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Culture & Art Report from INDONESIA


by midoriart

初夏の常滑ツアー

 今日は常滑のINAXライブミュージアムへ「ミントンのタイル」展を観に行った。ここ数年、常滑の街が随分変わったとは聞いてたけど、インドネシアへ戻るときに中部国際空港まで一気に行くことはあっても、一度も降りたことがない常滑、知らない街、常滑だった。

初夏の常滑ツアー_b0090333_22224780.jpg 駅で降りて「常滑やきもの散歩道マップ」をもらって町歩きを始めると、まず最初にでっかく現れたのは「とこにゃん」


初夏の常滑ツアー_b0090333_222377.jpg 新聞や雑誌でよく見かける土管坂はこんな感じ。赤土の色と、初夏でぐんぐん伸び盛ってる新緑がとってもきれい。


初夏の常滑ツアー_b0090333_2224967.jpg 古窯庵のせいろを満喫した後、〆めには冷やし蕎麦ぜんざい。これもなかなかの美味。


初夏の常滑ツアー_b0090333_2224541.jpg もう少し南へ歩いたら、昭和49年まで現役だった登り窯に出会った。昭和57年に国の重要有形民俗文化財に指定されたもの。周辺の町並みも味があっていい感じ。ただ、これが週末になると、観光客でどれほど混雑するのかわからない。静かな環境で触れるには、とってもいい空間だった。


初夏の常滑ツアー_b0090333_22264045.jpg 駅から700mほどを歩いて、INAXライブミュージアムに到着。ここがまた広くていろんな施設が併設されている。とりあえずミントン展を見て、次に「窯のある広場・資料館」へ。私はこの館が一番気に入った。土管やタイルを焼いた窯が真ん中にどんとそびえ、今ではそこの中でくつろげるようになっている。現役の時には高温の火で包まれていたこの窯内が、いましんと涼しい空気の、まるで洞窟のような空気をつくっているのはなんとも魅力的。


初夏の常滑ツアー_b0090333_22313236.jpg 窯が現役だったときは、焼く前の土管の乾燥のために使われていたという2階が、いまは便器のミュージアムになっていた。絵付けされた陶器の便器のなんと美しいこと・・・。日本人のこの美意識は、どうして今ほとんど消えてしまったんだろう。本当に素敵な便器に感心。日本の便所の空間って、谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』で語られるように、独特な美意識があったんだなぁーとつくづく思った。


初夏の常滑ツアー_b0090333_22345825.jpg で、今日のお買い物はこれ。50年ほど前に常滑で生産され、欧米へ輸出されていたという灰皿4枚セット。オリエンタルなデザインが今見てもかっこいい。灰皿にしたら吸い殻2本も置いたらいっぱいというサイズのこれ、これからの季節、そうめんの薬味置きに良し。セットの収納部分はお玉置きにもなる。
古い小さな窯元の店で見つけ、一緒にいた濱田庄司の孫の琢司さんも
「お~、これはいい!」
と言ってくれたから、私も買い物モードが入った。
家に戻って眺めても、なかなか洒落たいい買い物ができたな~と満足。
気付けば万歩計はほぼ12,000を指している。健康に良し、眼に良しの充実した常滑ツアーになった。
by midoriart | 2012-05-31 22:39 | Art