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Culture & Art Report from INDONESIA


by midoriart

4月16日◆フィリピン行き準備開始

 考えてみたら、フィリピンへ発つ日まであと約1ヶ月に迫っていた。まだチケットは取っていないのだけれど、5月22日までにはケソン島北部のバギオに着いていたい。私のフィリピンで3度目になる個展は6月5日にバギオ市内のギャラリーVOCASで始まるのだ。今回は私がバギオの奥地に入り込み、村の人と接した結果そのものが作品となるので、今ジョグジャで準備するものはそれほどない。展覧会の2週間ほど前に現地入りすれば大丈夫だろう。その後は6月13日頃にバギオから首都マニラに移動し、今度はこっちでも展覧会の準備がある。

今回のフィリピン行き、私には3つのミッションがある。
メインである個展がまず1つ。同じくバギオで開催される『国際環境デー』のイベントの一つであるワークショップが2つめ。このワークショップはフィリピーノ&アメリカンの陶芸家レイ君、フィリピーノ&西洋(どこの国か忘れた)の竹ちゃん、インドネシア人のササン、そして私という4人の国籍もバラバラなアーティストのコラボレーション(詳細は4月5日付『キブガン村の修行系プロジェクト・イン・フィリピン』を参照されたし)。

4月16日◆フィリピン行き準備開始_b0090333_23315122.jpg ここまではバギオ、そして3つめはマニラでの企み。
もともとここまで私がフィリピンと縁が深くなったのも、もともとはマニラ・ミュージアムの学芸課長であるパトリックのおかげ。彼が2005年に助成金を得てタイとインドネシアのアート・シーン調査をしていたときにジョグジャで知り合って以来、なぜか気が合ってちょくちょくコンタクトをとっている。
(これがパトリックの仕事場、マニラのナショナル・ミュージアム。考古学、人類学、植物学から古代の出土品、芸術作品と国立博物館の名にふさわしい収集品の質と量。彼は美術館の偉いさん)


4月16日◆フィリピン行き準備開始_b0090333_23321349.jpg 最初にフィリピンへ行こうと決めたのも、彼がフィリピンのアート・シーンについていろいろ話してくれたことに惹かれたからだった。当時彼はフィリピン唯一の国立大学UP(The University of the Philippines)の教授でもあったので、美術学部の他の教授を紹介してくれて、それがきっかけで去年はこの大学に招聘され、アーティスト・トークをしたり、一部の授業でワークショップしたり、ついでに個展したり・・・と展開することにもなったのだった。
(パトリックのオフィス。な~~んにも置いてない広~~~い部屋に彼一人)


4月16日◆フィリピン行き準備開始_b0090333_23324210.jpg そして今回の私の3つめのミッションは、このパトリックとの企てで、マニラの美術館でインドネシアの若手アーティストの展覧会をするというもの。場所は由緒正しいCCP(Culture Center of the Philippines)。この芸術の殿堂といわれるカルチャー・センターはあのイメルダ夫人が1969年にとてつもない費用をかけて建てたもの。


 4階建てのモダンな建物の中には、かなりレベルの高いシアターや、小劇場、アジア諸国の伝統楽器を集めた小博物館の他に、大小いくつかの企画展示室(ギャラリー)も併設している。パトリックは以前からこのカルチャー・センターのギャラリーを使っていろんな展覧会をキュレーションしてきていたのだった。


4月16日◆フィリピン行き準備開始_b0090333_23331721.jpg 昨年の8月に私が個展を終え、インドネシアへ戻る前に彼と最後の食事をしたとき、我々は冗談半分で約束した。
「パトリック、もしまた私が何かの縁でフィリピンに戻ってくることが出来たら、そのときにはインドネシア・アーティストの展覧会をやろう。パトリックの調査した成果にもなるんだし、私が来るときに作品も運んじゃえば大丈夫だからさ~」
(CCPのシアター)


 こんなテキトーな約束だったのだけれど、運とは不思議なもので、今年になってまたフィリピンを訪れることになり、こりゃあの約束も果たしちゃおう!ってことで一気に盛り上がった。ここしばらくパトリックとはメールでコンタクトを取り合い、二人で相談した結果、展覧会で紹介する若手作家がだいぶ絞られてきた。となると、後は私が実際に作家に会って作品を見ながら、どの作家のどの作品をもっていくのかを決めていく段階になってきた。


4月16日◆フィリピン行き準備開始_b0090333_2334995.jpg ジョグジャからだけではインドネシアのアートを紹介したことにはならないので、今週末にはバンドンへ行く。若手作家が活発に制作しているのはジョグジャ、バンドン、ジャカルタ。今回はパトリックのインドネシアでの調査結果から彼の意見を最大に生かして作家選考することにしたので、作家探しはこの二都市に限ることにした。
(パトリックとの企みが実現するのはこのギャラリー)


4月16日◆フィリピン行き準備開始_b0090333_23345084.jpg 今朝さっそくジョグジャのトゥグ駅に行ってチケット購入。バンドンってのは中途半端な位置にあって、ジョグジャ⇔バンドンの飛行機は週に2本ほどしかないし、バンドンは盆地で着陸でフラフラしてかなりビビるらしい。結局私はジョグジャ23:30発、バンドン翌07:33着の夜行電車に決めた。むこうからは20:00発でジョグジャに翌朝04:35着という、これまた夜行。金曜の夜行に乗り、日曜の夜行で帰るということになる。

 老体には夜行電車はけっこうツライけれど、久しぶりの電車の旅もまぁいいか・・・。これも楽しんじゃえばいいさな・・・。こうやってどこかに行くことが決まったとたん、すでにご当地の美味しいもののことばっかり考えてしまう。ダイエットはどうなることやら・・・。
by midoriart | 2007-04-16 23:30 | Yogyakarta