し、農業をしっかり学習させるというプログラムもある。だから今回のような活動(自然環境とアートを結び、環境デーを祝う)があると、その村の奨学生たちも素直に働く。トラックを運転していたのはCGN奨学生のお兄さん。家で使ってたというでっかい竹編みの籠と交換。


b0090333_12293360.jpg お昼はマリコさんがもってきた釜揚げうどんの登場。でもうどんのだしがフィリピーノの皆さんのお口に合うか心配だったので、こちらバージョンでちょい辛めのショウユ味焼きうどんにしてみた。そしたらレイ君もササンも気に入ってくれたのでよかった~。


 レイ君の陶芸工房は私たちが宿舎にしているシティホールから急な坂道をぐんぐん降りたはるか向こうにある。今回ワークショップで100個以上の猿面ができているのはいいけれど、これをいったん梱包して、野焼きのステージとなるシティホールまで持って上がらなくてはいけないから、私のような老体軟弱者ではまったく使い物にならない。

b0090333_12294752.jpg ランチ後、DGNのスタッフやレイ君工房の皆さんが結集して、猿面全部を運んでくれた。さらに野焼きのための松の枝やブロックも準備OK。


b0090333_1230117.jpg 明日の火付け前にもたくさんやらなくちゃいけないことがある。でもここは素人ではなんともわからないので、レイ君とササンがリーダーになって野焼き窯の基礎が作られていく。ここんところ必ず午後からは雨。今日もやっぱり降ってきた。それでも黙々とブロックを積み上げるレイ君とササン。
 彼らを見てると、本当~~~に焼き物が好きな人たちなんだなぁ~~~と思う。寡黙だけど芯の強い人たち。


 さらにもう一つわかったことは、焼き物する人はきっとパン焼きも上手いってこと。実際レイ君はハーブ入りパンやらクロワッサンやら焼くのが好きで、食べた人によればかなり美味いらしい。陶芸といえば、まず菊練り(粘土から空気を抜くためにこねる)、そして窯入れで火の調節をする。つまり、練ることと火のコントロールのプロなんだから、きっとパン焼きに通じるものがあるんだと思う。今回の滞在中に、なんとしても一度レイ君製パンをいただきたいものだ。

 明日は野焼きの日。豚もおろして儀礼が行われる。
by midoriart | 2007-05-31 12:30 | the Philippines
 6月1日の野焼きの日を前に、私とコーディレラ・グリーンネットワークの代表マリコさんとが一足先にキブガン入りすることになった。私には先日のワークショップで作った猿面のコンディション確認以外に、6月5日から始まるVOCASでの個展に備え、まだヒト作品の交換プロジェクトが待っている。今回は展覧会場での設置条件なども考慮し、81個のヒトをフィリピンの人々と交換することに決めていた。今までに交換したヒトは約60個なのであと20個。


b0090333_23405287.jpg 今回もまた長距離バスを利用。マリコさんの3人キッズはまだ夏休み。後発隊のお父さんジープには長男のアラシが乗り、次男のビリッグと長女のキカはママについてくることになった。後はマリコさんのスタッフで私の交換プロジェクトでずっと通訳をしてくれているレネ君も便乗。


 午前6時ほぼぴったりにバスが出発、ノンストップじゃないからどんどん人が乗ってくる。混み込み状態の中、トイレ休憩で停まったタバオ村では1個の交換に成功。思ったより速く12時前にキブガンに到着。



b0090333_2341887.jpg ちょうどそのバスストップに、今回の旅で私が大好きになったハロハロ売りがいた。
「ミドリさん!イロイロあるよ!」(なぜイロイロと呼ぶかは5月26日付『フォークシンガー選挙当選パーティと美術巡り』参照)
とキッズに教えられ、早速キカと一緒に氷をシャクシャクしてマシュマロ入りのハロハロをいただいた。


 先回のワークショップ以降、ずっと電話回線も、もちろんインターネット環境もないキブガンにこもっていたインドネシアから参加の友人ササンは、今日は始めての休みをとってレイ君と一緒に片道3時間以上も歩くホットスプリングまで行ったとのこと。
 じゃあ私たちもヒトの交換しながら、食材でも探しましょうってことで、宿舎になってる市役所を出て村の散策・・・


b0090333_23413415.jpg ったって、店は右左に全部で10件程度。ここで交換をちょっとずつお願いして歩いていたら、こんなディスプレイ方法を発見。お菓子の袋を洗濯バサミでつまんで売る~。

