Culture & Art Report from INDONESIA


by midoriart

カテゴリ:Korea( 5 )

 駆け足の韓国旅行も今日で最後。美術展巡りがメインではあったけれど、最後の1日は観光に当てることにした。釜山(プサン)からバスで北へ1時間のところにある慶州(キョンジュ)の世界遺産巡りだ。建築家のI君なので当然寺院建築には興味をもっている。さらにこの人、大学入試の歴史試験で100点満点とったという歴史オタクなので、統一新羅の一言だけでも1日私に歴史の講義ができるくらい。歴史的にも彼にとっては気になる場所だったらしい。私は単純に仏様を見て歩くのが好きなので、それだけでも今日の場所には興味があった。

b0090333_1162370.jpg プサンのバスターミナルから慶州行きに乗って約1時間、今度はここから仏国寺(プルグクサ)行きのバスに乗り換える。バスターミナルに降りるとすぐ、日本語のできるオッちゃんがI君に近づいてきた。彼は年齢よりも若く見えるし、ムチャ人のよさそうな顔しているので、どこにいてもこういう呼び込み系のオッちゃんに捕まりやすいのだ。私は無視してまずはトイレ休憩。出てきても、まだ彼はオッちゃんの話を聞いている。どうやらタクシーの運転手で、我々にバスは大変だから1日一緒に回りましょうって話を勧めているらしい。
「ハイハイ、ありがとう、おじさん。私たちバスで行きますからね~」
と私がさっさと切り上げてターミナル角の観光案内所へ向かった。その途中の道でI君。
「さっきのオッちゃんよー、『アレ?あなたのお母さんはどこイキマシタカ?』って聞いてたぞ」
 以前も彼と東京を歩いていて、親子に間違われたことがある。失礼な。でもこれは私が老けて見えるんじゃなくて、I君があまりにも若く見えるからなんだと思うけど。


b0090333_117818.jpg 今日は市民マラソンがあるらしく、バスは私たちが乗ったものが午前の便の最後だった。危なかった~。これを過ぎると、マラソンが通過し終わる午後1時半までバスは運行されなかったらしい。日曜日の行楽車とかちあって交通渋滞の中、バスはどんどん高度を上げ、景色は日本の秋景色と変わらない。赤や黄色の山の色を見るのは久しぶりなので、これだけでも感動だった。
b0090333_1184098.jpg  そしてバスが着いたのは仏国寺(プルグクサ)。新羅によって三国が統一された751年に建立されたといわれている。当時の建造物のほとんどは文禄・慶長の役で焼失し、1973年に復元された。1995年に世界遺産に登録された寺院なんだけれど、正直言って私は寺院という建造物としても、納められている仏様にしても、今ひとつ感動に欠けた。
 I君はロコツに不満を口に出して
「なんだ~、たいしたことないね~。飛鳥時代の日本にある建造物の方がスゴイよな~」
って言うんだけれど、私はどうもバチが当たりそうでそこまで口には出せなかった。

b0090333_1173674.jpg さらにありがたみがないことには、寺院の外堀でライブなんかやってるグループもいたこと。いくらなんでも寺院の中で歌謡曲はないだろうに。。。と思ったけど、ひょっとしてあの歌は「仏教POP」だったのだろうか・・・。私はとりあえず実家にある父の仏壇への土産に、世界遺産「仏国寺」の線香を買った。

b0090333_118131.jpg そこからシャトルバスに乗り、もっと山奥へ入ると、もう一つの世界遺産、石窟庵(ソックラム)がある。どっちかといったら私はこちらに期待していた。仏国寺で期待を裏切られたI君も
「頼むよ~、せめてこっちはガンバってくれよ~」
といいながら庵への道を歩く。バス停からは約800mの山道を歩くのだ。なんだか今日は1日ハイキング気分だ。

 石窟庵(ソックラム)は統一新羅の信仰の強さを象徴する国宝の中でも最高といわれるものらしい。窟といっても、人工ドームを作り、土をかぶせたものだ。写真撮影は禁止だったけれど、絵葉書を買ったので、それを撮影してここに掲載することにした。ここも正直に言えば、大感動には至らなかった。今回の韓国の旅ではどこでもそうだったけれど、こういった「鑑賞する対象」ってのは、見るときの環境によって随分と印象が変わる。シン・・・と緊張感漂う空気の中でこうしたものに触れていれば、もっと感ずるものもあったかもしれないけれど、行楽の遠足感覚できてるローカル家族が、どこかしこで単に記念撮影してるだけの寺院内にいると、どうも感覚が違っていけない。

