Culture & Art Report from INDONESIA


by midoriart

7月23日◇「交換プロジェクト:アジアの記憶」日本編START

 2005年にフィリピンを初めて訪ね、第二次世界大戦に日本軍が何をしてきたかを見てから始まった私の「交換プロジェクト」は、2005~2007年にフィリピンで、そして2007年にインドネシアで行われ、フィリピンでは1000人の人と、私の小さなヒト型の作品を交換した。
 そして東ジャワのブリタル市では、日本軍が作ったインドネシアの兵隊グループ、「PETA(祖国防衛義勇軍)」の生き残り兵士30人とヒトを交換した。


b0090333_223975.jpg これらの交換プロジェクトの成果は、愛知県美術館において昨年11月から今年1月にかけて「廣田緑 交換プロジェクト ~アジアの記憶~」として個展形式で日本の皆さんに見ていただく機会を得た。


 今回、日本に帰っている間にやりたかったのが、日本の人々との「交換」だった。帰ってきてから、どうやって戦争体験世代の人々と交換をしたらいいのか、一人でいろいろ考えては、図書館で開催された『戦争の体験を語り告ごう展』に行ってみたりしたのだけれど、過去2カ国の交換よりも難しいことがわかった。
 日本滞在の日数も減っていく中、思い浮かんだのが、この展覧会を企画してくださった愛知県美術館学芸課長のTさん。美術館には友の会というメンバーシップがあり、美術に興味をもった方々が登録している。私が個展を開いたときも、友の会主催でアーティストトークを企画していただいたりもした。


b0090333_22392996.jpg「友の会の皆さんの協力を得て、作品の交換をすることは可能なんでしょうか?」
という私の問いを、Tさんが友の会理事会へ通してくださった。そしてラッキーなことに答はOK!
メンバーの方々であれば、2ヶ月の会期だった私の個展を見てくれている人もいるだろうし、美術活動のひとつとして、作品交換という形があることも理解しやすいだろう。

b0090333_22394499.jpg そして23日、ちょうど美術館に数人の友の会メンバーがボランティアでいらっしゃるというので、さっそく「ヒト」を持参した。今日いらした中には戦争の後に生まれた方もいらしたけれど、Tさんから話を聞いて、すでに交換できる私物をもってきてくださった方が数人。


b0090333_22395898.jpg 一人目となった名古屋のアーティスト、安藤日出彦さんについで、今日は6名の女性が交換に協力してくださった。女学校時代に鉄砲の先にナイフをつける作業をさせられていた方、お父様が勲章をもらった思い出があるという方、焼け跡の悲惨な光景が今もはっきり頭に残っていると話す方など、友の会の仕事場が、ひととき戦争の思い出話で盛り上がった。

b0090333_224017100.jpg 終戦記念日が近づいてきた。実際に体験した話をハッキリと語れる方々が今年は何人いるのだろう。風化させずに残すにはどういう方法があるのだろう。いろいろ考えさせられる。友の会では私のこの「交換プロジェクト」についての協力願いを、メンバー350名に送る会報に同封して送ってくださることを承諾してくれた。
友の会へ話をしてくださったT学芸課長、美術館ロビーでの交換を許可してくださったMさん、そして気さくに受け入れてくださった友の会の皆様、どうもありがとうございました!8月8日の交換会、楽しみにしています!
by midoriart | 2008-07-23 22:38 | Art