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b0090333_23422117.jpg 今日のメンバーはレイ君ともう一人のドキュメント係、メーベルちゃん。彼女がとってもお料理好きだったので、フィリピン料理を作ってもらった。オクラ、かぼちゃ、インゲン、トマトなどを軽く炒めて、水足してからこちらのスパイス入れて蒸したもの。ムチャ美味。食堂でディナーしてる途中でホットスプリングから戻ったササンに再会してびっくり。もうどこの人?ってくらい真っ黒。インドネシアの中でもササンは色白なほうだったので、健康的に黒くなってちょうどいいかもしれないけど、まるで夏休み明けの小学校のガキ並みに日焼けしてるので驚いた。
 明日はついに野焼きの窯作り。
by midoriart | 2007-05-30 23:38 | the Philippines

b0090333_1544123.jpg 昨日手に入れたジャパン・ナショナル・ヨーヨー・コンテストの賞品ヨーヨーはしめて20個!初級者向きのからかなりプロ仕様なものまで揃っている。強欲に全部自分のものにもできるけど、同じデザインのものがここまであるというのは、きっとTAKA師匠に意図あってのことだと思う。そう、「フィリピンでの伝道」!!!
(キドラッにプレゼントするため選んだ2点)


 今回バギオ滞在で私が居候しているのは、個展のパートナーでもあるキドラッ・タヒミック。フィリピンを代表する映画作家で、日本でも山形ドキュメンタリー映画祭では審査員をつとめるような人。私のヨーヨー好きを知った、国際環境デー主催団体コーディレラ・グリーンネットワーク代表のマリコさんが、
「ミドリさん、これも何かの縁よ!キドラッの映画にヨーヨーをテーマにしたものがあるのよ」
と教えてくれた。

 この『月でヨーヨーを』という彼自作自演の映画は、バギオに着くなりキドラッにお願いして見せてもらった。ヨーヨーはフィリピン人が作り出し、アメリカ兵がそれを真似て作って子供のおもちゃとして流行らせたという説が映画内で紹介される。ま、本当は単純にヨーヨーの話ではなくて、かなり奥の深いストーリーなんだけど。でもいきなり冒頭から
「行っては帰るヨーヨー。ヨーデルと同じ。声を出せば山に跳ね返って戻ってくる。
それじゃあ、月でヨーヨーをしたらどうなるの?同じように戻ってくるの?」
と始まる。なかなかおもしろい作品だった。


b0090333_155373.jpg 朝食の時間に、キドラにプレゼントする2つのヨーヨーを渡した。おじさん大喜びですぐにヨーヨーを始めた。ここまで喜んでもらえるとプレゼントしたかいがある。ヨーヨー監督に私のデザインしたロゴ入りヨーヨーが渡せた。私も嬉しい。


b0090333_1551549.jpg 午前中は展覧会のキャプション作り、アーティストの略歴作りをマリコさんのオフィスでお手伝い。前から気になっていて一度もトライできなかったオフィス隣の屋台で昼食を取った。安くて美味しいからタクシーの運チャン御用達だという。確かに美味しい。



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 ここから歩いて展覧会場のVOCASへ。
 今回の『Where Have All The Monkeys Gone?』のグループ展には陶芸作家のレイ君(キブガン村在住)、ササン(インドネシアのバンドン工科大学美術学部講師)、バギオ在住の若手アーティスト、カワヤン(キドラッの次男)、そして私が参加する。
 レイもササンもキブガンでずっと制作を続けていて、私は作品も見ているので安心なんだけれど、カワヤンはこの展覧会の他にもマニラで12日から3兄弟展を控えているものだから、なかなかこちらに集中できないでいた。


b0090333_156858.jpg けれど今日はエラク張り切って竹のインスタレーションを作っていたので一安心。私はこの前のキブガン村合宿ですでにメディテーション・モンキーを作ってきたので後は6月1日の野焼きの日に焼くだけ。割れないことを祈る。


b0090333_1562162.jpg これはVOCAS内にある唯一のホワイトキューブ空間。まだ完成していないのだけれど、私がキブガンから戻る6月2日までには終わってる予定(お願いだから終わっててほしい)。こちらは私の個展「The back of Affection」の作品がキドラッのドキュメンタリービデオと共に展示される。


 夕方、マリコさんも会場に来てくれた。スタッフと打ち合わせを兼ねていたらしい。それが終わってから、まだ私が行ったことのない展示スペースに連れて行ってもらった。VOCASを出てセッション・ロードを歩いていたら、あった!


b0090333_1563485.jpg  ヨーヨー!
 中国製ではあるけれど、フィリピーノが使うヨーヨーここにあり。さっそく一個購入。


b0090333_1564672.jpg  ここはBliss Caféというギャラリー・レストラン。アメリカ人男性がフィリピーノと結婚してやってるベジタリアン・レストラン。
 日本に4年、インドネシアに4年、ロシアやらにも滞在してたというこのオジサンは仏教徒で、店内には仏様やら曼陀羅やらがディスプレイされていた。私の好きな空間。
 メキシカンセットを注文してマリコさんと記念撮影。

 明日は午前6時のバスでキブガン村へ向かう。今度は4日間の山篭りだ。
by midoriart | 2007-05-29 23:51 | the Philippines
 ようやくフィリピンにヨーヨーが届いた!
 私がロゴをデザインしたジャパン・ナショナル・ヨーヨー・コンテスト2007のオフィシャル・ヨーヨー!(詳細は4月19日付『ヨーヨーづくし』参照)5月中旬に東京で開催されたこのコンテストに、私が参加できるわけもなく、表彰式に出られない代わりに、私のヨーヨーの師匠、世界チャンプのTAKAさんが、わざわざフィリピンまで賞品を送ってくれたのだった。


b0090333_113980.jpg  いろんな種類取り混ぜて、さらにオフィシャルTシャツまで入っている。感動~・・・。初めてTAKA師匠に会ったときにサイン入りでもらったヨーヨーがたっくさん入っていた。これはもう、フィリピンでの伝道に使えという師匠からの無言の命だと思い、早速マリコさんキッズ3人に進呈。