 それでも最後の1日、歴史オンチの私もI君の解説付で、かなり日本とは縁のあるこの時代のこの遺産を訪ねることができてラッキーだった。帰りのバスがプサンに着いたのは7時半。バスターミナルはプサン市のはずれにあるため、ここから中心地まで地下鉄で50分。最後の夜は昨日の魚市場ではなく、まだ見ていなかった別の繁華街、西面(ソミョン)へ行ってみた。

 街の雰囲気は昨日歩いた南裏洞(ナムポドン)とそんなに変わらなかった。最後の夜くらいは一杯呑むか・・・なんて言ってたくせに、結局は道に出ている立ち食い屋台で夕飯を済ませ、そのまま街を歩いてホテルに戻った。
 
b0090333_119314.jpg 今回の旅の中で一番お金のかからなかった最後のディナーのメニューは、チジミ1枚、餃子4個(1個はちょっと大きめで中身は春雨。3個は日本の餃子に近いもの)、おでん3本。これはすべて1000ウォン(約130円)。2人でこれだけ食べてしめて390円という晩餐だった。

b0090333_1194282.jpg 早足の韓国旅行、印象的だったのは私のことなのでやっぱり食べ物。インドネシア同様ここも辛いものが多かったけど、美味しかったなぁ~。贅沢なものは何一つ試すことができなかったけれど、屋台の餃子は最高だった。魚市場を試せなかったのはちょっと残念だけれど、私はもともと生は食べられないし、I君いわく
「今、韓国の海のモノなんてやめたほうがいいよ。放射能入りだったら困るからね」
ってことなので、ま、いっか。
 今回帰国したら見たいと思っていた紅葉も、食べたかった焼き栗も、韓国で夢が叶った。日本へ戻ってしばらくすると、ジョグジャでも断食明けの長期休暇が終わり、「こどもプロジェクト」がまた始動する。こちらの報告も随時していこうと思う。
by midoriart | 2006-10-29 23:14 | Korea
 朝から天気良好。道づれのI君は大量に仕事を残してきているために、明け方まで部屋で仕事しているくせに、朝は必ず私より早く起きている。今朝も私が遅れて出発準備できたのが9時。ホテル一階に入っているファミリーマートで朝ごはんの菓子パンと豆乳を購入、目の前にあるプサン駅広場で朝ごはん。今回の韓国旅行残る2日のうち、今日は「アート・デー」としてプサン・ビエンナーレ関係を巡ることにした。

 会場はプサン市の東部にあるプサン広域市美術館、ビーチ沿いにあるプサン・ヨット・センター(水営ヨット競技場)、その他にも特設のパビリオンや海雲台海水浴場も使ってパブリック・アートを展示している。まずは地下鉄でメイン会場のプサン広域市美術館へ。

b0090333_15395.jpg ここでも驚いたことに、入場口にオコチャマがたむろっている。小さなころから美術に親しむってのはとってもイイことだと思うけど、がしかし、自分がゆっくりと美術鑑賞しようって時に、こういう団体とかち合ってしまうと、どうしてもガックリする。今回は見に来た時期が悪かったのか、光州でもプサンでもオコチャマ軍団と一緒になってしまって、これだけが残念だった。
【気に入った作品。ベルリンの作家Simon Starlinの 「House For The Singing Birds」】


b0090333_133723.jpg メイン会場には26カ国から56点の作品が展示されていた。展覧会のテーマは「Everywhere」、我々の暮らす都市生活空間と、政治、経済、環境、教育、文化など社会の中にある葛藤の構図を芸術的に解くことを提案しているとガイドブックに書かれている。美術関係者に限らず、大衆に開かれた祭的な美術の祭典という意味では、いろんな層の人々が来館していて、成功しているんじゃないかなーという印象だった。

