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Culture & Art Report from INDONESIA


by midoriart

第2・第3こどもテント・プロジェクト開始

第1こどもテントは、まだ村で使用可能な集会所が残っていたためテントを使わずして150名の子供たちを集め、2週間のプログラムを昨日でつつがなく終えることができた。最初に東と相談し、我々の「こどもテント・プロジェクト」は2週間1タームとし、タームごとにプログラムの成果や現場の復興状況、村人の協力体制などを見つつ、継続ならまた2週間単位で延長するというシステムを考えた。今回はじめて第1弾の更新時期がきたんだけど、ここチャベン村では村側からとりあえずここまででいったん終了という返事。
 これを聞いて「プログラムの内容が悪かったんじゃないの?」と思われる方がいるといけないので説明すると、第1テントのロケーションに限っては、東グループがリサーチして決定したのではなく、すでにヤル気の学生ボランティアが入っていてリサーチ中の東たちと知り合っていたのだが、資金力がなく継続できなかったものを、「こどもテント・プロジェクト」の叩き台として我々でバックアップしたという経緯がある。ボランティアと子供たち、親たちとの交流はバッチリだったが、意外にも村の復旧が早く、親たちが個人個人で子供の面倒もみれるのでまずはいったん解散となった。


第2・第3こどもテント・プロジェクト開始_b0090333_2393659.jpg しかし、ここでの「こどもテント・プロジェクト」の大きな成果は、地震前まで敵対していた隣接の町を仲良くさせたことだ。集まった子供たちは田舎の道を挟んだ右と左の町内全部、はじめはこっち側の子供たちが
「アノ子はむこうの子だから、ご飯なんてあげなくていいんだよ」
なんて言ってたのに、最後には一緒に遊ぶようになった。もちろん子供に悪気はないだろうから、村の中で代々親たちが仲の悪さをそのまま引き継いでるんだろうけれど、親が
「アノ子んとこには行っちゃダメ」
って線引きするから、小さな田舎の村だというのに子供たちは道を挟んだ向こう側には入ったこともなかったという。それが我々のようにニュートラルなものが入り、こっちの子を連れて向こう側へ散歩に行ったり、あっちの子をこっちに呼んでプロジェクトしてるから、みんなが一つになれたのだ。みんなでチャリンコで村をプラプラするってプログラムの時に、
「へぇ~、ここの道ってこんなんになってたんだーーー」
って、ほんのちょっと先の場所も初めて見たって子がたくさんいたらしい。
 別に村の仲直りのために始めたプロジェクトじゃなかったんだけど、予想外の成果がオマケでついてきたので東グループも喜んでいた。今後は3日ごとに第1テント担当ボランティアが「ビジティング・プログラム」としてチェックを兼ねて短時間のプログラムをデリバリーすることになる。

 そして第2と第3テントは今日から始まりはじまり~。
 第3テントとなるジョグジャ市内からはかなり遠いポンドン郡ボンドワル村の状況を東に報告してもらった(今日、私は子供たちのTシャツ作りのために市内を回っていたので現場には行けてない)。

第2・第3こどもテント・プロジェクト開始_b0090333_2383712.jpg  これが今回メンバーの義援金で購入した正真正銘の「こどもテント」。まだロゴを入れてないけれど、今日色付のデザインができたので近々これがテントに貼られる(上の画像)。どこにも同じようなテントが点在している被災地にあって、子供のためのテントだよ~とわかるよう、また参加メンバーの皆さんに報告するときにも、ホントにこれが我々のプロジェクトのものだよ~とわかるように、ロゴは入れることにした。赤の縁取りに入っているのは「BENTUK KASIH SAYANG DARI TEMAN-TEMAN JEPANG」というインドネシア語で「日本のお友達から友情のしるしに」みたいな意味。

第2・第3こどもテント・プロジェクト開始_b0090333_2401940.jpg で、今日から早速ここでは子供たちが大集合!大体、私が視察に行ったときから、夜だというのに子供たちがやってきて
「ねーねー、いつから学校始まるの?ねー明日はあるの?」
って聞いてきたのだ。本当にみんなが楽しみにしている。
さらにこの第3テント、幸先いいことに、青年団のヤル気がすごい。東たちがテント運んだら、ちゃっちゃとみんな働いて設置してくれた。瓦礫も片付け(ってもまだ周囲にかなり残ってはいるけど)、水打って埃はらって今日無事にオープン。


