Culture & Art Report from INDONESIA


by midoriart

5月20日◇展示が終わってからの特別賞

今年はインドネシア復興100周年。これにちなんでいろいろな行事が開かれる中、ジョグジャカルタ特別州立ジョグジャ・ギャラリーでは『復興100年記念展:SETELAH 20 MEI』が20日から始まった。復興をテーマに作品募集があり、応募作品520作から4名のキュレーターチームにより1次と2次の審査を通過し、会場で展示された作品は67作品だった。


b0090333_1956758.jpg インドネシアの復興100年をテーマに、なぜ日本人の私の作品が入ったかというと、そこは話が少し昔に戻るので昨年愛知県立美術館で開催された私の個展、『交換プロジェクト’07~アジアの記憶~』記事を参照されたし。

b0090333_1956387.jpg 無事に審査を通過して、ようやくインドネシアのお爺ちゃんと交換したプロジェクトを、インドネシアの若者に見せるチャンスを得た。日本で発表したときはフィリピンでのプロジェクトと一緒で、ドキュメントビデオもフィリピン編とインドネシア編2本あったため、インドネシアの交換ドキュメント・ビデオは8分と短かく編集した。けれど今回は日本語字幕をつける必要もなく、東ジャワのブリタルで行ったプロジェクト一つを集中してみせることができる。4本あった60分のミニDVテープをすべてチェックして自分で編集し直した。それでもあまり長くては飽きられるので13分。


そしてようやく20日の開会式となった。私の好きな昔の大統領グスドゥールが公式に展覧会を開けるというので、いつもならダラダラと会場に出向く私がちゃんと時間どおりにギャラリーに向かった。そして人だかりのしている舞台の方へむかうと、ちょうど今展のキュレーターが舞台で挨拶を始めたところだった。
「では今から、今展の優秀賞の発表をしていきたいと思います」
あ、そうか。今回は形としてはコンペだから順番つけたりもしているんだ・・・。
「優秀作品となった5点には、一番、二番という順序はありません。名前と作品タイトルを紹介します」
そういって舞台に呼ばれていく人には、ジャカルタの作家、ソロ、バンドンなどジョグジャじゃないアーティストもいた。意外にも広い範囲から応募があったんだな。この展覧会。。。
「そして今回、すべての展示を終えたところで、どうしても優秀賞を足したいというキュレーターの希望があり、新たに2作品の特別賞を作りました。ではまず一人、ビデオインスタレーションのMIDORI  HIROTA・・・」


b0090333_19571952.jpg まさかインドネシアの復興をテーマにした展覧会で日本人がこうしたものの候補になるとは真剣に想像していなかったので驚いた。ってか、展示を完了させてみないことには、私の作品がどうなるのか、よくわかってなかったんか?キュレーター???

b0090333_19574110.jpg  とまれ、先の5人に混じり表彰されることに。これが私の好きなグスドゥールからだったら、腕でも組んで記念撮影したいところだが、ハードスケジュールのお爺チャマはなんと不参加で、代理の知らない爺さんが来てた。だからこの写真の白髪は元大統領のグスドゥールじゃないで~す。

 インドネシアではこういう美術展の開会式によ~くキャンバスが登場する。日本ならテープカットになるところ、こっちじゃキャンバスに関係作家が絵を描くってのが一般的(最近ではいろいろ新しい開幕の仕方も出てきたけど)。そこで優秀賞5名、特別賞2名の7名が共同で一枚のキャンバスに絵を描くこととなった。

b0090333_19575555.jpg こんなとき、もし絵筆もったことのない彫刻家が選ばれてたらどうしたんだろう?私もここんところあまり筆もって制作したことはなかったけれど、久しぶりに簡単なドローイングをする。今回出品したインスタレーション作品にも使われているヒト型のオブジェと同じ「祈るヒト」を描いた。


 開会式はとんでもない人が集まり、会場は入場制限までした。私はここまでたくさんの人が来て、目の届かないところで交換した繊細な展示品が破損したり消えたりしないかビクビクだったけれど、とりあえず無事だった。インドネシアの若い世代が、戦時中日本軍に抵抗したインドネシアの青年将校たちの歴史と、生の声を真剣に聞いてくれてるのがとても嬉しかった。
by midoriart | 2008-05-20 19:53 | Art