b0090333_141240.jpg ビデオ作品が多い中、私が個人的にとても興味を引かれたのはインドのアーティスト・グループOpen Circleの作品で、カバンがそのまま勉強机になるというモノを実際に作り、設備不足のエリアへ支給するという、まさに今私が関わって活動しているジョグジャの「こどもプロジェクト」にも通じるもの。こうしたアーティストの提案と活動がプサン・ビエンナーレという国際美術展で紹介されていたのは、今の私にはとても嬉しいことだった。このアイデアは東にも教えてあげたいものだ。
 

b0090333_162018.jpg すでに時間は午後2時近かったのだけれど、せっかくビーチ近くまで来たのだから、海の見える場所でランチにしようってことで、ガンバって第2会場のあるHaeundae海岸のヨット・センターへ。ビーチ沿いの倉庫の外観は昨年の横浜トリエンナーレ会場を思い出させるものだった。2つの倉庫を使って15カ国から31点の作品が展示されていた。

 さすがに見つかれて、足は痛いし、お腹もすいた。けれどなぜかビーチ沿いにはまったく食事のできそうな場所が見つからない。泣く泣く先へと進み、どうしても空腹に耐えられず、コンビニでアイスの補給。見つけたのは栗アイス!どうしても栗に目がいく。フツーのオコチャマ用のアイス、500ウォン(約65円)のくせに、コイツはすごかった。中にゴロゴロ栗が入ってて全体はミルクっぽいあっさり味。元気が出たので次の会場までたどり着くことができた。
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b0090333_174750.jpg プサン・ビエンナーレはメインの国際展の他にも、市のイベントとしてインテリアデザイン展や、開発を進めているビーチでのパブリックアート展なども開催していた。「海の美術祭:パブリック・ファーニチャー」というのは、公共空間に美術作品を設置し、大衆の意識を高め、ついでに海雲台海水浴場を現代美術が息づく芸術的な街に変貌させるという試みで、12カ国から27点が設置されている。ビーチは思ったよりキレイで、今日は週末だったこともあり、多くの老若男女が思い思いの休日を楽しんでいた。 

b0090333_181475.jpg 私の目を引いたのは、この流しのオッちゃんぺア。気楽~な感じにギターをボロロンしてる姿はカッコよかったし、なんとものどかでよかった。

 大きな展覧会場をいくつも巡り、海岸をえんえんと歩いたので、夕方にはかなり足が疲れた。東京都内を仕事で歩きまくってるI君は疲れを知らないので、私が休憩しようといってもなかなか時間を与えてくれない。同い年にナメられるのも悔しいので私もかなりガンバったけど、やはり彼ほどタフには動けない。そのままホテルに戻らず、気になる市場へ行こうというI君に、いったんホテルに戻って出直すという方法を申請。

b0090333_185369.jpg 夜7時からはI君のプランに私が従った。目指すのは国際市場。活気のあるローカルの溜まり場を見るのが好きなI君が選んだ、プサンでも屋台の多いエリアだ。海が近いだけあり、並んでるものも海産物だらけ。私の大好物、スルメやら海鮮おでんやら、そそられるものがいっぱい。プサン港近くには新鮮な魚をその場で料理してくれる屋台もたっくさん並んでいた。明日は韓国最後の夜。この魚市場まではホテルから地下鉄で2区と近いので、旅のうちあげには、元気があったらここまで来たいね~と話しながら今日はホテルに戻った。
by midoriart | 2006-10-28 23:01 | Korea
 午前5時半起床。外はまだ真っ暗で、窓を開けてもかなり冷えている。07時10分発光州行きに乗るため、地下鉄でヨンサン駅へ向かう。

b0090333_3412296.jpg 今日乗った電車は2004年に開業したKTX(韓国高速鉄道)。昨日チケットを予約したときには、とにかく早く目的地に着くことだけを考えてこのラインを選んだのだけれど、今朝になって道連れのI君がニコニコ顔で私に言った。
「いやぁ~、KTXなんて見たら、アキバの兄ちゃんたち大喜びだろうねぇ~」
 彼に聞いてわかったのだけれど、このKTXはフランスのTGVシステムを導入したもので、鉄道マニアなら必ず知ってるものらしい。座席は2+2の4列でシートもキレイ。ヨンサン(龍山)駅~光州を最速2時間40分で走り、最高速度は300キロ。快適でオンタイムな朝の旅だった(っても、早起きした私はただただ寝てただけ)。

