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Culture & Art Report from INDONESIA


by midoriart

3月27日◆ジャワ中部沖地震の置き土産

3月27日◆ジャワ中部沖地震の置き土産_b0090333_2245554.jpg インドネシアの有名紙「コンパス」の今日付新聞に、昨年5月27日に起きたジョグジャカルタの大地震がもたらした現象の話が掲載されていた。激災地となったのは、バントゥル県、私が住んでいるジョグジャカルタ市からパラントゥリティス海岸の方へ南下したエリア。こどもプロジェクトで建てた3つの幼稚園も、このエリアにある。


3月27日◆ジャワ中部沖地震の置き土産_b0090333_2246185.jpg で、いったいどんな現象が起きているかというと、一つは「娘をとっとと嫁に出す」現象。つまりは口減らし。すでにデータとしても明らかで、20歳未満で最初の子をはらんだケースは2005年の567人から19%増え、06年には675人になっている。
 そしてもう一つの現象は「妊婦増加」。バントゥル県の妊産婦は、年平均が6,600人だったのに、2006年は13,000人とほぼ倍増。

 新聞では、「避妊具が入手できなかったり、ほかに娯楽がないのが理由か。今後、妊婦、乳幼児のケアが深刻な問題」と言っている。口減らしする気があるのに、子供増やしてるっていうのもなんだか矛盾だと思うんだけど・・・。


 話は変わり、先週の被災地の子供慰問団ご一行様にかわり、昨日からジョグジャに来たのは、ある出版社の編集者。最近ではよく本屋で見かける「旅の会話集」とか「指さしコミュニケーション」みたいなシリーズを、アジア諸国からシリーズ化している出版社で、そのインドネシア版の翻訳とコラム執筆に私が当たった。
 翻訳ったって、「わたしはXXから来ました」とか「これはいくらですか」のレベルだから、美大あがりの私でも全然問題ない。この編集者は、インドネシアに詳しくて、DEEPネタをもってそうな人間をネットで探していて、私がジョグジャで発行している日本語情報誌『Jogja Surfing』に関する書き込みなどから最終的に私にたどり着いたらしい。

 ジョグジャ地震のとき、ネットとミクシィから500人近い方が義捐金を送ってくださり、ネットの世界の速度と広さにびっくりしたけれど、今じゃ本当にどこでどうやって人との縁ができるか、わからないもんだなぁ~と今回も感じた。


3月27日◆ジャワ中部沖地震の置き土産_b0090333_22472529.jpg ここ最近、翻訳の仕事が続いた。この話の前から手をつけ始めたのは、今度バリにやってくる高野山の僧侶に関する翻訳。密教真言宗のお坊さんたちが御詠歌と和讃を詠いにバリにやってくるらしく、そこまでのいきさつなどを坊さんのリーダーが書いたもの、それから密教の袈裟や法具についての解説、この2本を訳すことになった。


 最初に日本語で原稿をもらったときには、日本語の意味すらもわからないくらい専門用語だらけで参ったけれど、偶然にも私はこの前までに仏像に関する本を2冊読んでいたので、曼陀羅についても、仏が手にもつ宝物についても、むちゃくちゃ馴染みのないことには思えなかったので幸いだった。

3月27日◆ジャワ中部沖地震の置き土産_b0090333_22475911.jpg さらに、密教となるとヒンドゥー教の神々をたくさん取り入れている。10年間バリで暮らしていたときには、大尊敬するヒンドゥーの高僧んちへ行っては、サンスクリット語やバリ文字の勉強したりしていた私にとっては、密教の神さんたちは結構親しみがある。ヒンドゥーではXX神さんだね~ってことがわかるから、トランプの神経衰弱してるみたいな感じでおもしろい。
(法具の一種、五鈷杵)


3月27日◆ジャワ中部沖地震の置き土産_b0090333_22483350.jpg ちなみに、この御詠歌はバリのガムラン音楽とコラボレーションするという話になってるらしい。密教だからこそヒンドゥー教とのコラボもアリってことなんだろうなぁ。煌びやかな法具や袈裟が見られるから、予定があったら私もバリまで行ってこの御詠歌をその場で見てみたいと思っている。あと、密教ならではの護摩供もやっちゃうらしいし。
 興味のある方もおられるだろうから、詳細わかったらこのブログでもお知らせしようと思う。
(確か、昔「赤影」に出てくる悪いヤツがこんな武器を持ってたような・・・)
by midoriart | 2007-03-27 22:48 | Yogyakarta