Culture & Art Report from INDONESIA


by midoriart

12月14日◇フィリピン滞在記・UPバギオ校アーティストトーク

 年をまたいでしまったけれど、昨年12月に2週間滞在したフィリピンでの出来事を少しずつまとめておこうと思う。今回は2010年春に立ち上げた美術のNPOスンダランド・アートネットの企画でフィリピンはルソン島北部で、フィリピンと日本の交流イベント開催に合わせての渡航だった。

 b0090333_17252433.jpg 自らが理事を務める団体のイベントで、立体作品を制作するのが一番のミッションではあったのだけれど、今回で3度目になる北部の都市バギオで6日間滞在する間に小さなミッションもこなすことになっていた。
 それがここ、フィリピン大学バギオ校でのアーティストトーク。


b0090333_17265566.jpg 2006年には同じフィリピン大学のデリマン校で個展と授業、アーティストトークを頼まれたことがあったので、フィリピン大学(略してUP)とは2度目のお付き合いということになる。
 2007年、バギオで個展があったとき、このバギオ校美術学部の教授たちとも知り合いになり、いつか機会があったら学生たちに私の経験などを聞かせて欲しいと頼まれていた。それが今回三年たって実現したことになる。3年前に訪ねたときよりもスタジオがきれいになっていた。


b0090333_1729257.jpg 今日集まったのは美術学部の3年生と4年生。こっちが年をとったからか、ちっちゃくて可愛い子たちばかり。ここの大学には大きなまとまりで美術学部があり、全員が卒業するまで専科を選ばないという。だから彫刻も絵画も、工芸的な仕事も、キュレーターを目指したいような子も、みんな同じクラスでやってるらしい。


b0090333_17305719.jpg 私が2時間スライドを使って紹介したのはバリに渡ってから制作した作品と、ここ数年続けている「交換プロジェクト」の作品シリーズ。この作品は2005年初めてフィリピンを訪れたときに知った太平洋戦争時の日本軍の行いにショックを受けて始まったシリーズなので、それをフィリピンの若い芸大生の前で話すことができたのは私にとっては非常に意味のあることだった。
 作品紹介を終えた後、おとなしそうな生徒たちが小さな声で質問をしてきた。そして今回のトークについて、自分の感想を伝えてくれる子もいた。こういう反応があるって嬉しい。特に彼女らが
「今まで外国からきたアーティストが、自分の作品について語る授業はありました。でもあなたのように、先進国の人がアジアの国に暮らし、そして私たちの国の歴史と関わったテーマで作品を作っていることにとても共感できました」
と言ってくれたのには、こちらが感謝したくなった。

b0090333_17345284.jpg 全部で60名ほどの学生がいた中でも、先生にもう時間とっくに過ぎてるから帰りなさいと言われるまでいろんな質問をしてくれた学生たちと最後に記念撮影。
 昔はこういう子達を「カワイイ」とは思わなかったけど、彼らの倍も生きてきちゃうと、この若さがカワイく思えるもんだ。めったにできない交流ができて、このオマケのミッションはとっても実りあるものだった。
by midoriart | 2011-01-03 17:37 | the Philippines