 そうして10時06分、光州駅に到着。
 もともとの予定では、光州で一泊するつもりだったのだけれど、移動時間にガイドブックでプサンを予習していたら、電車で北へ1時間ほど上った慶州には、新羅が三国を統一した時期に建立された仏国寺(ブルグクサ)をはじめ、石窟庵(ソックラム)という石窟寺院もあり、その解説写真にはかなりそそられる。せっかく来て、時間があるのならこの国の歴史文化的な面もぜひ見てみたい。なんとか時間はないものか。


 今日やってきた光州での目的はただ一つ、第6回光州ビエンナーレを見ること。展示館は午後6時に閉まるので、それ以降やることはない。だったら今晩中に移動して、明日の朝1番でプサンで動けるようにした方が時間を有効利用できるだろうってことで、ビエンナーレを見る前にバスターミナルへ行き、光州~プサンのバスチケットを購入しておいた。光州~プサン間の移動は鉄道だと乗換えがあり、さらに早朝1便のみ。駅のインフォメーションでバスを勧められたのだ。

 準備万端に整い、駅のコインロッカーにトランクを預けてようやく旅の目的である国際隔年美術展「光州ビエンナーレ」の会場へ。

b0090333_3422673.jpg 入場料は大人12000ウォン(約1500円)、まぁ日本の美術館の入場料と変わりない。チケット売り場から見るとエントランスの広場は子供の群れ。幼稚園児から小学生、中学生、さらには高校生くらいの大きさまで取りそろって、人だかりになっている。今日はなにか学生たちの遠足日和だったのだろうか、とにかくものすごいことになってて、美術を鑑賞するなんて感じじゃない。もし明日も来られる状況だったなら、日をあらためただろう。

「エライ日に来ちゃったもんだね~・・・」
 ビエンナーレ展示館の奥は広い公園になっていて、そこには光州市立民俗博物館と、現在は建設中の光州市立美術館がある。いくらなんでもこの子供溢れる騒々しい展示館に入る勇気はなく、まずは民俗博物館を見て、子供たちが去るのを待つことにした。気合入れて展覧会見るつもりだった私は、キャーキャー、ワイワイとやかましい中学ボーズたちにクッタリしながら博物館目指して歩いた。公園には、幼稚園児の遠足らしきものもたくさん。この子らの着ているユニフォームとカバンの色を見て、ついつい「こどもプロジェクト」の子供たちを思い出した。やっぱりオレンジって色は子供に似合うのかな~。

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b0090333_3444958.jpg 外の異様な人だかりの割りに、館内は静かだった。資料のまとめ方もなかなかしっかりしていて、見ごたえのある展示。昔からその土地の人が使ってた「モノ」にはイイ味があって私は好きだ。
b0090333_3455290.jpg ついつい私が時間をかけてしまうのが、シャーマンやアニミズムの世界。特に韓国の田舎では、八百万神があって、豚の頭を供えてるあたりは、インドから渡ったヒンドゥー教に土着の精霊信仰をミックスさせたバリ・ヒンドゥー教にも似ていて興味深かった。

b0090333_3461837.jpg お昼は公園内で見つけた休憩所みたいな場所で、地元の爺ちゃん婆ちゃんに混じってランチ。カルビタンはお肉とネギいっぱいのこってりとんこつスープで6,000ウォン(約780円)、韓国ならではの漬物もついてきて美味。天気はいいけどそれなりに寒い公園の食堂で、身体も温まる一品だった。


b0090333_346432.jpg そしてようやくビエンナーレ展示館へ。まだまだ学生服の行列が入り口に溢れていてガックリだけど、もう仕方がない。あきらめて中に入ってビックリしたのは写真撮影がOKなこと。フラッシュや三脚はダメだけど、後はOK。美術展にしては珍しくないか?これは私にとってはありがたいことだけれど、こうした「なんでもOK」な空気は他にも言えてて、ガキらが大声で笑い合ってても、でっかい音で携帯電話の呼び出し音が鳴っても、小学生たちが走り回っても、係員は何も言わない。ここまでくると、真剣に見たい人間にとってはちょっとつらい。

