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Culture & Art Report from INDONESIA


by midoriart

酷使された通学第1日目

 朝7時。今回私をフィリピン大学のゲストとして招待してくれた芸術学部教授のメイ女史が迎えに来た。フィリピン大学はあまりにキャンパスが広いので、構内を巡回バスが走っている。それに乗ってレクチャー会場へ向かい、まずは学食で朝ごはん。3週間のスケジュールを聞くと、知らないうちにかなり予定が変わっている。台風のためにズレこんでるスケジュールはまだイイとして、増えてる増えてる、私のアーティスト・トークが4つも入ってるではないか。
 
酷使された通学第1日目_b0090333_21512048.jpg まずはざっとすべてのスケジュールを把握し、時間がないからそのまま8時半~11時のレクチャー会場へ。これはフレッシュマンを70名集めたクラスで、見た目もこんな感じ。まだまだ高校生と変わらない。大学出たての頃2~3年非常勤で高校生や専門学校生を教えたことがあったので、こういう環境は目新しいものではないけど、自分をネタに、さらに英語で1時間半喋るのはキツかった。それでも思いのほかあっという間に時間が経ち、後半はかなりハショって最新の作品までを紹介することになった。
酷使された通学第1日目_b0090333_21521344.jpg 今日のメンバーとは来週もう一度会う。次回は1日のワークショップで小さな作品を作ってもらう。実技なので、ワイワイ材料いじってりゃたぶん大丈夫だろう。


 ここでようやく一息。
 今度は別の学食でもう一度今後のスケジュールについて調整。3週間(21日)を記したスケジュール表は空欄がないくらいに詰まっている。私はここまでフィリピン大学に酷使されるのか?
当初は彼女が教える美術評論クラスの学生とのワークショップ、GREEN PAPAYAでの個展、この2本柱だったはずなのに、なぜかワークショップが3つ、アーティスト・トークが4つも入ってるのだ。さらに!個展を終えた後に、フィリピンのアーティスト二名とでコレボレーションして新作を作って、別のギャラリーで発表、そのオープニングを私のお別れパーティと兼ねるなんてプランが、今まで一度も聞いた事がなかったのに、今回いきなり予定に入れられてるんだもん。これじゃー、まったく休めないじゃん・・・
 
酷使された通学第1日目_b0090333_21525321.jpg 今ひとつ納得のいかないまま、午後は評論クラスとのレクチャーがGREEN PAPAYAで始まる。今度はわずか5名、それもすでに美術の基礎を学んできた学年なのでとてもやりやすい。午前中の学生には素材について、物つくりについてという初歩的な話をしたに留まったけれど、こっちは人数が少ないのもあって、作品をプレゼンテーションしてる途中でもどんどん質問してくる。ポンポンと会話のキャッチボールできてなかなか楽しめた。彼らは実体験として、今後私の個展が始まるまでの制作やディスプレイのプロセスを見、最終的には私の作品評を書くまでが一つの課題となっている。
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 明日以降は作品の準備期間になるので、レクチャーの後にもう一度展示空間をじっくり眺め、サイズを計り、撮影した。そこで気づいたことに、ここはメートル法じゃなくてフィート法なんだ。フィートで言われても全然サイズがぴんとこないから困る。フィートに慣れないと異国で展覧会するときに困るんだってことに今日初めて気づいた。インドネシアは日本同様「キログラム」に「メートル」、測定にはなんの違和感も感じなかったのですっかりこういう問題を忘れていた。

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 (上:GREEN PAPAYAの入り口。私はかなり気に入っている)
 打ち合わせを済ませてから、メイ女史が提案しているフィリピン作家2名との展覧会場を見に行った。まぁ、よくある小さな商業画廊って感じの空間。私は作品を置くのを前提で空間を見るくせがついているので、この画廊の空間を見たとたん
「あ~・・・やめて・・・」
と拒否反応が出てしまったのだ。空間を意識して使うにはあまりに醜い場所だったのだ。正直にメイ女史に話すと
「ミドリを強制するつもりなんて毛頭ないのよ。あなたのフィーリングが合わないのなら、この企画はキャンセルしても全然構わないわ。あなたもスケジュールがタイト過ぎたものね、OK、やめておきましょう。せっかくだからあなた、マニラ以外の場所を見てきたらいいわよ!」
と素晴らしい展開!
 つまり、この企画が流れたおかげで、朝見た私の過密スケジュールに空白ができるのだ!少しは自由時間が取れることがわかりホッと一息。その後もまだ宿には帰れず、メイ女史の上司に当る学部長宅のホームパーティに出席、集まってたフィリピン大学教授陣に紹介され、ワインとチーズをちょっぴりいただいてきた。

 ここへ東からショートメッセージが携帯電話に届く。現在建設中のバンブー幼稚園の屋根材になる萱が、今回の一軒分の量だけでは生産地で売ってくれないので、2軒分をまとめて購入しなければいけないと言うのだ。私はすぐに返事をした。
「もし立て替えてくれれるなら、2軒分で購入してしまおうよ。どうせすぐに新しいロケーション見つけて幼稚園建てるんだから、そっちで使うんだしね」
 これで萱も購入が決定。プンドン校が完成したら、次のロケーションはすでにリサーチ済み、関係者との話合いも済んでいるので、すぐ取りかかれる。屋根材をまとめて購入するのもなんの問題もない。

  話がジョグジャに飛んでしまった。で、そんなやり取りの後、ようやく上司宅を脱出することができ、メイ女史とタクシー相乗りしてさっき戻ってきた。明日は一日トラディショナル・マーケットを巡り、使えそうな素材探しをする予定。ようやくこの街の素顔に近づくことができそうだ。

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by midoriart | 2006-07-28 21:48 | the Philippines