 ちょうど今日は、国際環境デーのイベントを前に、ちょっと休憩の一日にしていた。マリコさんファミリーも今は夏休み。なので平日でも遊びにいける。私が兼ねて行きたかった温泉に今日はみんなで出かける約束をしていたのだ。
 下から7(キカ:女)、9(ビリッグ:男)、10(アラシ:男)歳という構成のマリコさんキッズはみんなムチャクチャ元気がいい。私が今日のこの日を楽しみにしていたように、彼らもかなり楽しみにしていたようだ。さらに朝からヨーヨー1箱を私がGETしたもんだから、彼らも興味津々。
「あんたたち、ヨーヨー発祥の国に生まれたからには、ヨーヨーが上手くなくちゃいかんよ!私が今日は指導する!」
なんてカッコつけて、早速賞品の中から3人がケンカしないように、同じヨーヨーをプレゼント。


b0090333_12225.jpg ところで肝心の温泉。バギオの街から車で山道を登ること30分、タブ村に沸いた温泉に着く。駐車場の向こうに見えるのが温泉&プール。マリコさんのだんなさんアーネルさんはここ数日足が痛くて温泉治療、キッズはその横にあるプールがお目当て。

b0090333_122736.jpg こんな危なっかしい橋を渡っていく。キッズたちは慣れているようで、手すりにも捕まらずにスイスイ歩いていく。


b0090333_124474.jpg これは子供用プール。


b0090333_13151.jpg そして階段を下りると、こっちに温泉コーナーがある。日本のような効能書きがないのが物足りないけれど、匂いはかなり硫黄臭かった。源泉は思ったより熱く、この3つのプールは水を混ぜてあった。今回フィリピンに着いてすぐの数日、風邪と過労でダレていたけれど、あのときにここに来てたらもっと早く回復してたかもなぁ~。

今日は朝からカリカリの晴天だったので、日傘の下で入る温泉は、超寒がりの私にも熱すぎた。でもやっぱり日本人、この匂いと暖かい湯ってのはほっとするもんだ。ローカルはプールに膝までつけてるだけで、肩までとっぷり浸かろうとはしない。その横で私がザブンと全身お湯に浸かったので、一瞬ビビった目で見られた。

それでもマリコさんの話では、最近はバギオに語学留学(タガログじゃなくって英語)してくる韓国人が大好きで、彼らは日本人のようにこの温泉プールにとっぷり浸かってるらしい。あまりに韓国人が多いから、レストランでは激辛ラーメンなんかも売っていった。


b0090333_131862.jpg プールでひとしきり遊んだ後はキッズのヨーヨー・タイム。
7歳のキカにはまだ難しいようだったけれど、上の男の子2人はさすがに手馴れている。アラシはスリーパーを長時間持続、ヨーヨーの音もイイ。さすがフィリピンの小学校行ってるだけあって、私がTAKA師匠から教わった超基本なトリックのほとんどをマスターしている。さらに発音よく英語でトリック名を教えてくれる。

それでも、まだなんとか私のほうが使えるトリックの数が多かったので、ギリギリ彼らの師匠の座を守ることができた。でもアラシが私を抜くのは時間の問題だろう・・・。


プールで遊んだなんて数年ぶりかもしれない。キッズ3人につられて長時間水遊びして、温泉プールでのんびりして、プールサイドでまたもやお気に入りのハロハロを食べて、知らないうちにかなり日焼けまでしてしまった。帰りの車ではキッズと揃って撃沈。
あさってからまたキブガン村の山篭り、明日のうちに個展の準備などなどしなくては。今日は早々に就寝。


 
by midoriart | 2007-05-28 22:09 | the Philippines
 昨年8月にケソンにあるギャラリーで開催された私のフィリピン初の個展「The back of Affection」はその後フィリピン大学内ガレリアⅠを巡回し、来る6月5日からVOCASへ最後の巡回展が始まる。今回の主催者であるコーディレラ・グリーンネットワークの代表マリコさんが、昨年の巡回展を終えてフィリピン大学に保管してあった私の作品を片道5時間以上もかけて取ってきて、オフィスに預かってくれていたので、今朝はこの作品のメインパーツともいえる1000枚の座布団のアイロンかけをした。
 
