Culture & Art Report from INDONESIA


by midoriart

Memory of Asia ~お爺ちゃんの時代~

b0090333_19412615.jpg 2006年にフィリピンで始めた作品の交換プロジェクト、フィリピンではマニラ、バギオ、キブガンで合計1000人のフィリピン人と1000体の作品を交換した。最後100体はキブガンというバギオからさらに北に入った田舎に出向き、自ら作品を背負って交換してくれる人を探した。この様子は、私のプランに興味をもってくれたフィリピンのドキュメンタリー映画界重鎮、キドラット・タヒミック(現在越後妻有で制作中)によって撮影もされた。


b0090333_19415765.jpg その後、インドネシアに戻ってからは、日本と関わりのあった場所を探し、見つけたのが第2次世界大戦中、唯一日本軍に氾濫を起したPETA(Pembela Tanah Air=祖国防衛義勇軍)の部隊があったブリタルだった。1945年2月14日の「ブリタルの反乱」はこの後のインドネシア独立を奮起したとして、インドネシア史でも重要な扱いを受けている。私はここに住んでいるPETA元兵士を一人一人訪問して作品を交換してもらった。
(オープニング会場入り口で国際交流基金スタッフと)

 私の大好きだった竹次郎爺ちゃんと同じ世代の人たち、同じ時代を生きた人たちに会って、話をし、作品を交換する。これは私の中に流れる爺ちゃんの血を喜ばせる作業だと私は思っている。あの時代には戦うことしかできなかった人たちと、今の時代になって私は笑って話すことができる。


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 ブリタルでの交換プロジェクトを終え、次に始めたのはバリだった。ここには日本軍とバリ人との歴史的物語が残っているわけではないが、私が10年暮らした島でもあり、自分が暮らしてきた村周辺で、当時のバリの人がどんな日本を目の当たりにしたのかを知りたくて始めた。
 現在までに64人の爺ちゃん、婆ちゃんと交換が終わった。今回ジャカルタ会場ではこのすべてを展示している。けれど広い会場に並べてみると、64個って意外に少ない。まだまだ足りない。次回バンドン会場での展示までに、またバリへ戻ってプロジェクトを続けようと思っている。


b0090333_19461878.jpg そして日本での交換。こっちは一時帰国の際に少しやっただけなので、まだ22人。ひとつのプロジェクトの成果として見せるにはまだまだ足りないのだけれど、今回は会場がジャカルタの国際交流基金ホールだったので、やはり日本のものも見せておきたいと思って展示してみた。おそらくインドネシア巡回展の中でも、日本編を展示するのは今回だけだろう。


b0090333_19453979.jpg 会場に入るとまず私と竹次郎爺ちゃんの関係について、そしてなぜ私がこうしたプロジェクトを始めたのかの説明、そしてフィリピン編へと続く。


b0090333_19472765.jpg 次にブリタル編、PETA元兵士と交換した品々は私が作った箱に1点ずつ収めて展示している。


b0090333_19464227.jpg その次にバリ編。バリのお年寄りは写真を見てても味がある。たらんと垂らした乳がお茶目な婆ちゃんもいる。ジャカルタはとりあえずイスラム圏なので、ポルノ表現には厳しい。最初は本気でちょっと心配だったけれど、さすがにこれで怒る人はいなかったのでホッとした。


 この展示は国際交流基金ジャカルタ事務所ホールにて4月20日まで開かれている。
Memory of Asia ~Midori Hirota Exchange Project~
At HALL OF THE JAPAN FOUNDATION JAKARTA
Summitmas I Lt.2 Jl.Jend. Sudirman Kav 61-62 Jakarta Selatan
10:00 – 18:00 (土日、選挙の日は休廊)

by midoriart | 2009-04-02 23:37 | Art