Culture & Art Report from INDONESIA


by midoriart

8月16日◇Merah-Putih(紅白)展

 話が前後するが、インドネシア独立記念日8月17日に合わせ、東ジャワのブリタルで開催された展覧会。  
 1945年、当時インドネシアを占領し、インドネシアの青年を「祖国防衛義勇軍」の名の下に集めて日本軍が訓練をしていたブリタルのPETA訓練所で、日本軍に対する反乱がおきた。私は2年前この地を訪れ、PETAの生き残りを探して30人を訪ね、私の作品と彼らの私物を交換してもらうというプロジェクトをした。
 今回はそのときに関わったブリタル市の青年たちからお声がかかり、展覧会が実現した。私の交換プロジェクト「ブリタル編」はすでに日本、ジョグジャ、ジャカルタ、バンドンで展示したことがあるが、実際にプロジェクトを行ったブリタルで展示するのは初めて。


b0090333_16505937.jpg 今回の展覧会はブリタル出身で、私のプロジェクトに同行してからPETAの兵士たちに興味をもち、いまやお爺ちゃんとなった彼らを追って撮影してきたカメラマンとの2人展という形。私は会場で一番空間の作りやすいコーナーをとって作品をディスプレィした。


b0090333_16523147.jpg 聞けば、私が生き残りを訪ねた2年前から今までに、すでに他界された方も多くいるという。日本でもそうだけれど、第二次世界大戦の体験者から生の声が聞けるのは、本当に本当にあと数年のうちだけだろう。


b0090333_16535716.jpg 同じ作品を数箇所で展示してきたけれど、毎回会場の空気が違うから、セッティングにはそれなりに時間がかかる。でもそれがまたおもしろかったりもする。


b0090333_16545484.jpg インドネシア国民にとって、8月17日の独立記念日はかなり大事らしい。17日当日は「国民の休日」で、ここブリタルでも朝からアルンアルンという市の中心にある広場で大々的な式典が行われる。だからこの「紅白展」のオープニングは前日16日の夜。
 PETAのお爺ちゃん二人も招待され、わざわざ来てくれたのが一番嬉しかった。ナショナリズムいっぱいの詩の朗読、インドネシアの歌などをみんなで歌う間、私の作品の一部であるドキュメントビデオも上映。PETAのお爺ちゃんたちにとっては、詩の朗読よりも自分が大きくスクリーンに映ることのほうが興味があるようだった。


b0090333_16582538.jpg お疲れて帰宅を希望したPETA兵士の一人タキリンさんと記念撮影。彼は2年前、当時の記憶を鮮明に話してくれて、私の作品とはライターを交換してくれた。今回会って挨拶しても
「ふぉ~・・・それで、あんたは誰だっけね・・・」
って感じだったんだけど、ドキュメントビデオを見てるうちに思い出してくれた。

 もともとは、過去のインドネシアの英雄たち、独立のために戦ったおじいちゃん世代の人たちの話を聞けるようにこの展覧会を開き、ブリタルの若者たちに来てもらいたいって趣旨だったので、喜んで展覧会に参加したんだけど、主催者の段取りの悪さが目だって、今ひとつそうした目標まで達してなかった感が強し。まー、それでも私としてはなかなか再会できなかっただろうPETAのお爺ちゃん2人とまた会えただけでも、6時間電車に揺られてブリタルに来たかいがあった。
by midoriart | 2009-08-29 17:02 | Indonesia