 お昼からは、マリコさんキッズ3人とデートの約束をしていた。
 バギオ唯一のショッピング・モールSMには映画館、スーパーマーケット、PCショップなど、まぁまぁ何でも揃う店舗が入っている。キドラ親父はこのSMがバギオ市に対して税金を納めていないので、それに怒って絶対行かないと決めてるらしいけれど、私のようなよそ者にとって、一箇所で何でも揃うのはとっても便利。
 さらにこのSMの最上階には、バギオ在住の日本人男性が経営しているラーメン屋さんもある。店主のNさんは、私が去年ケソンのGREEN PAPAYAで個展をしたとき、わざわざオープニングに来てくださったので、今度は私が彼のお店へラーメンを食べに行くことにしたというわけ。


b0090333_1125597.jpg 私がオーダーしたのは味噌コーン・ラーメン。
 この味はジョグジャのSMよりでかいショッピング・モールへ行ったって食べられない。そういえば最後に帰国した今年の正月も、ラーメン屋さんへは行ってないので、この味噌コーンラーメンの味は1年以上も味わってなかったことになる。思い切り感動して平らげた。


 その後はマリコさんキッズ3人と映画。最初は『シュレック3』を観る予定だったのだけれど、お昼食べてたら開演に間に合わなくなってしまった。そこで長男のアラシと上映時間チェックをして、ランチ後にタイミングよく上映が始まる『パイレーツ・オブ・カリビアン』を観ることに。
 私としては、シュレックよりもジョニー・ディップとキース・リチャーズの方がだんぜんイイので内心ラッキー。上映中に2度も映画がブチっと切れて、場内明るくなって、なかなか映画が始まらないってことがあったのに、フィリピーノは怒らずにじっと黙って待ってるから驚いた。インドネシアだったら、とっくにブーイング始まってるのに。


b0090333_11261393.jpg そして映画が終わってからマリコさんと合流し、同じSM内に最近できたコーヒーショップへ。このコーヒーショップは私とササンがバギオに着いた翌日にOPENして、そのOPENと同時にコーディレラ地方をテーマにした美術展が始まっていた。マリコさんに誘われていたのだけれど、私はまだ風邪と疲労でダウンしていて、ササンだけがオープニングに出席していた。


b0090333_11263720.jpg なので私は今日はじめてこの展覧会を見ることができた。昨日タマアワン村のアーティストコミュニティでみたような、虫眼鏡で木を焦がして作った絵画や、民族衣装の男性をモチーフにしたものなど、数点が展示されていた。

 正直なところ、売りたい気持ちが見えすぎてしまって、鑑賞していてもつらい。でも、ここでオーダーしたキャラメル・コーヒー・シェイクはムチャ美味かった。

 さらにその後、キドラから借りた彼の代表作『悪夢の香り』(Perfumed Nightmare、1977年にベルリン国際映画祭で批評家賞受賞)のDVDをPC屋さんでコピーしたり、フィリピン滞在中に使っている携帯電話の度数を足したり、本屋さん回ったりとSM三昧し、ここでマリコさんキッズと別れる。


b0090333_1127511.jpg キドラ宅に戻ると、今日からキドラのお母さんはマニラへ小旅行で留守。キドラもまだ帰ってきていないので、女中さんが私ひとり分のディナーを用意してくれた。SMで飲んだキャラメル・コーヒー・シェイクが結構量あったので、今晩は少し量を減らしめに夕飯をいただいた。


※フィリピンに発つ前にいたずらコメントが続いたため、コメント禁止設定にしていました。
ご心配くださる方もいらっしゃったので、またコメントできる設定に変えました。ご意見いつでも書き込んでください。

by midoriart | 2007-05-27 21:24 | the Philippines
 久しぶりに朝からいい天気。
 キブガン村へ行ってからというもの、やたら調子がよくなった私は、今日も元気にマリコさんキッズがサッカーの練習をしている公園へ出かけた。このバーンハム・パークはバギオの街の中心にある大きな公園で、池もサッカーフィールドもある。キドラ宅も、マリコさんのオフィスもここまで歩いて5分という素晴らしいロケーションなので便利。

b0090333_237213.jpg テクテク公園内を歩いていると、バギオ名物のイチゴジャムを売ってる屋台がたくさん並んでいる。私が目指すのは公園内のソリバオ・レストラン。ここには今回の国際環境デーの企画に関わっているコーディレラ・グリーンネットワーク(CGN)のスタッフも集まっていて、キッズたちがサッカーの練習をしている間、テラスでミーティングするのがこっちに来てからの私の週末の過ごし方になっている。
 

b0090333_2373372.jpg 屋台系に弱い私が今日見つけたのは、朝一番できたての豆腐屋。豆腐ったって醤油で食べるんじゃなくて、甘いデザート。あったかくてやわらかい豆腐に椰子砂糖をかけて食べる。インドネシアでも似たものがあって、ジャカルタに行けば私が探すデザートだ。フィリピンのはタピオカも入っていて美味。
 