b0090333_3474852.jpg さらに、前にも、後ろにも、展覧会ガイド付ツアーがいて、大人たちの大人数グループがぞろぞろ一緒になって回ってて、マイク使って話してるガイドの声もでかい。作品鑑賞に集中できないし、彼らの動きに合わせて彼らのいないところ、いないところを狙って見ていかなくちゃならないのは結構大変なことだった。もう一つ気になったのは作品設置。おそらく美術鑑賞のマナーがよろしくないからなんだろうけれど、繊細な作品をチェーンで囲ってしまったり、作品の真正面に「触るな」のデカいプレート立てたり、主催者自ら作品の足引っ張ってるみたいなのが気になった。
【大賞をとったMichael Jooの「Bodhi Obfuscatus」】


b0090333_349515.jpg 2時間ほどかけてすべての作品を見終わり、会場を出るとようやくガキ集団は少なくなっていた。夕方4時の寒い空気の中、エントランスの広場では若いお姉ちゃんの演奏グループが肩出してライブを始めた。道連れのI君も、地元の青年たちも大喜び。私はただただ、娘さんたちが風邪引かないか、それだけが心配だった。

b0090333_3503746.jpg 予定より早くに会場を離れ、バスターミナルに戻った。バスの出発までにメールのチェックをしようとインターネットサービスを探したら、ターミナルの隅っこに5~6台のPC発見。500ウォン(約65円)で15分使える。今日は多分週末だからか、徴兵の若者たちがたくさんいてネットサーフィンを楽しんでいた。そして午後6時40分発プサン行きの高速バスに乗り、10時20分プサン着。バスターミナルから地下鉄でプサン(鉄道)駅まで出て、駅前でホテルを探してチェックイン。

 今日からここで3泊することになる。ソウルの宿より安い(48000ウォン=約6200円)のに、部屋はムチャ豪華でバスタブ付!ツインベッドの一つはダブルサイズ。私はジャンケンに勝ったので広いベッドを得ることができた。そして部屋にはインターネットのできるPC付で日本語もOK。もう一つ言えば、本来は土曜のみ料金が52000ウォンにUPするところ、私が値切ったために3泊とも同じ料金にしてくれた。すべてに感動、やるなプサン!!!明日あさってはとっても簡単に旅の報告が部屋からできる。後は残り2日間、天気に恵まれることを祈るばかりだ。
by midoriart | 2006-10-27 23:58 | Korea

ソウルの画廊巡り

 今回の韓国旅行はかなりの早足旅行だ。ざっとの行程は
26日ソウル(ソウル泊)
27日ソウル→光州(広州泊)
28日光州→プサン(プサン泊)
29日プサン(プサン泊)
30日プサン→成田
 長距離を移動するので、それだけでもかなり時間がかかる。
 明日の広州行きを電車にするかバスにするか悩んだ結果、時間を優先して3時間弱の電車を使うことにした。バスだと4時間ちかい道のり。インドネシアの交通手段に慣れた私はそれでも問題ないけれど、今回ばかりは時間優先しないともったいない。

b0090333_22565198.jpg 朝になって焦るよりも先にチケットのチェックをするために、朝1番でソウル駅へ。2003年末に新しく建てられた駅舎はガラス張りででっかくてキレイ。昔の赤煉瓦駅舎もそのまま隣に残っていた。光州へ行くにはこのソウル駅ではなく、ヨンサン(龍山)駅からだと言われてガックリしたけど、チケットはここで発券してくれた。


 そしてその後、たった1日のソウル観光へ。
 私には、名古屋で「おとうさん」と呼ぶ恩人がいる。過去に光州ビエンナーレ日本代表作家として出品した経験のあるK氏だ。このアーティスト夫妻(奥様はテキスタイルアーティスト)は何度か韓国を訪れているので、出発前にオススメの場所などを聞いておいた。もちろんたった1日なので、すべてを見切れるはずはないのだけれど、ギャラリーや骨董品の集中しているインサドン(仁寺洞)には行きたかった。