第2・第3こどもテント・プロジェクト開始_b0090333_2405062.jpg さらに母ちゃんたちの連携プレーもすごく、参加母ちゃんの数も多く、ちゃっちゃと食事を作ってくれるらしい。とにかくみんなのヤル気と受け入れ&実施体制がバッチリなので安心。我々の目標は、最終的にその村の住民ボランティアが育ち、我々が離れても同じプログラムが続行されていく土台を作ることなので、それにはこの第3テント、いいサンプルになる可能性アリ。最初は100名と聞いていた子供たちが、結局130人集合。でもご飯もちゃんと足りてます。青年団からは随時15名が子供たちの相手をしてくれるし、本当にイイ感じで進みそうだ。
 ここは第1テントと違い、ほぼ100%イスラム教徒。子供たちに説教のできるイスラム指導者を呼んでほしいとリクエストがあったので、2週間に一度、子供用の説教をしてくれる指導者を連れて行く予定(もちろん、そういう場合、指導者も無料で来てくれる。こっちは車で送迎さえすればOK)。

第2・第3こどもテント・プロジェクト開始_b0090333_2412072.jpg  今日第2テントへ入った東グループのボランティアは皆現場でお泊りなので、まだ報告は受けていない。でも東に入った電話では、すべて順調に進んでいるとのこと。こっちはもともとあったテントを使うので、今日はすぐに子供たちとのプログラム実施となっているはず。ここは私も現場チェックの時に会ったけど、子供たちの活動をしきってるのが女性たちで、それも学校の先生だったりして組織的な動きには充分対応できる感じだった。
 今、この2つのテントからボソッボソッと耳に入ってくるのは「こども図書館があったらいいな・・・」って声。私はこれ大賛成なので是非つくりたいと思う。ただ、被災エリアにいる多くの子供たちに読んでもらえるには、どういった方法がベストなのか、そこをもう少し時間かけて東と相談していくつもり。一台の車に全部の本を乗せ、毎日1あるいは2エリアを巡回するって方法が現実的かなーとは思っているんだけれど。こっちもなんとか私がマニラに行く前に、実行に移せればと思っている。

 さて、ここで新メンバーさん発表。
 {松本亮さん・疋田弘子さん他}(日本ワヤン協会)、 {小出さん、西永さん、武内さん、坂井田さん、渡邊さん、松田さん、岩崎さん、伊藤正子さん、伊藤のり子さん、伊藤和子さん、河原さん、吉川さん、村瀬さん、矢野さん}(小出着物教室寿絹会)、トレジャー、ヤマモト カオリさん。以上、83,886円の追加。
 1ヶ月経った今でも、ジョグジャの被災者のことを想い、義援金をお送りくださる方々に私が代わってお礼申し上げます。「いまさら遅いでしょうが」とメールをくださる方もいらっしゃいますが、長期戦になるこのプロジェクトでは、今からが本番。私はまだ参加メンバーを打ち切るつもりはありません。これからも長い長い道のりです。どうぞ長い目で応援してください。皆さんからコメントをいただくと、それだけ被災者を気にしてくださる方がいる!とガンバれます。

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◆今は「こどもテント・プロジェクト」として遂行中の「救援パック・プロジェクト」に参加ご希望の方は、
http://midoriart.exblog.jp/d2006-05-30を見てください。
◆東って誰?って思う方は、当ブログの「新たな仲間登場」
http://midoriart.exblog.jp/d2006-06-05を見てください。
◆「救援パック・プロジェクト」隊員って誰?って思う方は「ジョグジャ救援パック小隊:隊員紹介」
http://midoriart.exblog.jp/d2006-06-14を見てください。
◆救援パック・プロジェクトの1ヶ月の会計報告は
http://midoriart.exblog.jp/d2006-06-27を見てください。
by midoriart | 2006-06-28 23:37 | Jawa Earthquake