Culture & Art Report from INDONESIA


by midoriart

Jatiwanggi Art Factory (西ジャワ最新美術事情)

 ジャカルタとバンドンでの個展の合間に、日本からインドネシア現代美術の調査に来たSさんの同行通訳の仕事が入った。だいたい昔っから、日本の美術関係者が気にするのは首都ジャカルタ、そこから近いバンドン、アーティストの坩堝ジョグジャカルタの3都市。余裕があるとこれにバリがプラスされるのが定番。
 でも今回はちょっとハズレのジャティワンギがリストアップされているのが興味深かった。私自身、個展の準備に時間が必要で、調査にはあまり関われなかったので、今回は西ジャワのジャティワンギへの一泊二日、ジョグジャ市内でのアーティストへのインタビューの遂次通訳、これだけを引受ける事にした。

 ジャティワンギ。インドネシアでもそれほど知られた場所ではない。西ジャワ、バンドンとチルボンの間にある小さな町で、知ってる人は「瓦屋の町」として知っている。今回こんな僻地の、それも車で10時間もかかるような場所になんでついていったかというと、Sさんが見て、話を聞きたいというジャティワンギ・アート・ファクトリーの主宰が、私の古くからの友人だったからだ。
 もともとバンドンで演劇専攻で、でも美術学部の学生と仲が良くて、昔はバンドンでアートスペースの企画もやっていた。私はその時代からのつきあい。その彼が故郷ジャティワンギに戻り、絵描きの奥さんや土地の仲間と一緒になにやらイベントをやってるぞってことは本人から聞いていたけれど、じゃ行くか…という距離ではなく、ずっと行けないままだったのだ。


b0090333_19533552.jpg  そして今回のチャンスがやってきた。朝ジョグジャを出たって、向こうに着くのは午後8時。それでもジャティワンギ・アート・ファクトリー(以後JaF)のアリフは他の仲間たちと一緒に我々を待っててくれた。これがJaFのスペース。普段は妻が絵を描いていたり、音楽の仲間が瓦琴、瓦パーカッションなどを創作して練習してたり、この村の職人さんが瓦の土で立体作品を作ったり…となんでもありな空間。

b0090333_19545100.jpg  この日は長旅で疲れたのもあり、さらっと1時間ほどインタビューをして寝る。


b0090333_19544170.jpg  翌日明るいところで見たら、アリフの実家の瓦工場はかなりでかかった。
「お洒落な瓦の積み方してるんだねぇ~~~」
と関心していたら、実はこれ、先日9日にあった総選挙の時に、投票場として使われた名残。この隙間隙間に投票者が入り込んでいたわけね、なるほど…
 

b0090333_1955459.jpg  これがJaF主宰、旧友アリフユディ。昔はテキトーにやってる兄ちゃんって感じだったのに、実はやる人だったのね…、弟が村長に選ばれたこともあり、美術と一般大衆がとっても近く結びついてる。日本でもいいサンプルとして学ぶものが多いコミュニティだぞ、これは。


b0090333_19552387.jpg  昨日の夜に聞き逃したことをSさんがまたインタビュー。その横でやたら子供の声がうるさいな~と思ったら、嫁さんが近所の母子を集めてプレーグループ(幼稚園のようなもの)の真っ最中。インタビューを終えた我々に、日本語の単語を少し教えてほしいと言われ、コンニチワ、サヨウナラ、アリガトウを教える。お母さん方がちゃんとメモってて微笑ましい。


 また10時間の道のりが待っているからあまりゆっくりはできない。久しぶりにアリフに会ったのに、もったいないなぁ~~~と名残惜しくも車に乗る。そうそう5~6年前、まだ彼がJaFを作る前にここに来たとき、名産のナシ・ティンブルを食べてとっても美味しかったことを覚えていて、今回も何がなんでも食べなければ!と思っていた。

b0090333_1955359.jpg  岐路を急ぐ運転手に何度も何度も
「昼はナシ・ティンブル食べるから、お店探してくださいね~」
としつこくねだり、田舎にしてはかなり小奇麗な食堂で、かなり小奇麗バージョンのナシ・ティンブルにありつけた。おかずが取り立てて変わってるわけではなく、こうしてご飯が葉っぱに包まれてるんだけど。でも最初に食べた時は美味しかった。
 今回のは小奇麗すぎて、ローカル感に欠けたけど、でも味はよかった。Sさんも満足の様子でよかったよかった。


 もったいないな~、もっとのんびりしたいわ、この村。ジョグジャからだと遠いけど、バンドンからだったらチルボン方面のバスで3時間。今度は村の土使って何かしに行きたいなぁ。アリフ、待っててね~。
by midoriart | 2009-04-13 23:51 | Bandung