 そしてもうひとつ、私には見たい場所があった。大学時代に私がアルバイトしていたデザイン事務所の友達、韓(ハン)さんの画廊だ。韓さんは当時、名古屋大学に留学しているだんなさんについて名古屋で暮らしていた。自分はソウルの女子大で彫刻を学んでいたのだけれど、日本にいる間は「留学生の妻」としてアルバイトしているだけだった。がしかし、タフで野心家の彼女は、韓国に戻ってからというもの、日本暮らしで身につけた日本語と日本人アーティストのリンクを使って、日本人アーティストを韓国へ呼んだり、韓国のアーティストを日本へ送ったりと、積極的に日韓の美術交流を図っている。
 彼女と最後に会ったのはまぁそんな昔ではなく、昨年愛知万博があったときに同じ企画に関わっていたために会うことができた。といってもお互いに仕事で行ってたので、ゆっくり話すこともできなかったけれど・・・。その彼女には日本から電話してソウルへ行くことを伝えてあったので、約束どおり今日画廊巡りの後で彼女のオフィスを訪ねたのだった。

b0090333_22574366.jpg これは彼女のオフィス。ソウルの中心も中心にあるでっかい商業ビルの6階に2LDKのコギレイな部屋を買い、ここを現在のオフィスにしているという。名古屋のちっちゃなデザイン事務所でバイトしてた彼女は、韓国では女性としては唯一の博士(美術分野で)、資料には「韓美愛博士」なんて出てるので字的にスゴイ人に見える。そんな彼女にインサドンのオススメ画廊案内をしてもらった。

b0090333_2258246.jpg 今日見た中でおもしろかったのは、彼女の教え子Kwon Teak-Joongの個展「The Story with Out The Sun」。韓国では美術専攻の大学院生は論文と作品を提出してようやくすべてのプログラムが修了する。個展の際にはカタログも作成しなくてはいけないし、インサドンの目抜き通りの画廊ったら、レンタルするだけでも相当な費用がかかる。それをすべてクリアして大学を出ることができるってことは、かなりリッチじゃないとアートなんてやってられないってことだ。彼はこの後、イギリスへ留学して勉強を続けたいと話してくれた。


b0090333_22582550.jpg インサドンには画廊の他にも洒落たブティックとか喫茶店、レストランがいっぱい並んでいる。売り絵しか扱ってないような画廊から、ビデオや写真の分野を積極的に扱おうとする若い画廊までいろいろあっておもしろかった。

b0090333_22584320.jpg 相変わらず、どこの国へ行っても甘モノが気になる私は、すぐにこんな看板を発見してしまう。けれども道づれのI君はまったく興味を示さないので、素通り。逆に言えば、彼と来ててよかった。同じ甘党とだったら、気になるもの全部試して体重2~3キロ増やして帰ることになってただろう。

b0090333_2259316.jpg こちらはそんなに味としてそそられないけれど、視覚的にかなり魅力的だった飴。日本でも昔ってこんなのあったな~と思いながらパチの一枚。


b0090333_22592510.jpg 韓さんと別れた後、道づれと言ったのはホテル近くの屋台村。この活気とほんの少しの怪しさはインドネシアにも通じるものがある。ただ、私には寒い。シンシンと底から冷えてくる。昨日の夜も0時半にようやくホテルを見つけ、その後で今日の予定の相談なんかしてて、寝たのは午前3時過ぎだったので今日は眠い。早々に切り上げてホテルに戻った。明日は午前7時10分の電車で光州へ移動する。

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 話は変わるけれど、私の帰国を知った「こどもプロジェクト」メンバーの皆さんから、会う時間がないかと何通も問い合わせのメールをいただいている。けれども、その件数が多いことと、私自身のスケジュールがあまりにもタイトであることから、今回はそうした時間の余裕はまったくないことをここでお知らせしておきたい。すべて面識のない方々で、この人には会ったのに、この人には会わないってことが出てきてしまうので、だったら最初から全員と会わない方が公平だと思う。
 なので、メールをくださった方へお一人お一人お返事できないけれども、この韓国でのスケジュール、その後の東京と名古屋でのスケジュールをご理解いただき、お目にかかれない失礼をお許し願いたい。
by midoriart | 2006-10-26 22:55 | Korea

20年ぶりの韓国

 5ヶ月ぶりにコッキン(国際緊急援助隊)自衛隊の方と防衛庁で再会を果たした後、いま私は韓国のソウルにいる。

 今回の一時帰国の大きな目的の一つは、実は韓国だったのだ。インドネシアからあまりメジャーではない韓国へのルートを探るよりも、帰国しておいてから日本⇔韓国を飛ぶほうが楽だ。5月末に大地震がジョグジャを襲ってからというもの、インドネシアの美術界は「この時期になんでアートなんだ」的な風潮になり、展覧会も自制気味だった。私自身、なかなかスタジオでゆっくり構える時間もなく今まで過ごしてきた。帰国しているわずかな間に、少しでも美術に触れる何かがしたかった。

