Culture & Art Report from INDONESIA


by midoriart

4月24日◆参加作家決定「POPSCAPE : Everyday in Indonesia」

 さすがフィリピンで「キュレーター界の重鎮、あるいは神」といわれるパトリックだけある。私とササンがリサーチして資料収集した結果を昨晩送ったところ、すでに今朝になって、答が返ってきた。彼が最初に大雑把に私に伝えていた展覧会のテーマ「Everyday Life and Popular Culture」は、最終的にパトリックによって「POPSCAPE」という主題になった。
 けして大量ではないにしろ、私とササンなりにパトリックの意図するところを理解し、探してきた若手アーティストの作品は、彼にもぴったりくるところがあったようで、
「ミドリとササンのセレクションは素晴らしいよ」
とお褒めの言葉もいただいたのでホッとした。
 
 最終的に選考されたアーティストは、ジョグジャから1名、バンドンから4名、うち女性3名男性2名となった。私は内心、自分が抱えてもってく作品が少なくてすんだってこともホッとしている。4名分の作品は、バンドン在住のササンの手荷物となる。よろしく、ササン!


b0090333_19251330.jpg ジョグジャからは1980年生まれのウェダール・リアディ(Whedar Riyadi)。ちょっぴり奈良美智風なところもある、ヒネた子供のドローイングや、ハードロックやパンクなど音楽からの影響を思わせるインク画などを紹介する。



b0090333_19255428.jpg バンドンで私が一番最初っから持っていこうと決めていたのが1979年生まれ、バンドン工科大学美術学部彫刻科出身の女性プリラ・タニア(Prilla Tania)。見た目にはトムボーイな彼女だけれど、作品はとても女性的(本人はそれを意識して作ってはいないところが興味深い)、今回は過去ジョグジャのギャラリーで発表したことのある作品をセレクト。

 これは3メートルの黒い布に、左から恐竜、原始人、兵士・・・宇宙飛行士、コミックのキャラ、エイリアン・・・と、歴史が左から右へと流れていくもので、それらのシルエットを彼女自身が白い糸で縫った作品。静かに迫力のある作品だと思う。


b0090333_19263077.jpg プリラの一つ後輩にあたる女性アーティスト、デウィ・アディティア(Dewi Aditia)。彼女の作品はけっこう昔から商業画廊の展覧会カタログで見ているのだけれど、昨年ジャカルタで開催されたジャカルタ・ビエンナーレに出品した作品が特に私の記憶に残った。


b0090333_19265378.jpg 日本でもよく見かけるパーティやキャンプ用のプラスティック皿、これを引っかいて作ったドローイング・シリーズを壁いっぱいに展示したもの。一つ一つには彼女のその日の思いが絵日記のように描かれている。シンプルだけれど生活臭のある、人間くさいのに都会的に洗練された作風が私は気に入っている。


 今回彼女の新作までを見せてもらい、チーフ・キュレーターであるパトリックにも全部の資料を送った中で、彼はこの皿の作品を選考。3種類の大きさでトータル70枚ほどある作品をもっていくことになった。運び屋ササン、ご苦労様です・・・



b0090333_19272368.jpg 今回のバンドン行きで発掘した大当たり(だと私は思っている)の新人がOQ。フルネームはリッキ・レサ(Rizki Resa)なのに、どこを取って「OQ(オーキー)」と名乗ってるのかは謎。彼は芸術関係の大学ではなく、バンドンの私立大学で情報学部のジャーナリズム科を出ている。彼の白黒写真はコンセプトもはっきりしていて、視覚的にもおもしろい。
(ジャカルタの都会で足だけを見せて写るモデルたち)


b0090333_19274034.jpg 私は先週末の2日のうち、彼と会うことはできなかったのだけれど、昨日ササンが約束して会い、長いことインタビューしたらしい。ササンも一押し。1982年生まれ。



b0090333_192848.jpg そして一番最後に選考が決まったのが、今回の参加者で一番若い女性、チナンティ・アストリア(Cinanti Astria)、彼女にいたっては1985年生まれの現役学生。せっかくパトリックがインドネシアの若手が見る「インドネシアの今」を見せたいなら、ここまで年齢層下げるのもアリだろうってことで選考。
(会田誠を思わせるちょっぴりセクシーで怪しげな雰囲気をもつ水彩画。テクニックもなかなか)


b0090333_19282558.jpg 彼女はこの前私がプリラとササンとで行ったPatluckというコーヒーショップで今年発個展をしたばかり。小さなサイズの水彩画をたくさんつくっている。日本のマンガやゲーム、おたく文化の影響もある、正に現代インドネシアの若者らしいセンスをもっている。
 作品に出てくるストレートの髪の女性はすべて自分らしい。彼女とも私は直接会うことができなかったけれど、ササンから彼女の作品コンセプトなど聞いて興味をもった。パトリックの好みかどうかが気になったけれど、今朝彼からOKが出た。


 というわけで、6月15日からCCP(フィリピン文化センター)内Bulwagang Fernando Amorsoloで始まる展覧会の準備も一段落ついてホッ。さらに私はジョグジャから1人分の作品を持っていくだけなので、肉体的疲労もササンよりずっと軽い。助かった~。
 案内状は私がデザインして、ジョグジャで印刷することになっている。まずはパトリックからのテキストを待ち、選考した作家たちの作品の撮影をして準備せねば・・・。今回の私自身の展覧会の案内状はバギオで印刷するのだけれど、そっちもデザインは私が頼まれていたんだった。少しずつ仕事を進めなければ・・・。
by midoriart | 2007-04-24 19:28 | Art