Culture & Art Report from INDONESIA


by midoriart

9月13日◇バンドン3泊2日:まとめ「2つのギャラリー」

 今回のバンドン旅行で見てきた2つのギャラリー。一つは今回10周年記念展を開催した、バンドンの重鎮彫刻家スナルヨ氏のミュージアム、スラサール・スナルヨ(Selasar Sunaryo)、そしてもう一つはバンドン工科大学内にあるスマルジャ・ギャラリー(Soemardja Gallery)。
これらはバンドンにあるギャラリーの中でも、もっとも活動的かつ定期的に企画展を開催しているギャラリーといえる。財力から言えばはるかにスナルヨさんとことが勝るけれど、スマルジャは国立大学のもつギャラリーとして、教育的、文化的に意味のある展覧会も多く開催している。

SELASAR SUNARYO
10周年記念展のオープニングでは、あまりに人が多くてゆっくり展示作品を見ることができなかったので、翌日に撮影を兼ねて訪ねてみた。最近の絵画作品バブルの波はインドネシアにも入ってきてて、展覧会が始まれば翌日には購入目的の成金たちがたくさんやってくる。

b0090333_14382099.jpg スナルヨさんところに新しく増設された展示スペース「バレ・トンゴ(Bale Tonggoh)」は開放的なスペース。作品を作って見せる者としてこのスペースを見ると、なかなか魅力的ではあるけれど、インドネシアの気候を考えると、雨季のときって使いにくいだろうな・・・

b0090333_1439989.jpg スラサール・スナルヨのいくつかある展示館の中で、私の好きなスペースはここ。自然光がたくさん入って気持ちいい。今回はジョグジャのアーティストグループ、ジュンデラ(Jendela)の5人がここで作品を展示していた。


b0090333_14394626.jpgSOEMARDJA GALLERY
スラサールでスゴイのは、こんな洒落たカフェがあること。ここのオックステールスープや、アイスコーヒーにはたくさんのファンがいる。大きな木の木陰で美術鑑賞の合間の時間を過ごす。こんな贅沢な時間と空間があるって、インドネシアじゃ~めったにない。ここでイイ展覧会見て、山の空気吸って、ちょっと美味しい飯と茶してゆったりするためだけでも、8時間の夜行電車でバンドンに行ってもいいって思うくらい。


b0090333_14402047.jpgSOEMARDJA GALLERY
今回キュレーターから個展企画をもちかけられたのがバンドン工科大学内スマルジャギャラリー(Soemardja Gallery)。以前は構内にしかエントランスがなく、外部の人たちからは少々敬遠され気味だったギャラリーが、最近になって改装し、外からダイレクトにギャラリーへ入れるようエントランスを外に作っていた。たしかに、これだったら外部の人たちにもわかりやすい。なんたってガネーシャ通りから大学に入ったら真正面に入り口が見えてくる感じだもの。


b0090333_1441171.jpg オランダ植民地時代に、オランダによって創設されたバンドン工科大では、せべての建物がバタくさい。このギャラリーがきれいなキューブじゃないのも、建物自体が円柱だから。かといって美しく八角形とか九角形とかになってるわけでもないから、普段まず会場のサイズを測ってから作品の展示を考える私にとっては少々ツライ空間ではある。


b0090333_14415178.jpg これは2階から見た空間。とり様によっちゃあおもしろい空間ではある。私はここ数年続けている交換プロジェクトの作品は、教育施設に近い場所で展示をしたいと思っていた。特に今計画中のプロジェクトは、バリ島に生存している日本軍占領時の、当時の記憶をまだもっているお年寄りとの作品交換。
こうしたインドネシアの歴史とも関わり深い作品なので、そういう意味を一緒に感じて考えてくれる世代の人たち、考えてくれる可能性のある人たちに是非見てほしかった。だから今回バンドンへ行って、偶然にもキュレーターから個展に誘われて本当にラッキーだった。


いまインドネシアでは90%以上といわれるイスラム教徒の皆さんが断食中。10月1日に断食明けして彼らにとっての新年が始まる。この時期は帰省ラッシュも激しく、宗教的には関係のない中華系の金持ちたちは長期休暇に便乗してバリ島などへ家族旅行する。まさに日本で言うところの「盆暮れが一度に来た」感がある。
なのでこの時期私のような一人身はジョグジャにポツンと残っていると結構寂しい思いをする。だから今回はこの断食明け休暇を使って私はバリ島へ帰省(?)して、スマルジャギャラリーで展示するための新たな交換プロジェクトをバリで実行してこようってわけだ。どんなお爺ちゃん、お婆ちゃんと出会えるか、今から楽しみ。
by midoriart | 2008-09-13 14:36 | Bandung