 オリンピック、ワールドカップでどんどん上り調子の韓国では、今年大きな国際隔年展(ビエンナーレ)が2都市で開催中。それが光州(クワンジュ)と釜山(プサン)だ。帰国に合わせて日本から格安航空券を購入し、この展覧会を見る、これが一時帰国の目的でもあった。たまには大きな国際展を実際に見て、自分のいる世界に触れたかった。ある意味で刺激が欲しかった。
 地震前にマックのノートPCを買うつもりで貯めておいたお金は、この旅行と交換することにしたのだった。

b0090333_22275310.jpg 25日午後6時45分成田発ノースウェスト便でソウルを目指す。その前に成田空港でまず感動の一品を発見!今度の帰国でインドネシアにいるときからずっと頭にあったのは「日本は栗と桃の季節」ってことだった。搭乗待ちのマクドナルドには、なんと「マロンパイ」が!それも100円メニュー!早速手に入れてかなり満足。


b0090333_22281944.jpg 成田→ソウルのフライトは短時間だし、時差もないので、到着してもあまり外国に来た実感はない。けれど、この新しい空港の広さは、どんどん進む韓国をそのまま象徴しているようだった。
 今回旅の同行者は芸大時代の同級生。彼とは学部も部活(サッカー部)でも同じで、卒業後もつきあいがある。一緒に旅するのは初めてだけれど、互いに相手を異性だと思っていない仲なので動きやすい。という今だって、彼は部屋で日本から持ち込んできた仕事をしているし、私は安宿の狭いビジネスセンター(っても一台のPCがあってネットもできる部屋)でこのレポートを作っている。

 私がネットで予約したのは3級ホテルのオンドル(床暖房)部屋で一泊4,500円。予約表に住所もあるものだと思いこんでいた私は、空港に着いて驚いた。それには電話番号しかなかったのだ。「二人でいるんだからなんとかなるだろう、韓国だったらそんなに治安が悪いわけでもないし」と、まずは空港からリムジンバスを使い、「市役所近く」という両者のおぼろげな記憶だけを頼りに街の中心までたどり着き、コンビニを探してテレカを購入。ホテルに電話してどのあたりに行ったらいいのか聞くのだけれど、なんせ英語が通じない。それでもようやくホテルの場所を聞き出し、タクシーの運転手に目的地を告げた。やっとのことでホテルに着いたときには午前0時半を過ぎていた。

 荷物を部屋に入れ、少し落ち着いたところでコンビニへ。
 私は久しぶりに日本に帰った時でも、まず行くのがコンビニだ。入ったら1時間くらいは品物を見ている。どんなドリンク、スナック、デザートが新しく出たか、お菓子のパッケージや味などから、今の流行をざっと把握することができるからだ。外国でも同じで、まずは一般大衆の好みや物価をコンビニから学ぶことにしている。

b0090333_22284880.jpg ソウル市中のコンビニは、ぱっと目日本とほぼ同じ。こんな17種のお茶をミックスさせたものもあって美味しい。

b0090333_2229559.jpg こっちは「ザクロジュース」、「美」なんて文字があるとついつい気になる。これはホントに美味しかった。昨晩買って気に入り、今日も同じ物探して飲んだ。

b0090333_22292429.jpg 売ってる本の種類はこんな感じ。

 ビタミンC補給のために買った100%オレンジジュースを、ホテルに戻って開けた。
が、しかし。ふたを開けるとその裏が真っ黒のカビ。賞味期限は今日、10月25日の午前0時。そりゃ24時間遅れてはいるけれど、にしてもいきなり黒カビか?
 もう一度外に出ていくのは面倒だし、でも疲れた身体はオレンジジュースを欲しているし、どうしようか数分悩んだ結果、お互いに
「ここまで来て、黒カビのオレンジジュース飲んで旅を無駄にするのはバカらしい」
ってことでまるまる捨てた。かなり悔しいけど、黒カビはちょっと怖い。
明日から短期間で長距離移動の旅が始まる。
by midoriart | 2006-10-25 22:26 | Korea