Culture & Art Report from INDONESIA


by midoriart

6月1日◇「枝分かれの舌」by Adhya Ranadireksa

b0090333_1513154.jpg 今日は久しぶりにインドネシアの現代美術の紹介。
 私が親しくしているバンドンの友達数人がキュレーターとして、若手アーティストを紹介している小さなギャラリーから新しい展覧会の情報が送られてきた。初めて聞く名前に、インドネシアの現代美術もまだまだ活気があるなーと嬉しくなる。


b0090333_15133316.jpg 今回紹介されたのは、1972年バンドン(西ジャワ)生まれのAdhya Ranadireksa。彼はイタリアのローマにあるデザイン学校the Istituto Europeo Design in Romeで写真を学んだ後1997年に帰国している。


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 ちょっとグロい身体のパーツがモチーフになった写真作品は、気持ち悪いのだけれどその中にあるメッセージが気になってついつい見つめてしまう。


b0090333_15144532.jpg 今回個展の会場となったPLATFORM3は昨年暮に出来たばかりの新しいギャラリースペース。おもしろいのはここを始めたのが、過去にいろいろな展覧会を企画してきたバンドン在住の若いキュレーターたちの集団であること。今回は作家に向けて「植民地主義への提議」というテーマを渡したという。そしてその答えとして、このような作品が出てきたわけだ。


b0090333_15151459.jpg 彼は「植民地主義」というのは、単に人間を支配するだけではなく、人の五感、考え方、見方、感じ方すべてのものをそっくりそのまま奪い去ることだという。そんな彼の「植民地」に対する考えを聞いてから作品を見ると、この中にある比喩にも様々な思いを巡らせることができるだろう。

 しかし今年で35歳のうら若き彼にとっても、いまだ「植民地主義」はこのような作品を生み出すほどに骨身に染みた歴史であるのだろうか。350年のオランダ支配が現代の若者の中にどの程度の影響を及ぼしているのか、私にはそちらがとても気になった。
by midoriart | 2010-06-01 14:58 | Bandung