 今日のランチはマリコさんのだんなさん、アーネルさんの知人宅に招待されていた。
「今日はパーティに行くから、一緒に行くわよ」
と言われて連れてってもらった先は、なんと先の選挙で市会議員に当選した、アーネルさんのお友達の当選記念パーティだった。彼の兄はもと有名なカントリーソング・ミュージシャン。ミュージシャンのアーネルさんとは旧知の友だそうだ。
 近くまで来ると、すでに道が大渋滞している。
 そして中に入ってみると、豪快に豚料理が並んでいた。バリのバビ・グリン(豚の丸焼き)もなかなか豪快な豚料理だと思うけど、ここのも引けをとらない豪快さ、ってかかなり大雑把。私はさっき豆腐のデザートを食べたばかりだったし、あまりにも豪快な料理に怖気づいてあまり食べられなかった。


b0090333_2374891.jpg これがビュッフェから私がとった料理。ご飯はいらなかったので、その代わりに茹でた芋をもらった。これが甘くてムチャ美味しかった。一般家庭の家とは思えない広さの家の中に、ギュンギュンに人が座って豚料理を食べている。後でアーネルさんに聞いたら、20頭の豚と50羽のチキンをおろしたという。

 フィリピンの人はこういうのに呼ばれると、堂々と箱につめてお持ち帰りするらしいから、招待客X2くらいの量を用意しなくちゃいけないのだろう。地下、1階、庭、2階、2階のベランダに座っている有権者の皆様をざっと数え、さらに絶え間なく出入りしている客を足してみると、おそらく1000人くらいはこの1日にここで豚料理を食べるのだろう。

 私たちが席を見つけた2階のベランダから下を眺めたら、小さな屋台に気になるものを発見。フィリピンのデザートだ。あ~、そういえばこれ、去年も食べたわ。名前はなんだったっけ・・・
 思い出したので、マリコさんの末っ子キカを誘うことにした。
「ね~、キカ、あそこでイロイロ売ってるから食べない?」
すると彼女は一瞬何を言われたのかわからない顔をして、
「ミドリさん・・・、それってハロハロのこと?」
 あ~、そうそう!同じ言葉の繰り返しだってことは覚えてたけど、そうか、イロイロじゃなくてハロハロだった。子供たちに大笑いされ、一緒に買いにいった。


b0090333_238243.jpg これがハロハロ~~~!!! インドネシアのエス・チャンプルだな。でもこっちの方が具が多くて、小倉のような豆も入ってて美味い!もちろん店によっても味は違うんだろうけど、インドネシアのようにムチャクチャ甘くないのが嬉しい。


b0090333_2381622.jpg パーティ会場を出てから、2つの展覧会を見た。一つはタマアワン村のアーティスト・コミュニティー。ここでは木の板に虫眼鏡を当てて焦がしながら絵を描くというテクニックを伝承しているアーティストもいて、こんな作品を展示している。


b0090333_2382946.jpg もう一つはバギオのボタニカル・ガーデン内にある「バギオ・アーツ・ギルド」というアーティスト集団のグループ展。バギオのアーツ・ギルドは日本の美術関係者が調査するほど、80年代には全盛期だったアーティスト集団で、一番はじめにグループを盛り上げていた中心人物の一人が、今私がお世話になっている映画作家のキドラ・タヒミック。


b0090333_238413.jpg その後VOCASへ行き、個展会場でまだ測量してなかった部分や、壁の素材確認など、搬入に向けて詳細をチェックして帰宅。ササンをキブガンへ残してきたので、夜にこの周辺を一人歩きするのは今回初めて。一瞬ではあったけれど、私のいつもの旅(一人旅)の感覚を味わうことができた。VOCASを出てバギオのメインストリート、セッション・ロードを通り、バーンハム・パークを抜けて家路に着いた。


※フィリピンに発つ前にいたずらコメントが続いたため、コメント禁止設定にしていました。
ご心配くださる方もいらっしゃったので、またコメントできる設定に変えました。ご意見いつでも書き込んでください。

by midoriart | 2007-05-26 23:04 | the Philippines
 インドネシアから一緒にフィリピンにやってきたササンはセラミック・アーティスト。今回の国際環境デーのメインイベント、キブガン村での猿面作りと野焼きは、レイ君とササンが指揮って動かすことになっている。私は2日間のワークショップ中に作品を作れば、後は6月1日のファイヤリング(野焼き)の日に作品を焼くだけ。
 なのでイベント後半までの間、いったんバギオに戻り、個展の準備をすることにした。行きに使ったジプニーはすでにバギオに帰ってしまったので、私はアシスタントのレネ君と二人で一日1本したかないバギオ行きのバスに乗ることに。って、このバスは午前5時出発。暗いし寒い。


b0090333_22262151.jpg それでも暗い間は寝ていった。こんな山道のクネクネを行くのに、寝てられるってのはかなりスゴイことだと後でレネ君に笑われた。


 このバスは途中で一度だけトイレ休憩がある。行きにも立ち寄ったタバオ村だ。ここでも交換をしてもらえるように、9体のヒトを持ってきていた。早速バスから降りた人たちを探して交換の交渉に入る。

 村の人たちは、私が行商に来て押し売りしてると思う人がいたり、レネ君の説明を聞いてさっと意味を理解してくれる人がいたり、
「ところで、その交換したいモノってのは何なのさ???」
って、まずは私のもってきた樹脂製のヒトを握ってコンコン叩いてみたりする人がいたりと様々。
 
