Culture & Art Report from INDONESIA


by midoriart

5月はジャカルタ・ビエンナーレ

招待状が来たのは3月初旬だったから、インドネシアでよくある大型展覧会にしては準備のいいほうだ、このジャカルタ・ビエンナーレ。それにしても昨年夏以降、インドネシアはビエンナーレ・ラッシュで、なぜこんなにたくさんの大型展覧会が必要なのかわからない。けれど、これも一種の「村興し」だと思えば仕方ないのかもしれない。

 昨年8月から数えてみよう。まずジャカルタの外資系CP財団が商業画廊と共催した第2回CPビエンナーレ、昨年が初めてとなったバリ・ビエンナーレ、ジョグジャカルタ市主催のジョグジャカルタ・ビエンナーレ(ビエンナーレとしては古株)、バリに対抗してか、東ジャワ島の都市スラバヤ・ビエンナーレ(これも第1回)、そしてラッシュのトリとなるのがジャカルタ・ビエンナーレ。
 私はこれらラッシュの中で、バリとジャカルタで招待を受けたことになる。今回はこの準備期間に2ヶ月近くを日本で過ごしたため、ジョグジャに戻ってからが大変だった。けれど私にしては珍しく帰国前にちゃんと準備していたからなんとかなった。メインとなる陶のパーツは帰国前にすべてを完成させ、窯元へ預けてきたのでジョグジャに戻って窯元へ行ったら、2ヶ月前に仕上げたオブジェはすべて900度で焼かれて私を待っていた。
b0090333_1205251.jpg
 
 これがその作品一部。本当は万単位で作りたかったのだけれど、時間がなかった・・・。今回は270体まで。8月にマニラで予定の個展にはなんとしても1000体は持って行きたいと思っている。
 写真ではわかりにくいので、少し説明すると、これはほんのり赤い土でビスケット状(釉薬をつける前の状態)までに焼いてある。触るとまだざらざらして粉が指についてくる。粘土で3つのモデルを作り、それから型をおこし、陶土を型に流し込んで作ったものだ。だから微妙に3種類の形があることになる。さらに、顔は一体ずつまつ毛や唇を彫っていくのですべてが違う顔をしている。
 日本へ帰る前は、毎日毎日このオブジェと向かい合っていた。窯元からは「ペンギン」と呼ばれるこの人体、実は随分昔から私の平面作品にも出てきていた「ヒト」。今回、これを一体一体刻んでいくことが、まるで写経をしているときの心境と同じように心へ作用してくるので驚きつつも非常に心地よかった。私の中では「羅漢さん」という名のこのヒトたちは私より一足先にジャカルタに届いたらしい。私は明日の夕方にジャカルタへ発ち、作品のセッティングに入る。
 ジャカルタ・ビエンナーレ、2006年のテーマは「BEYOND -the limits and its challenges」(よくわからんなー)、タマン・イスマエル・マルズキというジャカルタの大きな芸術センター内の二つのギャラリー、国立ギャラリー、陶芸美術館、ロンタルギャラリー、チュマラ6ギャラリー、全6会場を使ったこのビエンナーレは5月23日~6月25日まで。展覧会の報告は次回に!
by midoriart | 2006-05-19 15:06 | Art