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Culture & Art Report from INDONESIA


by midoriart

来週スタート:こどもテント・プロジェクト予告

 昨日はムラピ火山での犠牲者のことがショックで、あまり救援パックについての細かい報告ができなくてゴメンなさい。で、今日はゆっくりと今後展開されるこどもテント・プロジェクトについて会計報告も含めてお知らせしよう。

来週スタート:こどもテント・プロジェクト予告_b0090333_21455048.jpg 以前から何度も報告しているように、被災地での緊急な物資支援は今しばらく必要ないと思われる。なので我々は先週から「物資デリバリー」をいったんストップしている。最近は街中を走ると、瓦礫を道路脇(ってか、かなり通行車にも邪魔になるくらいでしゃばった位置で)に集めてあるのが目に付く。政府が発表した時期はホントはとっくに過ぎてるんだけれど、まーそれもとにかく、ここしばらくだったら道路に出した瓦礫は政府の出すブルドーザーで回収してくれるってことになっている。それ以降は(今日の時点ですでに期日は過ぎてるけど、まだちゃんと集めてくれていた)瓦礫の処理は自費ってことになる。そんなわけで、ここしばらくは被災地付近を走ると車が埃で真っ白、いや白ってよりは割れたレンガの土色だな。私の黒いスターレットも、今じゃボディのどこ使っても指で文字がかけるくらい埃ってます。

来週スタート:こどもテント・プロジェクト予告_b0090333_21462141.jpg そしてここからは、被災者それぞれの復興に向けてのヤル気、町内の結託の強さなどによって、自ら前向きに進んでいくしかないのだよ、オッチャンたち&若者たちよ。だから我々の救援パック小隊は、家屋の復興関係に対する援助はひとまずおいといて、子供たちにフォーカスしていく。

 私が被災地を回っていて一番呆れるのは、ほぼすべての教育機関(幼稚園、小学校は特に)の建物が全壊にちかいこと。どういうことかわかります?つまり、国のお金でしょ、公立の学校建てるってことは。だからそこに入ってる人間の中間搾取がいかに多いかってことなのだ。学校を安く建てて、ケチった分を自分の懐に入れるというわけ。きっとセメントもケチってたくさん石灰や砂混ぜて作ったんだろう。今度の地震でみんなボロが出てるわ。
  地震直後から被災地を走ってみて、私は最初にこのことに怒りを覚えた。たまたま今回は午前6時、まだ子供たちが登校する前だったからよかったものの、もし地震が8時過ぎだったら、子供の犠牲者は相当な数に上っただろう。この国じゃー子供は大事な国の宝でしょうが。未来の宝が集まる場所を賄賂や横領でテキトーに作っちゃダメだっつーの。


来週スタート:こどもテント・プロジェクト予告_b0090333_21472371.jpg だから今、我々はこどもテントを作る。こんな国のことだから、幼稚園、小学校の復旧にも絶対時間かかるから。被災地にいては、父ちゃん母ちゃんはこれから瓦礫の片付けやら、町内での相互協力やらで忙しいし、埃っぽいし、まともな食事もらえないし。だったら「こどもテント・プロジェクト」のテントで毎日ボランティアの兄ちゃん・姉ちゃんと遊んで、お絵かきして、折り紙して、地震のときの怖かった話をして、みんなで早く恐怖と疲労から抜け出していこう。
 昨日東と準備した「こどもテント・プロジェクト」一式はテント、遊び道具などの巡回させることができるもの(購入が一回だけのもの)と、子供一人一人に配布するものがある。第1回目のロケーションには0~12歳までの子供が200人いる。昨日はこの子供たちのために、文房具一式を入れた「おりこうさんパック」を準備。見立てていても、ついつい私が欲しくなるようなグッズだ。ノート、鉛筆、ボールペン、消しゴム、鉛筆削りなどなど。ペンケースもついている。これらをカバンに入れて一式48,000ルピア(約600円)也。昨日はこの一式を200名分購入。来週には第2弾で新たなロケーション用にこのパックを準備することとなる。今日、東が新しい場所の子供のデータを町役場へもらいに行っている。だからメンバーの皆さんも計算しやすいでしょ、今後のプロジェクトには「おりこうさんパック」が子供の数分必要となり、彼らのおやつ関係(200食)で計一日30万ルピア(約4,000円)を要する。今後3箇所でプロジェクトが展開されるので、少なくとも一日に最低食事分の4,000円X3箇所=12,000円の支出はあるということ。後は2日おきに必要となる栄養補給食、こども5名に一つ与えるお絵かきセットや運動グッズなどの購入も出てくる。で、今の時点で義援金はまだ200万円ほどは残っているので、後はメンバーの皆さんそれぞれに計算してくださーい。