 最初はわけわからんくて、
「何も交換するもんなんてない・・・」
って言った人も、私が別の人と何か交換してるのを見ると、なんかもったいない感が出てくるのか、たいていは家に戻って何かを探してきてくれる。思ったより早く9体のヒト交換が成立し、まだ交換したいって人まで出てくるくらいだった。


b0090333_22264452.jpg お爺ちゃんはタバオ村で一番最初に交換にノッてくれた。わざわざマッチを買って小銭を作り、10ペソ(約25円)と交換。


b0090333_22265799.jpg この娘は持ってたハンカチをすぐに差し出してくれた。


b0090333_22271573.jpg このバアチャンはトイレ休憩でバスが停まった最初の頃に交換をお願いしたのに、私のヒトを指でカツカツつつくだけで、何とも交換してはくれなかった。でも別の人との交換が進むのを見てたら、気になったんだろう。
「お~~い!これこれ!」
と私を呼んで、化石と交換してくれた。


b0090333_22273041.jpg バス旅での交換も無事に終わり、バギオ市に入ったのは午前10時過ぎ。思ったよりも早い到着。バス・ターミナルでレネ君と食堂に入り、チキン・カレーを注文。この3日キブガンの宿舎で薄味で質素な食事をしていたので、久々にガツッと食べた気分になった。日本のカレーにとっても似た味で美味しかった。

 キドラ宅に戻り、旅でたまった服を洗濯し、一足に先に戻っていたコーディレラ・グリーンネットワークのオフィスへ挨拶。今日は少しゆっくりして、バギオでの個展準備に向けて明日から活動開始するとしよう。
by midoriart | 2007-05-25 22:24 | the Philippines
b0090333_23544524.jpg 1日のワークショップを終え、コーディレラ・グリーンネットワークのご一行様が一足先にバギオへ帰るため、朝早く起きて皆さんをお見送り。行きに乗ってきたジプニーをマリコさんのだんなさんアーネルが運転し、ルーフにはマリコキッズ。


b0090333_23553591.jpg 2日間、久しぶりに学生時代の合宿を思い出すような雰囲気だったのに、見送って残ったのは私とササン、私の交換プロジェクトをアシストしてくれる地元青年レネ君の3人。レネ君はマリコさん主催のコーディレラ・グリーンネットワーク(CGN)のスタッフとして、この村周辺の植林活動などをしているので、このキブガンの市庁舎関係者とも顔見知り。朝食もレネ君がキッチンに入って手伝ってくれた。


b0090333_23554971.jpg そして私とササンはふたたび陶作品の制作にとりかかる。
 これがレイ君の工房から見たキブガンの景色。昔から田舎の緑に囲まれて毎日粘土をいじっていたい・・・と結構老けた夢をもってるササンは、この環境に大喜び。私は私で今日しか残すところ制作の時間がないので朝からかなり気合入れている。
 

 『Where Have All The Monkeys Gone?』展に出品のレイ君、ササン、キドラおやじの次男カワヤン、そして私の4名はそれぞれに猿をテーマに作品を作ることになっている。レイ君は今のところ個人としての作品ではなく、キブガン村で陶工房を主宰する作家として、村の子供と一緒に作った100以上の猿面がひとつの作品といえる。そしてササンは型どりした枝を大量に制作、カワヤンは陶を素材にはせず、会場となるVOCASにジャングルジムのような立体作品を作るといっている。
 そして私は猿。瞑想する猿を作ることに決めて昨日から制作を始めた。


b0090333_2356866.jpg 一番最初に作ったパーツは手。合掌の形を作り、そこから腕、脚、足と作り、最後に瞑想の顔も制作。昨日はまだたくさんのワークショップ参加者がいたから瞑想する顔を精神集中して作ってられなかったけれど、今日は静かなレイ君工房でササンと二人で仕事できたので効率よく制作が進んでよかった。
 午前中は運良く天気も良かったので、作ったパーツを天日で乾かすことも出来た。これなら6月1日に予定している野焼きの日までには、完璧に乾燥してくれるだろう。


b0090333_23562630.jpg 早めに制作が終わったら、また交換プロジェクトに出かけるつもりだったのだけれど、大好きな猿の顔を作ったりしてたらもう午後5時を回っていた。あまりに暗くなると、レイ君工房から宿舎までの山道にはまったく明かりがないので帰れなくなる。制作に集中し始めたら時間を忘れるササンをつついて仕事を切り上げた。
 
by midoriart | 2007-05-24 23:53 | the Philippines
 山岳地帯の澄んだ空気で目を覚ました。というか・・・。キドラのいびきが大きくて眠れなかったぁ~~~・・・。結局昨晩は2つあるベッドを私とキドラが占領、ササンは床にペラペラのマットを敷いて寝るはめになった。

b0090333_2375271.jpg  他のメンバーも早くから起きて、宿舎のテラスからキブガンの静かで平和的な朝焼けの風景を眺めていた。軽く朝食を取り、すぐにレイ君のセラミック工房へ。私とササンは制作に集中できるよう、工房から少し離れた場所に仕事場を用意してもらい、ワークショップ参加者はもともとのレイ君工房で猿面つくりを始めた。


b0090333_238795.jpg にしても上手い。キブガンで暮らしているフツーーの小学生が作ったものとは思えない出来栄え。芸大生だってここまで作れるか怪しいってくらいの完成度。今回バギオから来たコーディレラ・グリーンネットワークの皆さん、マリコさんキッズ、みんなが猿面作りに挑戦。


b0090333_2381729.jpg  ササンはインドネシアから6キロもする枝の石膏型を持参しているので、これで枝を大量に作る。私はキブガン村に来る途中で見た瞑想してるようなゴリラの横顔に惹かれたので、メディテーション・モンキーを全身作ることに決めた。


