Culture & Art Report from INDONESIA


by midoriart

8月15日◇ニ・ディウッ~東ジャワのこっくりさん~

 15日午前2時の夜行電車Gajayanaに乗り、東ジャワのブリタルに到着したのは午前7時半。仮眠をとってから作品設置を開始。今回インドネシア共和国独立記念日8月17日に合わせて開催される展覧会の会場は、スカルノ初代大統領の墓地と記念ミュージアムがある場所。この記念ミュージアム内にある展示館1が私の作品展示場所。17日の独立記念日まで3連休になるため、この駐車場では様々なイベントが準備されているようだ。
 動きの早いスタッフのおかげで思っていたより順調に作品設置が終わったので、そのまま駐車場で繰り広げられるいろんなイベントを見て回ることにした。中でも一番おもしろかったのが「ニ・ディウッ」、こっくりさんの東ジャワ・バージョン。


 b0090333_18462388.jpgインドネシアで有名なのは「ジェランクン」といって、ホラー映画にもなっている。椰子でつくった柄杓を人に見立て、そこに霊を呼ぶという、まさにコックリさん。ちゃんとお返ししないと後で祟られるあたりも日本と似ている。今晩の出し物「ニ・ディウッ」は頭が椰子の実、脳みそに当たる部分はミリの実、そして半身は竹篭。ジャンブー(グアバ)の葉を炭で焚き、この中に霊を入れる。


 b0090333_18465574.jpg東ジャワでは「ニ・ディウッ」を支えることができるのは初潮前の娘だけらしい。降霊の間、3人の娘がそれを待つ。


b0090333_18471666.jpg すべてを仕切って歌を歌っているのはおばあちゃん。このおばあちゃんにはいつ霊が入ったかがわかるらしい。3人の娘に支えられたニ・ディウッは、おばあちゃんに化粧もしてもらう。


b0090333_18473896.jpg この間、ずっとおばあちゃん集団の歌が続く。それにリズムをつけるのは男衆。女性の霊であるニ・ディウッを誘えるのは男ということらしい。怖いよりはコミカルにみえるニ・ディウッの顔に比べ、私がぞっとしたのはこっち。青年のもっていた音鳴らしの木に白く描かれた人の顔。かなり怖い。


b0090333_18475815.jpg そしてやっぱりおばあちゃんには、いつニ・ディウッが動きたいのか、タイミングもわかるらしく、
「はい、立っていいわよ」
みたいに指示をする。そして娘が立ち上がると、あれよあれよとニ・ディウッが上下して、娘はそれに必死でついていく感じで走り出す。


b0090333_1848165.jpg 娘は何人も待機していて、疲れた子がいるとさっと走っていって、ニ・ディウッを支えるのを交代するようになっている。もっとみんな怖がってるのかと思いきや、意外にも楽しそう。楽しく運動しました的な感じ。


 う~ん、感想はというと、まぁまぁ。こうしたものはバリ生活が長かっただけに、山ほど見て来た。バリの場合、降霊やら交霊やら、トランスやら狐憑き系のものは日々の暮らしの中にあるくらいだから、そのスゴさと比較したら、申し訳ないけれど今晩のはフツー。
 後から関係者に話を聞くと、昔これは女の子たちの遊びだったらしい。だから呪術的ってよりは、コックリさんのライトソフト系(?)。霊もそんなにいたずらだったり怖いものではなくて、みんなで踊って遊びましょうみたいなものがルーツだそうだ。ホラー映画になったジェランクンのように、いったん呼んだ霊は、ちゃんとした呪文にのっとって返さないと、後から「えらい」事になっちゃう・・・ってような怖さはないらしい。だから私からすれば「まぁまぁ」ってことになっちゃうわけで・・・。


 までも、バリを離れて久しい私にとっては、久しぶりにちょこっとおもしろい出し物が見れた。その後同じ会場で、郷土のお菓子展もしっかりチェックしたことは言うまでもない。
by midoriart | 2009-08-15 18:42 | Indonesia