 今後こどもテントでは、毎日のおやつに加え、2日に一度は栄養補給日として、カルシウムやビタミン補給になるおやつも提供していく。1週間のプログラムを作り、まずは1週間の単位でボランティアが子供とコミュニケーションをとり、その後はその場所の父兄たちの反応を見ながら、好評で協力が得られるならまた1週間続ける、といった具合に、1週間単位で様子を見ながら最長1ヶ月のこどもテントを実施する予定。その間に、その町内から有志を募り、ボランティアとして手伝ってもらい、我々が去ってからでも、その町内の人たちで本当の幼稚園、小学校が復旧するまでの間、なんらかの形で子供教育のプログラムが作っていけるようにまでなったら最高。

来週スタート:こどもテント・プロジェクト予告_b0090333_21484632.jpg 最初は集まりすぎて困っていた義援金だけれど、こどもテントが始まれば、かなり有効に皆様の愛が子供のために使われることになる。今後は3箇所でのこどもテントを計画中なので、これらが起動してくると、1週間という単位でどれだけの予算を要するか、算出がしやすくなる。そしたら今ある義援金でどこまでのことができるかも皆さんに詳しくお伝えすることができるだろう。


  メンバーの皆さんには前からお断りしているように、私は7月末から個展の準備で1ヶ月マニラに渡る。昨年8月から決まっている私の本業の予定だから、こればかりは変更できない。だからその前に、この「こどもテント・プロジェクト」をうまく軌道にのせ、東グループがうまく運営していってくれたらいいと思っている。もちろん私が皆さんから預かった義援金なので、私が責任もって使っていくことはお約束する。まずはメンバーの皆さんも、来週頭から進み始める新たな企画、「こどもテント・プロジェクト」を暖かく見守ってくださいませ。
 そうそう、テントは最終的に、既製品を購入することにした。いろいろアイデアくれた同級生のI君よ、ありがとうね。でも、今回のプロジェクトは巡回システムなので、耐久性、設置の簡易性を考えるとどうしても既製品の方が使い勝手がいいってことになったのだ。I君のアイデアも我々で保管し、別の用途があれば実現させたいと思っている。

  今日は久しぶりに少しのんびり夜を過ごしたいので、東には悪いけど今関わっている被災地の子供たちに向けてのイベントには出席しませーん。今日土曜日、東は被災地に入り、子供たちを集めてインドネシアの子供映画上映会をやっててくれるのだ。その後は大人タイムで、大型スクリーンを使ってサッカー観戦もするらしい。今、被災地の人たちにはこういった娯楽が必要だろうから、東も偉いわ、映像関係の知り合いいっぱいいるから、機材借りてきてそんなサービスをしている。被災地の皆さん、楽しい週末になるといいですねー。私はすいませんが、家でのんびりさせてもらいます。
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 ってことで、こどもテントは週明けからいろいろ報告できることも増えそうだ。そしてせっかく仲良くなった自衛隊の皆さんも、あとしばらくでお役目を終えて帰国。なんだか淋しいなー。彼らの場合はいつからいつまでって期間決まってるから、
「終わったー。努め終えたぞー」
って気分なんだろうな。いいな、ちっちりケリつけられて。
 しかし暑い中、ホントにお疲れ様でしたよ、皆さん。彼らがいる間は、まったく違う形の活動してたとはいえ、大きく分けて同じことしてる仲間がいるって気持ちでいたけれど、この150名が帰国しちゃうと心細いわ。ま、しかし、本当は私がやってるこのプロジェクトの後ろには、自衛隊の皆さん以上の数の救援パック・メンバーがいるんだから、私も頑張らないといかんな(あ、そうそう、今回の自衛隊本隊は守山からが多い。守山、名古屋ね。だからいたるところで名古屋弁聞こえてくるもんだから、私もついつい地元のイントネーションが出てまうがね)。

 明日は時間できたら東と一緒にこどもテント・プロジェクトのロケーション見てこようと思う。ブラム夫婦も休みだし。日本も大雨だったりどこかで地震あったりしてるみたいなので、ジョグジャ地震もどんどん記憶の片隅・・・になっていくことでしょう。でも「こどもテント・プロジェクト」は今から始まり。たまには思い出して我々が何してるのか、チェックしてみてください。ここまでやってきたのも、参加メンバーの励ましメールやコメントのおかげなので、我々が活動持続できるように、たまに喝のコメントなどくださいませ。みんなにちゃんと見られてると思うと、ちゃんとガンバレるので。日本にいるメンバーの皆さんも、違う国から見守ってくれてる人たちも、そしてジョグジャの被災地のみんなも、よい週末が送れますように・・・
by midoriart | 2006-06-17 23:44 | Jawa Earthquake