 今回のバギオでのイベントに、私は二股をかけている。
 一つはコーディレラ・グリーンネットワーク主催の国際環境デー『Where Have All The Monkeys Gone?』でのグループ展、そしてもう一つが去年から2箇所を巡った個展の最終プロジェクト。2006年8月にケソン市のギャラリーとフィリピン大学を巡回した「The back of Affection」展のまとめになる個展も同時に開催される。
 1000体のヒト型オブジェを1000人のフィリピン人と交換し、その交換物を展示するこの個展は、初回Green Papayaで約500体、フィリピン大学内ギャラリア1で約300体の交換を終えていた(インドネシアからフィリピン輸送時に70体近くが破損)。そして今までに残ったヒトを、今回バギオ滞在中にすべて交換し、初回個展から保管してある交換物のすべてを展示する予定。

 過去2回の個展では、ギャラリーに来た人とその場で交換をしていたのだけれど、今回は私が村へ出向き、普段美術とは縁のない暮らしをしている人たちに交換をお願いしている。そのため、すべての交換が終わって交換物のみを展示しても、プロセスを観客に理解してもらうのが難しい。そこで今回は企画の最初の時点から、ドキュメント映像を残そうと考えていた。そしてそれのできるバギオのアーティストといって浮かんだのがキドラッ・タヒミックだったのだ。
 彼がどんな人であるのかは5月15日付『バギオ個展のパートナー:Kidlat Tahimikというオジさん』を参照していただきたい。

 超多忙なアーティスト、キドラおやじは、今回の私のプロジェクトに興味を示してくれ、このキブガン山篭もりにも出発時から同行してくれている。そこで私は今日のワークショップを半日で切り上げ、昼食後の半日は村に入って村人に交換をお願いすることになった。


 キブガンでは、フィリピンの公用語タガログ語も通じない。そこでマリコさんが今回のプロジェクトにはこの村出身の青年レネ君を私のアシスタントとしてつけてくれていた。彼と一緒に村に入り、事情を説明。わけわからん日本人にやってこられて困惑の村人をキドラが撮影する。

 過去の2回は芸大生の観客が多かったので、交換物にはボールペン、学生証コピー、キーホルダーなどが多かったのだけれど、さすがは山岳地帯の田舎、最初のオバチャンは自分ちに生えてるパパイヤの木から、小さな実をとり、それを洗って交換してくれた。


b0090333_2392054.jpg  次に訪ねたのはこんな棚田を下っていった先に一軒ポツンとあった小屋に暮らす86歳のお爺ちゃん。私はお爺ちゃん子だったので、こういうお爺ちゃんに一番弱い。ましてやこのお爺ちゃんが、今ではこんな平和そのものの場所に、昔おおくの日本兵がやってきて戦ったのを見たなんて話をしてくれるものだから、私の本当のお爺ちゃんの姿とダブって涙が出てきた。


b0090333_2394163.jpg そんなお爺ちゃんは、私の差し出したヒトをじっと見つめ、
「何と換えたらええだろうなぁ・・・スプーンもあるけど、一個しかないからあげられんし・・・」
と、収穫して結んだ稲をくれた。86歳になるまでこの棚田で農夫として生きてきたお爺ちゃんが収穫した一掴みの稲は私にはとてもとても貴重な交換物となった。


b0090333_2395695.jpg 今日はこの村で21個のヒトが交換された。こののどかな村に、あのお爺ちゃんの傍らに、私の作ったヒトがこれからもずっといると思うと、なんとも満ち足りた気持ちになった。キドラも実際に交換していく過程を撮影しているうちにかなり楽しくなってきたようで、国際的映画監督の顔になっていた。


