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Culture & Art Report from INDONESIA


by midoriart

バンブー幼稚園会議

 今日は東とエスティン(東グループのリサーチャー)と私の3人で、プンドン村の幼稚園再建候補地へ出かけた。最初はジョグジャ市内からなんて遠い場所だろうと思っていたプンドン村も、何度か足を運んでいるうちだんだん近く感じるようになった。この候補地は、現在第3こどもテントを運営している場所から車で10分ほどのところにあった。
 何度も第3テントの報告をしているからわかると思うけれど、この辺りはまだまだ政府援助のブルドーザーなども入っておらず(道が狭すぎて入ってこれない)、全壊の家が延々と続くエリア。こんな何も目印になるものがない状態で、候補地までの道をエスティンはちゃんと覚えていて、車を運転する私の道案内をしてくれた。

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バンブー幼稚園会議_b0090333_1164164.jpg 車を停めたところがもと幼稚園のあった場所。いまでは単に基礎が残るだけ。崩れた机や戸棚の周辺にオモチャや本が散乱し、子供たちの椅子も淋しそうに残されていた。ここには子供一人と両親が幼稚園の用務員として寝泊りしていたのだが、被災で全員亡くなったという。

バンブー幼稚園会議_b0090333_1172297.jpg  実はこの幼稚園の土地は幼稚園所有ではなく、土地所有者に何か必要があれば土地は返さなければならない。そこでこの幼稚園のすぐ近くに住むお爺ちゃんが、自分の孫だって幼稚園に行くことだし、自分の空いてる土地を使えばいいと無条件で空き地を貸してくれることになった。そして父ちゃんたちの相互協力で、休日を利用して少しずつ建物を作りかけていた。3ヶ月かけてようやく幼稚園の事務所とこどもたちの遊戯室が出来た~!と思ったところで被災、振り出しに戻されたというわけだ。建物はパッと目にまだ形として残っているのだけれど、中はヒビだらけ。とても使える状態ではない。

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  その横に6x9mの空き地が残っている。写真で青いテントをはってる場所。
  こどもテント・プロジェクトは、この空き地にバンブー幼稚園を建てる予定なので、今日は関係者に集まってもらった(というか、今日私が行くと知って、みんなが集まってくれてたらしい。私はこそっと視察だけできればいいと思っていたのだけれど)。
 先に東が我々のプロジェクトの馴れ初めを説明しているので、村の父ちゃん連中も、幼稚園の3人の先生も、母ちゃんたちも日本人の私を見て、
「まぁ~・・・よーーくいらっしゃいました~~。まずはこちらでお茶でもーーー」
ともてなしてくれて、こっちが照れる。でも、そこには私の好きなゴマ饅頭。ついつい手が出てしまった。しかし、ここまでみんなが喜んでくれてると思うと、こっちもヤル気が出る。


バンブー幼稚園会議_b0090333_119468.jpg 今日の会合では、どんな建材がどれだけ必要かといったテクニカルな話。私がマニラへ発つ前に正確な見積もりを出してもらい、それを東と私が最終チェックし、両者納得すれば私がジョグジャを空けている間に必要な費用を東に託すという形になる。廣田の名で受けた皆さんからの義援金を私が扱えないことが非常に申し訳ないのだけれど、メンバーの皆さんもこれまでの東の仕事ぶりをご覧になっていれば、心配されることもないだろう。
  こっちでは安く早く仕上げるために大抵屋根にはアスベストを使用するのだけれど、それは私が認めなかった。日本であそこまで問題になっている素材を、それも将来を担う子供たちの過ごす空間で使うことだけはしたくない。それも日本の皆さんが建てようとしている幼稚園にアスベストは、きっとメンバーもイイ顔しないと思った。私としてはバリのリゾート地なんかでよく見る萱葺き屋根、アレにしたい。
 今日そんな事情も説明したら、村の父ちゃんたちも納得してくれた。さらに東のナイスフォローが入る。
「父兄の皆さん、ミドリはアーティストなので、これからこのバンブー幼稚園建設が始まったら、全体の彩色や遊具のデザインなども、彼女からおそらく多くのアドバイスがあると思います」
と締めくくってくれた。うまいっ!東。


バンブー幼稚園会議_b0090333_1204587.jpg 今月20日には確実な見積書を東に渡すってことで今日の会合はお開き。関係者の皆さんと固い握手をしてテントを出ると、隣接の広場で遊んでいた子供たちに呼び止められた。
「お姉さ~ん、一緒に写真に写って~~~」
なんてかわいいんだ、この村の子たち!
  こっちにいて、短髪に外股で歩いていると、「兄さん」と呼ばれることの方が多い中、ここの子供たちは私を「お姉さん」と呼んだ!それだけで大丸(おおまる)さんです、あんたたち!
大喜びで一緒にハイ。チーーーズ。よし!君たちのために「お姉さん」はバンブー幼稚園を建てるよっ!

 せっかくここまで来たので第3テントにも寄った。ここは青年団がイニシアティブを取って週末は自分たちの決めたプログラムを実行している。今日はみんなでハイキングだそうで、テントには誰も残っていなかった。もうすぐ帰ってくる子供たちのために、母ちゃんグループがご飯の準備をしていた。私は一人ここで東とエスティンと別れて帰宅。彼らはそのままプレレッ第2テントへ行き、今頃は週末イベントとして子供たちのための上映会をやってるはずだ。本当にお疲れ様、東グループ。

 昨日報告した「こどもプロジェクト」Tシャツも、すでに4名の希望者が現れた。ご協力に感謝。
今週もつつがなく第2、第3、第4テントで子供たちがそれぞれプログラムに参加している。日本は今日から3連休の方も多いんだろう。どうか楽しい週末をお過ごしください。

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◆救援パックの参加は7月27日までで締め切りとさせていただきます。ご自分のサイト、ブログ等でリンクのある方は、その旨お知らせくださいますよう、お願いいたします。

◆東って誰?って思う方は、当ブログの「新たな仲間登場」
http://midoriart.exblog.jp/d2006-06-05を見てください。
◆「救援パック・プロジェクト」隊員って誰?って思う方は「ジョグジャ救援パック小隊:隊員紹介」
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by midoriart | 2006-07-15 23:43 | Jawa Earthquake