Culture & Art Report from INDONESIA


by midoriart

マニラ→シンガポール→ジャカルタ→ジョグジャカルタ

 あっという間の3週間が過ぎ、8月16日、フィリピンを去る日。最後の夜は私のお別れ会と称してデイシーさん宅に大勢のアーティストが集まった。そのままライブハウスに流れて宿に戻ったのは午前1時半。最後の荷物を詰めなければならないので、9時起床。すべての荷物をトランクと登山リュックにつめ、最後のランチを食べにUP(フィリピン大学)の生協へ。

b0090333_22365021.jpg パトリックがオススメのロディックスは1949年開業の、UP生協内でも歴史ある飯屋。アマンダちゃんと以前食べた牛肉の甘煮に目玉焼きのついた定番メニューは有名で、マニラの各地からこれを食べに人が来ると言う。最後のランチはこの飯屋でココナツの牛肉煮込み。

b0090333_22382282.jpg 国際交流基金のBさんのご厚意で、午前11時にはBさんの運転手さんが迎えに来てくれた。3週間泊まったバライ・カリナウともお別れ。毎晩夜中に帰ってきても笑顔で部屋の鍵を渡してくれたガードマンさん、さようなら!

 テロ事件の影響で、空港でのチェックが厳しいとは聞いていたけれど、昨日空港へ確認したらノートパソコンは手荷物で持ち込めるという。安心して空港へ入るとボーティング前の最終チェックで、リキッド類はすべて持ち込み禁止と言われた。私の手荷物にあるリキッド類はボトル飲料水、ヘアーワックス、日焼け止めクリーム、リキッドファンデーションなどなど。
 まず最初に飲料水を検査員の前で飲んでみせろと言われたのでゴックン。
その次に日本製の化粧品を不思議そうに見ている。
「何?こっちもこの場で化粧して見せた方がいいの?」
と聞くと、
「いやー、基本的にはリキッドはこの場で置いていってもらわなくちゃいけないんですが・・」
という。
 わざわざ日本の母に頼んで送ってもらっているUV化粧品類を、ここで没収されるなんてたまらない。慌てて私はファンデーションをあけてその場で顔にすりこんだ。
「ほれほれ!これ本物の化粧品ってば~。インドネシア在住の私には日焼けは大敵でね、わざわざ日本から母が送ってくれてるものなの。これがなかったら私の肌がいたんで大変なことになるんだから、お願いだから没収しないでよ~~~」
頼み込んだら、若い検査員もやさしくて、
「んじゃー、ボクらの間の秘密だからね。このヘアーワックスはフィリピンで買ったものでしょ?これだけはもらっておくよ」
ってことで済んだ。
 
 シンガポールを経由してフィリピン・エアーは16日午後8時無事にジャカルタへ到着。空港からジャカルタ市内に住む日本人の友人宅を訪ね一泊させてもらう。
 翌17日はインドネシアの独立記念日、この日にジョグジャに戻っても店はみんな閉まってるし、町内会が道路を閉鎖して盛り上がるだけでうるさいので、もう1日ジャカルタで過ごすと決めていた。インドネシア在住10年以上の古い友人Sさん、ジョグジャで学生時代を送った後、ジャカルタに移って起業したばかりの友人F君、この2人の日本人と休日を過ごした。ジャカルタの企業はこの17日からそのまま週末まで4連休にしているところが多く、普段は大渋滞の大通りもこのとおり。
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 私のかねての希望で、ジャカルタでは一度、ちゃんとした映画館で映画を見たいと思っていた。それほど気になる映画はやってなかったけれど、ホラー映画をみんなで見ることに。ポップコーン片手に席に座ると、突如スクリーンに
「起立お願いいたします」
と出て、独立記念のやたら古い映像が流れる。何事が始まるのか理解できずに座っている我々日本人3人のところに係員が来て
「はいはい、ちょっとの間立ってくださいよ」
って、暗い中でみんなで立ってインドネシア国歌が終わるのを待つ。

b0090333_22394732.jpg 映画館の中で、こんなこと毎年してるんだ~と驚いた。ムチャクチャ古い映像はなんとも味があった。それで思ったんだけれど、日本では終戦記念日に映画館へ行ったら、やはり黙祷の時間には黙祷をするのだろうか?


b0090333_22402872.jpg そして18日の今日、午後2時10分、珍しくオンタイムでジャカルタからジョグジャへの飛行機が出発。3週間ぶりのジョグジャの家に戻る。留守番の犬たちも大喜び。
 黒のデカイのはティルム(バリ語で「新月」、本当に新月に生まれて真っ黒。バリ時代からの付き合いでジョグジャへはトラックでやってきた)、
b0090333_22405811.jpg 茶色のちっちゃいのはモジャ(ジャワ語で「靴下」、足の先だけ白い)。ちょっとオドオドして落ち着きのない犬。

 いつも旅から戻った日というのは、私にとって肉体労働の日となる。留守中に犬たちが散らかした部屋の掃除、草木の延びまくった庭の芝刈り、洗濯などなど。一人暮らしはこういうときに大変だ。洗濯機を2度回し、スタジオ、仕事部屋、寝室、台所の雑巾がけをし、大汗かいた後で3週間ぶりに湯船につかって一息。そしたら突然旅の疲れが出てきた。

 東とはすでに連絡を取り合ったけれど、打ち合わせは明朝と決めた。彼の息子がまた調子悪く、今日はまだ病院にいるというし、私も今日は1日かけて身体と気持ちをジョグジャ・モードに切り替えたい。空港から家への道のり、相変わらず瓦礫の道路を見て、戦場へ戻ってきたような気がした。またあの被災地での活動を再開するにあたり、今日1日だけは家でゆっくりさせてもらうことにする。そして明日からまた「こどもテント・プロジェクト」の報告を始めることができるだろう。 
by midoriart | 2006-08-18 22:35 | the Philippines