 夜はまた合宿のような夕飯タイム。キドラは今日撮りたてのビデオをみんなに披露。おそらく彼は撮れるだけのものを撮って、後から一気に編集するという作品の作り方をするのだろう。だから自分自身、どんなふうに撮れているのかを確かめたかったのだと思う。そして彼も、今日の取材中に拾った、マントヒヒそっくりな石を交換してくれた。

b0090333_232443.jpg  とてもシャイだというキブガンの村人たちとの交換がうまくいくか心配だったけれど、今日の成果はなかなか。撮影も出だしとしてはかなりイイ感じで進んだのでホッとした。これでいったんマリコさんご一行様はバギオへ戻る。私はもう1日残ってグループ展の作品、メディテーション・モンキーを完成させ、市庁舎周辺の人々とのヒト交換を続けることにする。
by midoriart | 2007-05-23 23:06 | the Philippines
 午前6時起床。運良く集合場所になっているマリコさん主催のNGOオフィスはキドラ宅の斜め向かえにある。煙草を吸いにベランダに出たササンがマリコさんの車がくるのをチェックしてくれるので、それまでは家の中で待っていればいい。7時になろうとする頃から雨模様、そしてポツポツ降り出した。
 今日のキブガン行き、メンバーは大所帯。主催のコーディレラ・グリーン・ネットワークのメンバーが5人、そして代表のマリコさんファミリーが5人(だんなさんは運転手、そして3人のキッズ)、ドキュメント担当の男が本来1人のところ、なぜか友達2人も連れてきたために3人。そして私とササン、キドラ。

b0090333_23433536.jpg  フィリピン名物のジプニーに荷物を積み込み、出発したのは最初の予定の午前7時を大きく回った8時。マリコさんのだんなさんのアーネルはキブガンよりもっと北の山奥出身なので、山道の運転には強いらしい。だからだ、私とササンを空港まで迎えに来てくれたときも、
「5時間なんて全然短い」
と言っていた。


b0090333_23435014.jpg  マリコさんキッズに勧められ、途中はジプニーのルーフに席を取ってみた。これがなかなか気持ちイイ。キドラも私たちがはしゃぐのを見て、上ってきた。


バギオの町を抜けてどんどんと田舎道に入り、周囲に緑が多くなってきた辺りから、キドラの映画監督魂がもそもそ動き始めた。彼とアーネルは旧知の仲なので、平気で頼みごとができる。やたらジプニーが停まるなぁ~と思ったら、すでにキドラのカメラが回り始めていた。ここでストップ、あそこでストップってな感じ。
昨日まで体調が優れなかった私なのに、3時間ほど走った後に寄ったタバオ村で煮込み麺を食べて汗をかいたら、いきなり元気が出てきた。みんなの顔もやたらと明るい。自然は根本的に人にパワーを与えてくれるものなんだろうか。


b0090333_23441389.jpg ノリノリのキドラの撮影につきあいながらのドライブなので、最初に思ってた所要時間ははるかに越えてしまったようだけれど、とっても楽しい道中。アーネルが運転しながら、山を指さした。
「あれあれ!アレがキブガンの猿だよ!」
村の中ではサンタクロースとも言われているらしい。
「ふん。何がサンタクロースだよ・・・。アメリカ文化に侵されて・・・」
とキドラがささやいた。
私にはワクワクしているゴリラに見えた。


b0090333_23442861.jpg そしてこれも猿。
空を見つめて瞑想するゴリラのでっかい横顔。


こんな猿だらけの山々を通り抜け、午後3時過ぎにようやくキブガンに到着。小さな小さなシティホールの正面にジプニーを停めると、つい先日の選挙で新しく当選したというキブガンの市長さんが出迎えてくれた。
キブガンにはホテルは一軒もない。今回の陶芸ワークショップのために、市庁舎裏にある宿舎を貸してもらった。2つの大きなベッドを入れた部屋が4つ、ここに今日来たメンバーが寝なければいけない。私とササン、そしてキドラが「アーティスト組」とくくられて一部屋に入った。


b0090333_23444555.jpg そして一息入れたところで、レイ君のもつ陶芸スタジオへ。
キブガンの子供たちと一緒に100個以上の猿のお面を作ったという知らせは、インドネシアを発つ前からもらっていた。でも子供のことだから、せいぜい円形の板に目鼻を粘土でくっつけたような猿面を想像していたら、なんのなんの!芸大の彫刻専攻学生かと思うほどの出来栄えに一同ビックリ。
急に焦り出す私とササン。いったい、我々は何を作ればいいんだ???


今日は着いたばかりで疲れているし、我々は明日から制作に入りましょうってことで、レイ君スタジオを後にした。久しぶりの合宿気分で宿舎に戻り、冷水の修行系水浴びを済ませる。宿舎の1階は市庁舎に勤める人たちの食堂になっていて、夕飯はここでまとめてお願いしてあった。

b0090333_23445957.jpg これが夕食のメニュー。キブガン名物サヨーテ(瓜の一種)とフライドキチン。味は薄め。これでもキブガンの人々が見たら贅沢な食事だというから、山岳地帯の人たちがどれほど質素な暮らしをしているかわかる。


そして食後はキドラの短編映画上映会。20分ほどの映画は、彼が日本の竹寺へイフガオ地方の木彫り職人を連れて行ってトーテンポールを彫ったときの映像や、黒澤映画の映像の一部、フィリピンと日本の棚田の映像などがミックスされたものだった。スピーカーがなかったので台詞が聞こえなかったのが残念。

明日は半日陶芸のワークショップに参加して、午後からは個展の準備、ヒトの交換プロジェクトでここよりもっと山奥に入る。雨が降らないといいんだけれど・・・
by midoriart | 2007-05-22 23:41 | the Philippines